著者 西加奈子
この本の表紙は、西加奈子さんによるものだそう
この小説のエピグラフに
市原悦子さんの言葉がありました
”悪人善人というのはいない。人には美しい瞬間と醜い瞬間があるだけだ。”
この話に登場するのは
アキ~身長191cmで風貌は異形、吃音あり、貧困家庭に育ち、母親はネグレクト
高校卒業後、小さな劇団に所属
俺~何不自由なく暮らしていたが、高校生の時、父親を亡くし、経済的にどん底へ
大学卒業後、小さなテレビ番組制作会社へ就職
アキと俺は、高校の頃からの友人
この本を読んで、日本の現実、社会の理不尽を、あらためて突き付けられました
ハラスメントを受けながら、ぼろきれのように働きづめでも、暮らしは良くならず、精神を病んでいくばかり
奨学金という借金にがんじがらめで、希望も見えず
二人の、心身共に疲れ果て壊れていく様子に、胸の塞ぐ思いでした
しかし、どこかに救いの手はあります
弱さをさらけ出し、助けてもらわねばならない時があります
助けてくれる人は、必ずいます
エンディングには、奇跡的なエピソードがあり、読者はそこにも救われます
夜は明けるのです
2022年本屋大賞ノミネート作品