松戸政也騎手インタビュー その3 | 金沢競馬担当日記

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金沢競馬のレース実況を担当するアナウンサーが、金沢競馬に関するあれこれをつづります。

松戸政也騎手のインタビュー、つづきです。


~以下、松戸騎手の話~



(戦法は)ボクは後ろからが好きなんです。
金沢も小回りで先行有利なんで、ずっと何でも先行、先行って思ってたんですけど、キープザブレイブっていう馬で後ろから勝ったときに、そのときにやっと追い込み、馬の脚をためるっていうか、追い込みをちょっと解り始めて、ああ、ちょっとためると最後にひとあし使えるんだなあってのを、実感しました。だいぶ遅いですけど(笑)、つかんだ感じで。

他の馬でも、ちょっと後ろからジックリ行って最後ひとあしに賭ける乗り方して勝ったり、勝負所3・4コーナーをあまり動きすぎずに、もうワンテンポ、2・3テンポ待ってから追い出して、っていうのがちょうどうまくいったこともあって。
ひとあししか使えない馬で、いい感じで上がって行っても、最後直線止まっちゃうことが多くて、ちょっとそうしてみようかなと思って乗ったらうまくいったり。やっぱそれでやっぱ追い込みいいなって思い始めました。

それから、道中冷静になって考えるようになりましたね、最近は。前との距離とか位置取りも、これで届くのかとか。今年ですね、今年特に(注:話を聞いたのは2012年12月)。

そういうの、ちょっと楽しいと思ったんですよね。結果にもつながるし。
自分で、いつもなら3コーナー4コーナーで並びかけて、先頭に立つ、正攻法のレースばっかやってたのより、ちょっと考えて前との距離を測ったりとか、周りの馬とか、今どのくらいなら動けるとか、仕掛けどころも自分で考えて乗ったりするのが、楽しいって思って。



(騎手として、ワンステージ上がった感じ?)そうですね。今までの、騎手やってた人生と、ちょっと変わってきましたね。

やっぱり馬に教えられましたね。ナムラマハラジャっていう馬、あれ特に前半急ぎすぎるとダメだって調教師がわかってるんで、そういう指示が出るんですよ。3コーナーまでジっとして、最後ひとあし。それまで、前についていったりしたこともあって、そうするとホントに走らないんですよ。着外になったり。で、先生がそう言うから、ジッと乗ったら、やっぱひとあしビュッと使って、結局勝ってないですけど、でも2着とか3着にビュッと来たりしてたんで、それもあって特に。特にその馬ですね。やっぱためると違うんだ、他にもそういう馬いるんじゃないかな、そういうふうにしたらいいんじゃないかなっていう馬を、探して、じゃないですけど、で、気づいたのが先にあげた馬で、ああこれもそうか、みたいな。

抜かれるより抜くほうが楽しいっていうか、気持ちいいっていうか。逃げてたら、あとは抜かれないだけじゃないですか。抜かれないように乗るより、前を抜いてやるって乗るほうが追い込んだほうが燃えるっていうか。それで差したら気持ちいいですよね、逃げ切ったときよりも、差し切ったレースのほうが気持ちいいですね。



ひとつひとつ、勝ち星多くして、リーディング上位っていうより、認められる騎手になりたいですね。調教師、馬主さん、厩務員さんもそうですけど。「松戸が乗ってくれれば安心や」、みたいな。そういう感じになりたいですね。そうすれば自然と勝ち星も増えるでしょうけど、頼られる騎手になりたいです。


~以上、松戸騎手の話 おわり~

前にも書いたとおり、松戸騎手は、少し照れながらですが、真面目にこちらの質問にこたえてくれました。
難しい(答えにくい)質問にも、テキトーな答を返したりはせず、長時間考えてでも自分の言葉で話してくれました。

騎手として、力量も、自身のモチベーションも上昇中の松戸騎手。今年はさらなる飛躍を期待しましょう。応援、よろしくお願いします。