あなたの職場には自分を大きく見せようとして、明らかに自分の実力以上の話をしている人はいませんか? 

 

自分を大きく見せようとする人には、それなりの理由や原因、背景にある心理があるものです。

 

自分を大きく見せようとする人に適切に対処する方法を考えてみましょう。

 

 

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職場における自分を大きく見せようとするの意味

自分を大きく見せようとするというのは、実際の自分よりも大きく見せようという意味になるので、本当に大きい(実力がある)人が取る行動ではありません。

 

つまり自分は小者だということを自覚していて、相手に自分が小さいことを悟られないように見栄を張るために大きく見せようとしているのです。

 

虚勢を張っていると言い替えてもいいでしょう。

 

職場では自分を大きく見せようとする人は2つの立場に分けることができます。

 

ひとつは上司の立場で、もうひとつは部下の立場で自分を大きく見せようとする人です。

 

それぞれの立場によって自分を大きく見せようとする意味が少し違ってくるので、立場別に考えてみましょう。

自分を大きく見せようとする上司

上司の立場で自分を大きく見せようとする人は、部下が自分を信頼していない、自分を軽く見ているという不安を払拭するという意味があります。

 

自分が小さいという自覚があり、それを部下に悟られないようにするために自分を大きく見せようとするということです。

自分を大きく見せようとする部下

上司に対して自分を大きく見せようとする部下は、仕事ができる部下であることをアピールするという意味で自分を大きく見せようとしています。

 

これも自分は仕事ができないという自覚があり、それをカバーするために大きく見せようとしているのです。

 

上司の場合も部下の場合も共通しているのは、本来の自分よりも良く見せようという意識があるという点です。

 

次に「自分を大きく見せる」という言葉を別の言葉に置き換えて違う方向から考えてみましょう。

 

「自分を大きく見せる」という言葉は次の言葉でもあらわすことができます。

虚栄心が強い

虚栄心は自分をよく見せようとして見栄を張ることを言います。

 

実際の自分ではない虚像を見せることで自分を大きく見せようとしているという点では、虚栄心が強い人は自分を大きく見せようとする人と同じです。

夜郎自大(やろうじだい)

「夜郎自大」の夜郎は古代中国の民族の名前で、漢民族の強大さを知らずに自分たちの民族が一番強いとうぬぼれていたという故事から生まれた言葉です。

 

夜郎自大の意味は「自分の力量を知らない人間が、仲間の中で大きな顔をしていい気になっていること」です。

 

夜郎自大にはうぬぼれというニュアンスが強くありますが、自分の実力以上に他者からよく見られたいという点では自分を大きく見せたい人と共通しています。

 

それでは次にどんな人が自分を大きく見せようとする傾向があるかを考えてみましょう。

自分を大きく見せようとする人とはこんな人

自分を強く見せたい人には次のような特徴があります。

 

1. 本来の自分を認めない

2. 他人よりも優れていたいという願望が強い

3. 自分に嘘を付き続けているので他人も嘘を付いていると思っている

4. 自分を大きく見せることで快感を得ている

5. 自分の欠点を認めない

6. ナルシストが多い

 

上記の特徴を個別に説明しましょう。

本来の自分を認めない

自分を大きく見せる人は等身大の自分を認めることをしません。

 

本来の自分を認めるのが怖いという意識があるためです。

 

等身大の自分を認めてしまうと小さい自分を認めることになり耐えることができません。

 

自分を大きく見せるということ自体がその人の中ではひとつの自己防衛となっているのです。

他人よりも優れていたいという願望が強い

特に職場では他人と比較されることが多くなり、他人と比較した相対的評価が昇給や昇進に結びつきます。

 

また、過去に劣等感を感じたことがある人ほど、その反動で人よりも優れていたいと思うようになるため、他人よりも優れていたいという願望が強くなります。

 

優越感を持ちたいというのも自分を大きく見せたい人の特徴のひとつです。

自分に嘘を付き続けているので他人も嘘を付いていると思っている

自分を大きく見せようとしている人は常に自分に嘘を付いている状態なので、他人も同じように嘘を付いていると考えています。

 

そのため、ますます自分に嘘を付くことをやめることができなくなっています。

 

本当は嘘を付くということは精神的には辛いことですが、やめられなくなっているため精神的な病になってしまう恐れもあります。

自分を大きく見せることで快感を得ている

自分を大きく見せることには辛い部分もありますが、周囲の人に認められている気分になるのでそれが快感となっている部分もあります。

 

これが原因で自分を大きく見せることをやめられなくなります。

自分の欠点を認めない

自分を大きく見せることは本来の自分を認めないことになるので、自分の欠点を認めないことにつながります。

 

そもそも素直に自分の欠点を認められる人であれば、自分を実力以上に大きく見せようとは考えないでしょう。

 

自分の欠点を絶対に認めないというのも自分を大きく見せる人の特徴です。

ナルシストが多い

自分を大きく見せようとする人は、違う言葉では虚栄心が強い人になります。

 

虚栄心と自己顕示欲はよく似た言葉ですが、自己顕示欲は本来の自分を認めてほしいという欲求のことです。

 

自分を大きく見せたい人は虚栄心が強いので、本来の自分以上のものを見せたいという欲求があり、これは自己愛につながっています。

 

自己愛が強いナルシストほど、実態よりも自分を大きく見せようとする傾向があります。

自分を大きく見せようとする人の心理

次に自分を大きく見せようとする人を心理面から考えてみましょう。

 

自分を大きく見せようとする人の心理としては次の7つが考えられます。 

 

1. 自己顕示欲

2. 自己否定

3. 臆病

4. 負けず嫌い

5. 他人との比較

6. 場当たり的

7. 劣等感

 

それでは上記の心理を個別に考えてみましょう。

 

自己顕示欲が強い

自己顕示欲の強さは、職場では自分の実績をアピールするという行動にあらわれます。

 

しかし自分を大きく見せようとする人は、それだけでは飽き足らず他人の実績まで自分の実績のように主張します。

自己否定が強い

自分を大きく見せようとする人は自己顕示欲が強い半面、自己否定も強いという心理があります。

 

過去に自分の能力を否定されたり性格を否定されたりした経験があると、その反動として自分を大きく見せたいという気持ちが強くなります。

 

そのため自分を大きく見せたい人には自己否定の心理も隠れています。

臆病

臆病といってもびくびくと怯えているという心理ではなく、物事に対して積極的な行動を取れないという意味の臆病さのことです。

 

自分を大きく見せたい人の中にはこの臆病さがあり、その反動として自己顕示欲が強くなりプライドを強く持つことでバランスを取っているのです。

負けず嫌い

職場で常に話題の中心になろうとする人はいないでしょうか?

 

だれかが話題の中心になっていると必ずその話題でも自分が中心にならないと気がすまない人は負けず嫌いの傾向があります。

 

自分を大きく見せようとする人も負けず嫌いであることが多く、他人よりも目立とうとします。

他人と比較する

負けず嫌いの心理と似ていますが他人と比較して自分をより良く見せようとするだけでなく、他人を否定したりバカにしたりすることで自分をよく見せる傾向があります。

 

自分を大きく見せたい人は、そうすることでまわりが自分に目を向けることを期待し、そうしなければまわりが自分を見ないと思っています。

場当たり的な対応

自分を大きく見せようとする人は基本的に責任感がないので場当たり的な行動を取ります。

 

職場内で仕事が失敗しても自分ではなく他人のせいにする傾向があり、一時的な対応でその場をしのごうとします。

劣等感が強い

自分を大きく見せようという行動の裏側には劣等コンプレックスがあります。

 

自分の性格や容姿、仕事にコンプレックスがあるため、その反動として自分を大きく見せることでバランスを取ろうとします。

 

自分を大きく見せようとする人は自分を醜いと思ったり他人よりも劣っていると思ったりする心理から、なんとか他人に認められたいという欲求が強くなる傾向があります。

自分を大きく見せようとする人の対処法

次に職場内に自分を大きく見せようとする人がいた場合に、どのように対処したらいいのかを考えてみましょう。

 

一方的に相手を否定することは基本的には避けましょう。

 

職場にいる人であれば上司や部下を問わず、会社をやめない限り次の日も一緒に仕事をする相手であることは間違いないので、相手を攻めるよりも自分の考え方を変えてみましょう。

 

誰でも自分を大きく見せたい

職場の中で自分を大きく見せたいと思っている人は実際に考えたとおりに行動しているだけで、心の中では誰でも少しは自分を大きく見せたいと考えているはずです。

 

たとえば体が小さい人の中には無意識に腰に手をあてて体を大きく見せようとする人もいます。

 

モデルなどは腰に手をあてることでわざと大きさや強さをアピールする場合もあり、それ自体は悪いことではありません。

 

自分を大きく見せたい人はそのアピールが普通の人よりも少し大きいと考えましょう。

 

自分を振り返ってみると他人よりも極端な部分もあるはずです。

 

自分を大きく見せようとする人は、客観的に広い心で接していれば感情的に接するよりはトラブルに発展することもないでしょう。

自分の基準で物事を考えない

自分を大きく見せようとしている人を見るとイライラしたり、感情的になったりするのは自分のルールを逸脱していると考えるからです。

 

人はだれでもある程度自分の中でルールを作ってそれを守って生活をしています。

 

ルールと言っても難しいことではなく一般常識を守る、人に迷惑をかけないといったことから、食事中は静かにするといった自分だけのルールがあります。

 

そのためそのルールから外れた行動をしている人を見ると、少し感情的になってしまうことがあります。

 

しかしそれは自分だけのルールであって、それを基準にして他人に対して悪い感情を覚えるのは、一種の身勝手ということになります。

 

それと同じで自分を大きく見せようとする人は、自分にはないルールで行動していると思えば、それほど感情面で影響を受けることはないでしょう。

自分を大きく見せようとする人をうまく利用しよう

自分を大きく見せようとする人はすべての人が嘘やハッタリだけというわけではありません。

 

実際に自信や実力がある部分を多少大げさに言っているという場合もあり、優秀な部分はむしろ積極的にほめて自分の仕事に役立てましょう。

 

自分を大きく見せようとする人は、もともと自分の優秀さをアピールしたいという気持ちがあるので、あなたが不得意で相手が得意なところを教えてもらうという気持ちで接するとお互いにメリットとなります。

 

相手も自分をアピールできて気分がよくなり、こちらも苦手だった仕事の知識を得ることができお互いウィンウィンの関係になれます。

自分を大きく見せたい人と正面からぶつからない

自分を大きく見せようとする人に対して感情的に接することは避けましょう。

 

仮に自分のほうが正しいと思っていても、相手が感情的になっている場合は決して自分の非を認めようとはせず、かえって感情をこじらせてしまいます。

 

この場合は感情的にならず冷静な判断をすることが大切です。

 

自分を大きく見せようとする人は自己顕示欲が強いので、高飛車な態度を取りますが、そんな相手を論破しようとしてもあなたには何もメリットはありません。

 

自分を大きく見せようとしている人に対しては、常にその場を離れる口実を用意しておいて相手にしないことが得策です。

自分のプラスになるように考える

自分を大きく見せようとしている人の行動を見て、自分にもそういったところがないかどうかを反面教師として考えることもできます。

 

相手の行動が自分にとってはマイナスとなることでも、自分では同じ行動をしないことでプラスに生かすことができます。

 

人間が動物と大きく違う点は、第三者の行動や経験を自分のものとして生かすことができる点です。

 

本を読んだだけでも他人の経験を自分のものにすることはできますが、生きた教材が眼の前にあると考えれば、自分を大きく見せようとする人からも学ぶことは多いでしょう。

完全に無視するのもひとつの方法

感情的な報復を考えると少し怖い面もありますが、自分を大きく見せようとする人の話を完全にスルーするという対処方法もあります。

 

あなたが相手にしなくなれば、反応を得られないので別の人を探すでしょう。

 

もしも感情的に嫌がらせなどをされたとしても、それも無視していれば完全に関係を絶ちきることができます。

 

自分を大きく見せようとする人の関係を絶ちたい場合は、無視をするというのも効果的な方法です。

自分を大きく見せようとしている人だという自覚がある人の克服法

最後に自分は虚栄心が強く、自分を大きく見せたがる性格であることを自覚していて、それを克服したいという場合の克服方法を考えてみましょう。 

 

自分を大きく見せたいという人の根底にはコンプレックスがあり、その裏返しとして他人よりも優秀であることをアピールします。 

 

まずは原因となるコンプレックスについて考えてみましょう。

 

自分は何についてコンプレックスを感じているのかを把握する

自分が抱えているコンプレックスに真正面から向き合うのは簡単なことではありませんが、ここでコンプレックを把握しておかなければ前に進むことはできません。

 

できれば信頼できる友人などの助言を得られると客観的な判断ができますが、そうした友人がいない場合は自分で考えて見るしかありません。

 

なるべく客観的に見るためには、紙などにリストを書き出すようにコンプレックスと思っていることを書いてみましょう。

 

紙に書いたものを見ることによって第三者的な立場で見ることができ客観的な判断ができるようになります。

 

頭の中だけで考えていると堂々巡りになることが多く先に進みません。 まずはコンプレックスの書き出しからはじめてみましょう。

コンプレックスの対策法を考える

ある程度コンプレックスが把握できたら、次にそれに対する対策法を考えてみましょう。

 

といってもあまり難しく考える必要はありません。

 

仕事ができないというコンプレックスであればその原因を探り、たとえば仕事に対する知識不足が原因であれば知識を身につけるという対策ができます。

 

しかし、もっと根本的な最終学歴や容姿に対するコンプレックスであれば、知識の習得だけでは解決できないでしょう。

 

コンプレックスの解消法などの本を参考にするなどして、考え方を変えることも必要になります。

 

対策法を考える場合に重要なのは目標を高く持ちすぎないということです。 簡単に実行できることを積み重ねていくことで、途中であきらめることなく継続することができます。

コンプレックス対策を実行する

一人でコンプレックス対策を考えていると、対策を立てただけで満足してしまい、行動に移さないということがよくあります。

 

コンプレックの洗い出しや対策法の立案はあくまでも実行するための前段階であって、実行しなければ何も意味がなくむしろ時間の無駄となってしまいます。

 

そのため対策の段階で実行が可能な計画をすることが大切で、それほど難しくないことを長く続けることも必要です。

 

仕事に関する知識を身につけるという対策であれば、経験や知識が豊富なベテランに相談してみたり、専門知識の書籍を読んでみたりと、自分にあった方法で行動しましょう。

 

また、実行する場合は成功した場合のイメージを膨らませて、コンプレックスを解消したときの自分を想像してみることも大切です。 それによって行動するモチベーションにもなり成功率も高くなるでしょう。

まとめ

自分の職場にいる自分を大きく見せたい人に対する対処法は理解できたでしょうか?

 

自分を大きく見せたい気持ちというのは、誰にでも多かれ少なかれある気持ちの一つです。 

 

自分を大きく見せたがる人を違う世界の人のように思うことはやめましょう。

 

一歩間違えば自分もそうなる可能性があります。

 

「人の振り見て我が振り直せ」

 

そう考えれば、自然に自分を大きく見せようとする人への適切な対処ができるはずです。

 

最後までお読みいただきありがとうございました。

 

自分を大きく見せたい人への対処方法の参考になれば幸いです。