過去にも何度か「分離と統合」のお話をしていますが
今日はウエイト版タロットの世界観をもとに
「生きるとは？人生とは？」
というちょっと壮大とも言える
テーマについて書いていきます。
この壮大なテーマが実は
タロットの大アルカナ２２枚に
ぎゅーっとわかりやすく詰まっているのです。
今から110年ほど前に
カードに体系化したのが
黄金の夜明け団のウエイト氏と言われています。
カバラ思想の中の「生命の木」を体系化して
イラストで表現したのね（イラストレーターはスミス女史）
その辺りの話はこちらの動画を参照してください。
でね、この大アルカナ２２枚なのですが
前半と後半でかなり様子が変わってきます。
前半⇨能動的、主体性あり
後半⇨受動的、主体性なし
つまり前半は自分の好きなように
やりたいようにできる段階
後半は思い通りにならない段階
１枚ごとにもっと細かく
人が体験する世界観を表現してあります。
自分の現時点を客観的に確認できるのが
タロットなのです。
０愚者
例えていうなら生まれたての赤ちゃん。
世界のルールなんて知りませんので
お構いなしに自分の感覚だけに従って動きます。
目的も良い悪いの分別もありません。
でもね、いつまでたっても
分別がないと困りませんか？
トイレはここでしてね
食事はこの時間ね
人のものは勝手にとってはダメ
信号は守ってね
これは自分の命を守るためでもあり
周りの人と共存するためでもあります。
子供は一人では生きていけませんので
「自立」するためにも
こういったルールや社会性を身につける必要があります。
このルールを教えてくれるのが
５司祭（マルセイユタロットでは教皇）
司祭とは宗教のリーダーですが
タロットでは正しさを教えてくれる人
最初の司祭は両親や幼稚園、学校の先生になります。
大人は全員同じように振る舞ってくれると
扱いやすいですから
家庭や学校のルールを押し付けてくることもあるでしょう。
ある程度大きくなると
そこから抜け出したい
自分は違うことをしたい
ルールや正しさ、理想が自分にはあてはまらないような気がしてくるわけです。
それが
６恋人たち
の段階。
アダムとイブは楽園でのルールを破って追い出されてしまいます。
そして７戦車、８正義と
人との違い、自分のアイデンティティ
を確立していくことになります。
これが「分離」です。
もっと小さい頃から
人と自分の違いは認識していて
少しずつ分離は進んでいきます。
この段階を経ていくのは
当然というか必然の流れです。
私たちはそれぞれの正しさや理想に向かって
別々の道を歩いていきます。
そして９隠者
この段階では自分の歩いてきた道を振り返ります。
５番の司祭の言うことは
本当に正しかったのか？
疑問や違和感を大切にする。
その時には人から言われたことではなく
一人静かに考えることが必要なのです。
簡単に答えが出なくても
時間をかけて自分で進む道を決めるのが隠者。
誰かにもっと簡単に答えを教えてもらおうとすれば、５司祭の世界に戻ってしまいます。
これを繰り返していると
司祭だと思っていたら
いつの間にか１５悪魔の世界にどっぷり浸かっていた！
なんてこともあります。
タロットカード大アルカナ前半は
人が分離していく段階です。
分離と言っても
悪い意味ではなく
共存しながらも
自分の個性に気づいていく段階。
自分の人生のいろいろなステージに
当てはめていくと
占い、と言うよりは
自分の現在地を知る手がかりになるので
長い年月、親しまれているのですね。
続きの後半の世界はまた次回に。
スタエフでも話しています。
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