兄とゴルフ練習場にいた時の事。
2人でアプローチの練習をしている中、隣の兄はあちらこちらにボールを飛ばしていた。
8本しかない指、指先のない手では、うまくいかないのだろう…と、隣で少し兄の心情を案じながらゆっくり構えを作る姿を目に入れていた。
あっという間に練習ボールがなくなったので、一足先に椅子に腰掛けていると、暫く…いやいや、だいぶ時間が経ってからだった様に思う。…誠に溌剌とした兄が楽しそうに呟いた。
「いやー、面白いなぁ。一打一打の狙いをあちこちに変えてみると、身体をどうしようって考えるんだよなぁ。」と、予想外の言の葉を広げた。
一点を定め、そこに辿り着かなければ自分に❌を出し、がむしゃらにボールと格闘していた私には理解できない言の葉との出会いだった。
💮をもらい、うまく行く道だけを追いかけ、その一本の道しか描けなかった私も、何やらこの年齢の区域に足を踏み入れたとたん、無駄が無駄でない栄養剤と悟れるようになっている。
「今日はわざとゆっくりバカ丁寧に皿を洗ってみたよ。これが新しい発見があって、楽しいんだよ。どうせ外に出られないんだから、毎日、わざと変えた事してみろよ。けっこう楽しいぞ」…電話の向こうから、心楽しく生きる背中が見えてくる。
工夫しながら明るく生きてきた言の葉は、えらく大きく分厚く活き活きと見えた。
はい！師匠！自分を試しながら心楽しい味を増やしてまいりやす❣️
2021.1.28