著者 逢坂冬馬
こちらの内容、あまりにもタイムリーで驚きました
初版を確認すると、2021年11月25日
(2022年2月24日、ロシアがウクライナに軍事侵攻しました)
この小説は、第二次世界大戦中のソビエトとドイツの戦争が舞台です
※この頃のソビエトは、ウクライナを含んでいます
タイトルの同志少女とは、ソビエトの狙撃兵のことです
母を含め自分の住む村を殲滅された生き残りの少女セラフィマが、狙撃兵として訓練されて、戦場に送り出された話です
女性だけで組織された狙撃兵小隊には、子供を守りたいから、女性を守りたいから、復讐したいからと、いろいろなモチベーションの少女たちがいました
彼らは、専門的な知識と技術を叩き込まれ、前線へと送り出されました
初めて人間を撃った日から、少女たちは、だんだん恐怖心が消えていきます
狙撃するとスコアが付き、どんどん戦果を挙げて、一流の狙撃兵になっていきます
狙撃現場の臨場感や緊迫感
狙撃方法、手段のリアルさ
狙撃兵となった少女たちの背景
仇討ちなど
読み応えがあります
戦争後の彼女たちなどにも触れています
フィクションとして面白い読み物です
戦争は、いつの世も、女性たちには絶望しかありません
また、戦争は、人を異常にしてしまいます
価値観や倫理観が崩れていきます
悲惨以外の何ものでもありません
読書中
現在のウクライナで起こっていることと、あまりにも重なる部分が多くて、辛くなりました
独ソ戦から75年以上も経っているのに、また、同じことが繰り返されています
2022年本屋大賞受賞作
第166回直木賞候補作
次は、「戦争は女の顔をしていない」スヴェトラーナ・アレクシエーヴィチ著
を読んでみたいと思いました