善因善果・悪因悪果で死後の世界が決まる?!
芥川龍之介の『蜘蛛の糸』というお話をご存じでしょうか。
生前にたくさんの罪をつくり地獄に落ちた犍陀多(カンダタ)という大泥棒の話です。
犍陀多(カンダタ)が血の池で苦しんでいる時に、お釈迦様が、彼が生前に蜘蛛の命を思いやり助けたことを知り天へ通じる一筋の銀色の糸を垂らしました。
しかし、その糸に同じように救いを求めしがみつく他の罪人たちを犍陀多(カンダタ)が振り落とそうとしたことで糸は切れてしまい、また地獄へ落ちました。
この一部始終を見ていたお釈迦さまは、悲しそうな顔をして立ち去りました。
本作は芥川龍之介の処女児童文学作品です。
「因果応報」の理(ことわり)を感じます。
因果応報とは、業(行為)の善悪に応じてその報いがあることをいいます。
よい行いをすればよい報いがあり、悪い行いをすれば悪い報いがあるとされています。
「因」は因縁の意で、原因のことです。「果」は果報の意で、原因によって生じた結果や報いのことをいいます。