今回は少々毒づいた記事になります。
お見苦しい点は多少あると思いますが、それでもご覧になりたい方はごゆっくりどうぞ。
みなさん、ゴールデンエイジってご存知だろうか。
サッカー少年少女を抱えている親御さんで、サッカーに熱心なご家庭なら
「そんなの知っとるわ!」
とツッコミが入りそうですが、具体的に説明致しますと、
「10才から12才までの時期で、最も運動神経が発達する黄金期」
と言われている。
もっと細かく言うと、5才から9才まではプレ・ゴールデンエイジとも呼ばれている。
要は、幼少期からジュニアまでが1番運動神経が発達する時期なので、その時に色々な運動をさせてあげて(刺激を入れてあげて)
運動神経に色々な体の動きを覚えこませましょうという事。
サッカーでいうと体の動きや技術そのもの。
やればやるほど体に刻み込まれる。
何が言いたいかわかりますね?
お父さん、お母さん、せっかくのゴールデンエイジ、この時期にお子さんにボールを使ったあらゆる運動をさせないともったいないですぜ?
ジュニアの時期に「サッカーとは何か?サッカーの原理原則とは、を教え込まなければ本当のサッカーとは言えない」と、頭でっかちな指導者いますな。(あなたの周りに1人や2人いてません?)
持論を持つのはまあいいとして、そんな指導をしても時期早尚すぎて理解するにはたかが知れてますわ。
それを指導したがる(した気になってる)ジュニアの指導者は、ジュニアユース、ユースで何をしているのか知らないのですよ、きっと。
サッカー人生を100m走に置き変えたとすると、ジュニアの時期はスタートからどれくらいの距離だと思います?
最初の10m位よ?
その10mの優劣で勝負が決まると思いますか?
スタートは確かに大事。
スタート出遅れると、かなりアドバンテージ取られる。
だから、大事なスタートはサッカーで言えば
「基礎技術」
になるのよ。
100m走の最初の10m、多少出遅れてアドバンテージ取られたとしても、50m過ぎた辺りからどんどん伸びて来て、ラスト30m位からグーンと突き抜けるシーン見た事ないですか?
あれが、サッカーの成長にも見られるんですよ。
よくいるでしょ?遅咲きの選手。(厳密に言えば遅くはない、ジュニアを基準にするから遅咲きってなる)
中学で一気に伸びたとか、抜群に上手くなったとか。
「本当のサッカーはジュニアユースから始まる。」
ジュニアで全てが決まるわけではないし、ジュニアでやった事が後のサッカー人生で役立つ事はあっても弊害になる事はない。
たかだかジュニアの時期。
やれる事は知れてる。
ジュニアの偏ったように見える(正確には偏りではなくこだわり)指導方法に、異議を唱える理論派気取りのクエスチョンな方々が世の中にはおられるが、100歩譲ってそれが仮に理にかなってない方法だったとしてもだな、それでジュニアの選手が終わってしまうわけじゃないのだよ。
そんなジュニアというカテゴリーの世界での育成しか見てない指導者が、以降のサッカー育成で選手がどう成長して行くか知ってる?
ジュニアで仮にやるべきでないという指導を受けた選手が、ジュニアユース以降ユースに至るまでどう変貌して行くか見た事あるのか?
ジュニアのカテゴリーだけで結論付けるのは早すぎるよ?
私は、ジュニアの時期に”ダメになる”とか”下手になる”とか”この先終わる”とかいう評価の仕方が血へどが出るくらい大嫌いである。
それは、うちの息子がジュニア時代にベテランコーチに言われた事が尾を引いている。
「息子は箸にも棒にもかからん、使い物にならんわ。
早く見切りつけて違うスポーツやらしたりや」
これを面と向かって言われたのである。
指導者の立場にある者が、選手とその親に言うこの言葉の重み。
言った本人は忘れてるかもしれないが、言われた側の私と息子は今でもこの言葉を忘れていない。
ずっと残っている。
この言われた悔しさや、腹立だしさが反骨精神となって、今の息子があり私があるのだが、全ての親子がそうなるわけではない。
中にはメンタルを崩して、サッカーを辞めてしまう選手や家庭もあるだろう。
たかだか、ジュニアの一ボランティアコーチの一言でだ。
たったその一言が、何の権限があって、これからサッカーを楽しもうとする親子からサッカーを奪うつもりなのか。
ボランティアコーチとて、ジュニアの選手や親御さんからすればサッカー指導者であり、サッカーを教えてくれるコーチであり先生である。
その立場にある人の言葉には重みを感じているのである。
どんな場所であっても、軽々しくジュニアの選手を見下す発言はするな。
それを聞いた、目にした、言われた選手や親御さんがどんな気持ちでいるかわかるか?
指導者を名乗る以上は言葉に責任を持て、発言の重みを自覚しろ。
プロ、アマ、ボランティア関係なく、これは同業者(プロの指導者)の私からの切なる願いでもある。
ジュニア時代にこれをやっていてはダメだと決め付け、先がないとか下手とか口にする指導者を騙る人達は、この先のジュニアユース、ユースの育成を知っている上での発言なのだろうか。
この先何が待ち受けているのか。
ジュニアの選手たちがジュニアユースでどう成長し、ユースで、高校サッカーでどう変貌していくのか見た事あるのだろうか。
あーだこーだ言う前に、まずは知ってからだ。
私は息子と経験してきた。
育成というものがどんなものか、それはそれは奥が深く、全てを理解し習得するには途方もない時間と試行錯誤が必要になる。
そんな世界をこの目で見てきた。
とんでもない場面に遭遇し、挫折を味わい、葛藤し、苦しみ、喜び、助け合い、感動し、人生観が変わり成長してきた。
だからこそ知ってるその経験、苦労、知識を基に、私の知り得た事を私の読者でジュニア選手を抱える親御さんに還元したいのだ。
今が苦しくても、何かに悩んでいても、必ず将来芽が出て、大輪の花を咲かせるよと教えてあげたい。
その私が言う。
指導者を生業としている、今も現役コーチの私が断言する。
ジュニア時代、どんな指導を受けていても、ジュニアユース以降で修正するのはなんぼでも可能だ。
逆に、どのようなプレースタイルに転向することも出来る。
ダメになるどころか可能なのだよ。
どのような選手にだってなれるし、どんなチーム作りも出来る。
逆に言えば、指導者や環境次第でダメにする事も出来るのがジュニアユース以降だ。
だから、私が散々言ってるのは、目的に合ったチーム選びがジュニアユースでは必要になってくる。
それだから、うちの息子はジュニアユースのセレクションを受験し、息子に見合ったチームに入団したのだ。
話はずれたが、ジュニアには何よりももっと大切なやるべき事がある。
ジュニアの時期にしか訪れない黄金期があるから。
その黄金期は一生の内にちょっとの時間しかないのだよ。
見誤るな、ジュニアの保護者達よ。
道を一つ間違えて少し寄り道してしまい、違う価値観や景色を見てしまい、自分たちの信念が揺らぐ時、ここに来て振り返ってみて。
何をさせるべきか、もうお分かりですよね。
お分かり頂けたなら幸いです。