少年団のOBとして | 少年サッカーよもやま話し

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とある少年サッカーチームに属するコーチの体験談。
いい意味でも悪い意味でも少年サッカーにおけるよもや話しをしていきます。

息子の属した少年団主催のカップ戦がまもなく開催される。

そう、ジュニアユースセレクションで私達親子と揉めた因縁の少年団。

今年度の開催は、6年生の卒団試合を兼ねた大会で、招待チームもいつもの2倍にして盛大に開催されるらしい。


息子が少年団を卒団してからは、息子の属したジュニアユースには、少年団からは誰1人として入団していない。

闇に、息子のジュニアユースには入団をしてはいけないという御触れのような指示が出ているとか、都市伝説的な噂もあるようだ。


今大会は、息子の同級生OBや先輩OBを始め、多数のOBが大会に訪れるらしい。

当の息子はOB選手らとは仲が良かったし、一部のコーチ陣とは良くしてもらっていたので、成長した姿を見せに行ってもいいと思うのだが、参加するか迷っているのだという。


話しが合うかなぁ、受け入れられるかなぁ、が息子の本音。

仲が良かったと言っても小学生時代。

ジュニアユースからは少年団から遠ざかったし、高校は寮生活で地元を離れてサッカーに打ち込んで来た。

息子の周りはサッカーに真剣に打ち込んでいる者ばかりで、いつしか連れ合うのもそういう選手ばかりになっている。

しかし少年団のOB選手は、1人の先輩を除き全員がサッカーを辞めている。

早くてジュニアユース、長くても高校の1年目で途中退部。

サッカーからは久しく無縁のOBで、サッカーで挫折してサッカーに対してトラウマになったOBもいる。


私は息子に言った。

「代表や若手コーチには良くしてもらったから、挨拶しに行くくらい行ってみたらいいやん。あと、久しぶりにエース君とも会えるやろ?」


エース君とは当時の息子の同級生で、チームのエースだった選手。

幼稚園からサッカーを始め、息子が2年生でサッカーを始め少年団に入団した頃には、既に6年生の試合にも出場するくらい、お父さんコーチ陣から期待され、可愛がられ、絶対的エースとして君臨していた。

息子はエース君とは仲が良かったのだが、息子のジュニアユースセレクション受験以降、会う機会が少なくなり徐々に疎遠になっていく。

SNSでは連絡を取り合っているものの、サッカーに打ち込んでいる息子とは話しが合わなくなったようだ。

そのエース君は、ジュニアユースは少年団が薦めるチームへ入団したのだが、入団以降Bチームが続き、試合に出場する機会が激減した事から2年生でサッカーを辞め、サッカーがトラウマとなって引きこもりになってしまった。

その影響もあってか中学校も不登校になってしまい、高校も受験する事なく17歳になるまで外に出る事が出来なかった。

そんなエース君が、気分転換にたまたま少年団に顔を出した際、少年団の選手やコーチ陣から「コーチ」と呼ばれた事でやりがいを見出し、今はアルバイトをしながら少年団のボランティアコーチをして、社会復帰を目指している。


息子はエース君の事は「エースの事は元気にやってるか気にしてる、久しぶりに話してみたいし。」と、気にはなっているようだ。

しかし、少年団の猛反対を押し切って、私と共にジュニアユースセレクションを受験して我が道を突き進んだ事で、息子の中では裏切り者のレッテルを貼られているのではないかと不安要素があるのだろう。

実際は、猛反対していたコーチ陣のほとんどが、少年団のコーチを退いているのでそのような心配はしなくていいし、逆に自分の信念を貫いた事で、ここまで成長出来たのだと自信を持ってもいい位だし、少年団のジュニア達にも、諦めなければ可能性が広がる事を伝えられるいい機会でもあると思うのだが。


まあ、参加するかどうかは息子の意志に任せるが、昔の団の仲間と会ってボールを蹴り合えば、すぐに打ち解けると思うのだが、そこはまだ大人になりきれていない息子でした。