中小企業むけ採用相談・採用支援をおこなっております

COH社労士事務所 人事労務LABO 代表の石黒です。

ブログをご覧いただき、ありがとうございます!

 

今回のトピックスは、

「アルムナイ採用」を取り上げたいと思います。

 

 

アルムナイ採用とは?

 

 

 

最近はこの「アルムナイ採用」という言葉を、

以前よりもだいぶ見かけるようになりましたね。

 

私としてはいつも少々発音しづらい単語です…。

英語で「卒業生」や「同窓会」と言う意味らしいのですが、

ざっくり言うと「元社員さん」の「カムバック制度」のことです。

 

「リファラル採用」という言葉もありますが、

これは「社員さんからの紹介」による採用のことですので、

アルムナイとは違う、まったく別のものとなります。

 

弊所の方にも関与先様とのお話の中で、

アルムナイ採用についての所見を求められることがありますが、

私個人としては導入することに関しては、

基本的には賛成の意見や感想を述べます。

 

アルムナイ採用の効果・メリットとしては、

例えば結婚・出産・ご家族の転勤や、

ご親族の介護などを理由に以前に退職された方が

仕事を再開できるようになった場合や

 

残念ながら転職されたものの、

他社の社風や業務に馴染めず自社の良さを認識したことで、

やはり元の勤務先へ復帰したいという思いになった方などが、

再入社しやすい雰囲気を作ることができる点にあると思います。

 

会社側からみても激化する採用マーケットの中で、

高い採用コストを払って新規採用をおこない、

更にその後に研修やOJTに要する時間や労力を考慮すれば、

元社員で自社のことをよく知っている方に再入社していただいた方が、

効率的かつ生産性が高くなることも考えられますので、

メリットは高いように感じます。

 

現在の状況を見る限り、

アルムナイ採用の方法としては、

退職時やホームページ上で制度の周知をしておき、

当制度を利用して応募があれば書類選考を免除したり、

いきなり最終面接から選考スタートにするなど、

選考面での優遇をしているケースが多く見受けられます。

 

また、それ以外にも経験者採用として、

以前の経験年数をベースとして処遇を検討し、

新規採用者よりもやや高めの待遇で

入社してもらうなどの施策も見受けられます。

 

ここまでの話を見る限りでは良い事づくしのように思いますが、

アルムナイ採用という言葉が先走っている感もありますので、

注意点もあります。

 

例えば、アルムナイ採用の失敗例として、

制度があるがためにそれが裏目となり、

逆に退職を検討している社員が転職に踏み切る

キッカケとなってしまうこともありますし、

 

経験者と言う事で新規採用者よりも好待遇で再入社したものの、

実際には新規採用者よりもパフォーマンスが低く、

好待遇で迎えていたこともあって周りの社員からの不満と、

会社への不信感を抱かせる結果になってしまうような事もあるようです。

 

一度、退職を決断した社員が、

理由は様々ですが改めて入社したいという要望があれば、

企業側としてはとても嬉しいことですよね。

その気持ちは私も企業人事でしたのでとてもわかる所です。

 

しかしアルムナイ採用での「再入社」は、

やはり初回の入社とは異なるということを、

採用側が理解して進めていくことも大切と考えています。

 

企業はたった一年でも経営、社内の状況が変わりますので、

以前と同様のパフォーマンスの発揮ができるかの保証はありませんし、

 

仮に退職時に当該応募者が、

上司、他の社員さんへの不満や愚痴を

周りに平然と漏らしていたような方だったならば、

迎え入れる現場としては複雑な思いがあって当然ですので、

部内のチームワークが低下することも考えられます。

 

このような状況を避けるためにも、

たとえ「アルムナイ採用」であって、

仮に前述のような選考免除の優遇などをしたとしても、

「採用面接」や「現場への調査」などを、

きちんと事前におこなうことが大切になると思いますし、

 

とりあえず「アルムナイ採用!」と見切り発車をせず、

比較的にやろうと思えば、
通常の採用よりも楽に導入ができる側面がありますので、
とにかく事前に「どのようなリスクがあるか」、
「現場へどの程度の影響があるか」などを
きちんと把握・想定をしたうえで、
慎重に制度を設計していくことが大事です。

 

 

弊所ではアルムナイ採用の制度設計から、

実際の運用面までサポートしておりますので、

 

もしもこれから導入を検討されている場合には、

ぜひお気軽にお声がけいただければと思います。

 

今回もご覧いただき、ありがとうございました。