息子が大学での2得点目を記録した。
これもまたフリーキック。
ペナルティーアーク外側付近からのGK真正面の位置。
いつもの如くゴールシーンをマネージャーさんが撮影してくれていた。
この日は初の先発出場。
対戦相手は違う地区の学生リーグの1部所属。
息子が大学練習に参加してから、何度かTMをしているチーム。
CBを任されていたが、試合途中からボランチへポジションチェンジし、大学初のボランチでプレーさせて貰えた。
同級生の怪物君が貰ってくれたフリーキック。
蹴る前に怪物君から「譲るわ、頼むよ〜笑」とからかわれたらしい。
息子は左足でカーブをかけ、ゴール右隅のサイドネットへボールを突き刺した。
壁の頭スレスレから、ゴール右隅へ高速カーブが突き刺さった。
GKも反応していたが、ボールには届かず。
画面越しだが、ギュンっと物凄い弾道で鳥肌立つ位のナイスゴール。
反応したGKも凄い。
息子、フリーキックまた上手くなった気がする。
息子に連絡を取り、ゴールを祝福した。
私
「またキック上手くなったん違うか?ナイスゴールやな。おめでとう。」
しかし、意外にも息子は喜ぶどころか、声に元気がなかった。
息子に理由を聞いてみると
「あのキックやねんけどな、キーパーに読まれてるねん。結果的に入ったけど、キーパー次第ではセーブされたかも。」
今日の対戦相手は、過去何度か対戦してるので、息子が両足使いなのは知っている可能性がある。
それに、GKに読まれることぐらいキッカーにとって珍しい事ではない。
何をそんなに気にしてるのか、続けて私は聞いてみた。
私
「壁の位置でか?」
息子
「動画見た?壁は問題ではないねん。あのキックな、助走の時からインパクトまでどっちの足で蹴るかわからんかったやろ?」
確かに。
息子は助走の時、ボールの真後ろに距離を取っていた。
想像して欲しい。
普通、右足で蹴る時はボールの左側後方に助走距離を取り、ボールの左側に軸足を踏み込んで右足で蹴る。
左足で蹴る時はボールの右側後方に助走距離を取り、ボールの右側に軸足を踏み込んで左足で蹴る。
この時の息子はボールの真後ろに助走距離を取り、蹴る瞬間までどっちの足で蹴るかわからなかった。
息子なりに、相手チームのGKや守備陣を惑わす為の所作であり、ギリギリまで読まれないようにする為であったのだろう。
しかし実際はGKに読まれたと息子は言っている。
その辺の話しを聞いてみた。
息子
「俺のキックな、左右で蹴る時に癖が出てるみたい。」
息子のキックは右と左。
変化球も加えると、相当な種類を持っているのだが、右足で蹴る時と左足で蹴る時の腕の使い方に違いがあったのである。
この「蹴る」という動作、腕の使い方(上半身)が非常に重要になるのだが、ドリブルやパス、トラップ、ボールキープも同じく腕の使い方(上半身)がとても大事。
腕の使い方次第では、格段にレベルアップできる。
(腕の使い方はまた別の機会に解説します。)
その腕の使い方を見極められ、さらに不運な事にGK真正面という位置と蹴る前の助走という要因が、GKからしてコースを予測しやすくしたのだ。
息子なりにGKを惑わす意図で、助走距離をボールの真後ろに取り、インパクトの瞬間まで左か右か判断つかないようにしたのに、この助走の仕方だと、あの位置からのフリーキックでは球種が限定されてしまうのである。
あとは腕の振り。
息子のインパクトの瞬間の左腕の振りに癖があった。
映像で見れば一目瞭然なのだが、要はその腕の使い方で左で蹴るのが読まれたのだ。
あとは、左ならインサイドキックのカーブが来ると絞れたのでGKに反応されたというわけだ。
息子
「最初から素直に右か左か決めて蹴ったほうが、球種も増えるしそっちの方がキーパー嫌がると思う。
右か左かどっちで蹴るか判断を迷わすんじゃなく、蹴り足を決めたらあとは球種で勝負したほうがええかもな。
ユースじゃ通用しても、大学では厳しいんかも。」
ちなみに、息子に癖が出てることは、世代別代表に選ばれた事のある控えGKの同級生が、ベンチから見て気付いてアドバイスをくれたらしい。
息子は前半のみの出場でベンチに下がったとの事。
相手チームが息子潰しに来たので、安全面を考慮した措置であった。
確かに、息子の身分はまだ高校生だったな。
レベルの高い所で凄い読み合いをしてるんだな。
私は全然気付かなかった。
1ゴール1アシストの記録。
ゴールは決めたし、いい記録を残したものの、癖が露呈した事で全く喜んでいない息子。
「1から出直しやわ〜ハァ…もっと精度上げな。」
の落胆ぶり。
もっとレベルの高いGKだったり守備陣であれば、そうやすやすとゴールを割らせてくれないだろう。
その向上心を持って、さらに武器を磨き続けろ。