君たち、しっかりドリブルやっとけ | 少年サッカーよもやま話し

少年サッカーよもやま話し

とある少年サッカーチームに属するコーチの体験談。
いい意味でも悪い意味でも少年サッカーにおけるよもや話しをしていきます。

高校を卒業して、一人暮らしをスタートさせ毎日大学の練習に通う息子。

まだ大学に入学はしていないが、入学式までの2ヶ月間、新入学生は7名の特待生のみ練習参加の予定だった。

息子の大学は、特待生以外の入部希望者は、事前セレクションに合格しなければサッカー部に入部出来ないし、セレクション合格者は、通常大学入学後の4月から練習開始になる。


息子は特待生ではなく、一般受験の事前セレクション組であったが、同大学の事前セレクション合格者の中で、息子のみが7名の特待生組と一緒に練習に参加させて貰えている。

大学入学後にサッカー部の入部セレクションが再度あるが、ここで入部出来る枠は若干名である為、息子は事前セレクションを合格した事を考えれば、狭き門を通過した事がわかる。


7名の特待生は全員今年の選手権に出場しており、全員が選手名鑑に掲載された選手。

そのメンツの中で、トップチームに帯同しているのは息子合わせて3名だけというのだから、息子にしては上々のスタートである。


その息子が今力を入れて取り組んでいるのが、フィジカルトレーニングとドリブル。

特にドリブルは、近くの広場や大学の練習後のピッチで自主練としてやっているらしい。

なぜ今更ドリブル?


以前にも記事に書いたが、息子はジュニア時代にもっとドリブルを練習していれば良かったと過去を振り返っていた。

キックとリフティングは腐る程やってきた。

しかしドリブルはスクールと自主練で少しやったくらいで、ジュニア時代のチーム練習では、アップの時のボールタッチレベルしかやっておらず、ほとんどが勝つ為の戦術練習がメインであった。


息子の持論は

「ドリブルは心肺に負荷もかけれるし、コーディネーショントレーニングにもなる。

ドリブルは、足元の技術だけじゃなく

◯ 体の使い方

◯ ボールの置き方

◯ 体の向き

◯ 敵の動かし方(重心のずらし方)

◯ 自分の位置と味方の位置

とか、サッカーを理解するのに必要な要素全てのトレーニングに通じる。

ドリブルが必要なのは大人になったらわかる。

小学生の内は戦術練習なんかいらない。

サッカーのルールと最低限のセオリーだけ知っとけばいい。(例えば、クリアは外へ、守備は中を守る、攻撃は開く、数的優位を作る、スペースを見つける、ギャップをつく、パス&ゴー等)

だから、小学生の時にめちゃくちゃドリブルしとけば良かったと今でも思う。

ドリブルは足が遅くても関係ない。

技術やスピードだけでなく、相手を動かしたり、上半身の動き、揺さぶり、ボールの置き方で簡単に抜けるから。

小学生やったら飽きないし面白いはずやで。」

との事である。


要は、ジュニアの時にドリブルしっかりやっとけよという事。

• 割合的に8割ドリブル2割キック(パス)、リフティングは遊びや合間にやってたらいい。

• 戦術を始めとするサッカーを知るのはジュニアユースから。

• ジュニア時代はサッカーのルールを知ることとドリブル永遠にしとけ。


これが息子がこれまでサッカーをやって来て導いた結論らしい。


しかし、現実はドリブルの練習をしたくても出来ないのが現状であろう。

ドリブルを否定しがちなジュニアのチームやジュニアのコーチが多いし、いくらドリブルに力を入れたくてもしにくい環境であるのは理解出来る。

ドリブルと聞くと、独りよがり、自己中、持ちすぎ、パスサッカーに反する等、そんなマイナスイメージを持つ親御さんも少なくない。


しかし、息子と私が言いたいのは、ドリブラーになれと言っているわけではない。

将来、上のカテゴリーでサッカー選手として活躍したいのなら、ドリブル練習は必要だよという事。

ドリブルはサッカーのあらゆるプレーに通づる、基本だからである。

パスサッカーでも、全てワンタッチしかしないチームなんていない。

ボールを持って、一歩でも移動すればそれはドリブルになるのだ。

サッカーの試合で勝ちたいのはわかる。

サッカーは1人でするスポーツではないし、パスもパスワークも必要なのは言うまでもない。

ただ、ある程度自由にサッカーをするのが許されるジュニア時代。

勝ち負けだけにこだわらず、先を見据えて将来の為にドリブルにこだわったっていい時期なのではと思うのは私だけだろうか。

12才までである。

12才まではドリブルに特化したっていいんじゃない?

ドリブルしまくって、楽しみながらいつの間にか技術がついてるなんてお得だろ?

ドリブルで抜けたら気持ちいいし、ますますサッカー好きになるよ。


ジュニアのうちから戦術や高度なサッカーを学びたいだって?

慌てなくていい、嫌でもジュニアユースから本当のサッカーが始まるのだから。