「育成型面接」の基本的なイメージ | COH社労士事務所のブログ

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ご覧いただき、ありがとうございます!

 

皆様こんにちは。

COH社労士事務所 人事労務LABOの石黒です。

 

花粉が日に日に厳しくなってきています。

ここ1年くらい睡眠時間を7時間くらい確保するようになり、

 

目と鼻にちょっとだけ不快感があるものの、

以前に比べてだいぶ症状が軽くなりました。

 

免疫力が大切と聞いてから取り組み始めたのですが、

今年はここまで効果で出ているように思えます。

あと一か月半くらいこのままだと良いのですが・・。

 

 

 

「育成型面接」とは?

 

 

それでは今回の本題です。

前回は3月の新卒採用に関する件を綴ってみました。

 

 

なかなか厳しい中小企業の新卒採用。

その中で弊所では「育成型面接」をお勧めしているとご紹介しました。

(この「育成型面接」というフレーズは弊所の造語です)

 

中小企業においては新卒採用の応募が来ず、

年間を通じて30名程度という企業様も結構あることと思います。

 

1次面接で「選考」をしてしまいますと、

就活が未完成な就活生がこの時期は多いため、

なかなか内定に至らないというケースが多くなってきます。

 

そこで弊所が普段、関与先にお勧めしているのが、

「1次面接ではなく、2次(1.5次)面接を選考の場」にすることです。

 

例えば本当に実力のあるスポーツ選手が、

全ての大会で同じような高い水準のパフォーマンスが、

できるのかというと難しいのではないでしょうか。

サッカーでは、リオネル・メッシは毎試合さすがに点は取れませんし、

野球では、大谷選手も投手で撃たれて負けることもあります。

 

あれだけ世界的に素晴らしい選手でも、

パフォーマンスに波があります。

 

そう思いますと就活においても、

「1次面接の印象=就活生の本来の姿」とは限らないと思います。

 

そこで1次面接ではなく、

その次の面接で判断をと言うのが、

この採用方法におけるご提案です。

 

ここでのキーポイントは、

一次面接の結果ですぐに落選とはせずに・・・

 

    

一次面接でフィードバックを

きちんとお伝えする

 

ことです。

 

そして次回の面接(1.5次面接 or 2次面接)で判断をおこないます。

 

実際にフィードバックで、

何をお伝えすれば良いかと言うと・・・

 

① 面接のお話を聞いて評価した点

 

② 面接官が感じる不安や課題

 

 

大きく分けてこの2点について、お伝えするのが良いと考えています。

 

 

①面接のお話を聞いて評価した点

 

最近の採用面接官の皆様はすでに周知の通りですが、

現在の採用マーケットでは売り手市場であるため、

 

単純に応募者の選考をするだけでは、

内定までに至るケースは少なくなってきています。

 

1人の応募者が数十社へと応募している中、

「自社を選んでもらうための広報」としての役割も

同時に担っていることを理解する必要があります。

 

ここで重要になってくるのが、

やはり「応募者との信頼関係」です。

 

終身雇用が崩れてきているとは言え、

これからの生活を託すことになる会社です。

当然に「安心」、そして「信頼」できる所が選ばれます。

 

新卒の応募者は一部を除いて、

ほとんどの方が「未経験」で入社します。

多くの方がそれ故に「不安」を感じながら就活しています。

 

会社の人事担当者が自社に入社したら、

「ここが生かせる」、「この点が合っている」などと、

率直な評価・感想を伝えれば、

当然に就活生はモチベーションがあがると共に、

「自分のことをきちんと見てくれている」と感じ、

会社への信頼や帰属意識が生まれてきます。

 

ここでのポイントは「できる限り具体的」に

”評価しているポイント” を伝える事です。

 

 

 

②面接官が感じる不安や課題

 

ここが最重要ポイントと思います。

 

評価を伝えてモチベーションが高まったところで、

次に「会社からの課題」を与えて取り組んでいただきます。

 

この課題は・・・

 

    

単刀直入に

ミスマッチになりそうな点を伝える

 

これを正確に伝えてあげることです。

経験上、課題として多く出していたのは以下のあたりです。

 

①業界について理解が不足している

②会社の特徴を掴めていない

③業務内容を勘違いしている

 

私が実際に人事を現役でやっていた時には、

「②会社の特徴を掴めていない」という点において、

例えば応募者の趣味などに合わせ、

このようなヒントを出していました。

 

〇カフェ巡りが趣味の方には

→「スタバ」と「ドトール」の違いを考えてみて下さい。

 

〇サッカー観戦が趣味の方には

・「バルセロナ」と「ユベントス」の戦い方の違いを考えてみて下さい。

 

要は同じ枠組み(同業者)の中で

やっていることは基本的に同じ(カフェ・サッカー)であるなか、

それぞれの武器(特徴)を理解してもらいたいというメッセージを送り、

これを自らの就活に置き換えてもらい課題として取り組んでいただきました。

 

この作業を挟むことで、

最終的に就活生ご自身が望む業界や会社なのか、

本当に楽しいと感じられるような仕事(業務)なのか、

ご自身の力をもって確かめていただくことになり、

「就活の質」が非常に高まることで、

理解度や志望度が自然と上がります。

 

就活をはじめて間もないという方であれば、

他社の選考も進めていただき、

お考えをまとめてもらうことも必要ですので、

課題を出した後、1ヵ月くらい空けてから

次回面接を組むことも効果的だった印象です。

 

ちなみに余談ですが、

弊所は社会貢献活動の一環として、

「大学生の就活相談」を無料で受けています。

 

 

昨年は20名近くの方から相談があり、

オンラインによる相談や模擬面接の

対応をさせていただき、

内定獲得のご報告もいただけました。

 

弊所としても採用支援サービスをおこなうにあたり、

就活生のリアルは常に知っておきたいところですので、

とても参考にさせてもらってます。

 

効果について

 

 

この課題の意味を理解できた就活生は、

本当に次回来社した際にガラッと印象や顔つきが変わって戻ってきます。

 

そして不思議と会社への志望度がアップしていることが多く、

そのまま内定まで勝ち取る方も多かった印象です。

 

もちろん中には課題に取り組み考えたことで、

やはり違和感を感じて辞退をされるという方も一定数いらっしゃいました。

 

この手法を使うことで、

以下の点も確認できることになります。

 

 ・素直に他者のアドバイスを聞くことができるか

 ・自己解決力(対応力)

 ・会社への熱意/志望度

 

お分かりの通り、社会人になってから重要な能力の一端が、

垣間見える可能性があるわけです。

そして入社後の「ミスマッチ防止」にも大いに役立ちます。

 

ちなみにあとで入社した方に聞いて、「なるほど」と思ったのですが、

「きちんと指導(育成)してくれる会社だと思って安心した」そうです。

確かに言われてみれば、そうですよね。

 

このように一次面接では基本的なヒアリングに徹し、

二次面接を本当の選考の機会にすることで、

就活生に自社の選考を通じて成長してもらい採用に繋げる手法を、

弊所の造語ですが、「育成型面接」としてお勧めしています。

 

一次面接の結果だけで判断すれば、

当然に選考中の応募者が徐々に減っていきます。

 

これを二次面接を選考の機会にすることによって、

可能な限り採用の可能性を最後まで残すことができると共に、

一次面接で全力を出し切れなかった、

隠れた人材の発掘に繋がることもありますので、

 

応募者数が比較的に少ない

中小企業においては有効な一手であると考えています。

 

新卒採用の応募者は社会的な状況を見ると、

今後減っていくことはあっても、

増えていくことはなかなか無いと思われます。

 

その限られた応募者の中から、

本当に採用すべき人材を見出して、

採用へと繋げることが、

中小企業の新卒採用にとって重要になっていくと考えています。

 

今からでも遅くありませんので、

「育成型面接」を試してみてはいかがでしょうか?

 

今回も何だかんだ長くなってしまいました・・・。

最後まで御覧いただきまして、誠にありがとうございました!