機能性胃腸症(?)、、、胆道ジスキネジーの疑い(?)、、、
原因不明の上腹部の違和感と吐き気の整体治療
初診で改善した症例の解説です。
患者Yさん=32才-女性/会社員の症例
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① Yさんの病歴・・・「ご飯一膳しか食べれません…」
以前から機能性胃腸症(FD)の診断を受けていた患者Yさんは、数年前から左右肋骨弓部(特に右側)とみぞおちに違和感がずっと続いていて、様々な治療を試されていたそうです。最近になって、某医療機関で「腸内環境が悪い」と指摘され、その対策としてプロテインやビタミン剤・他のサプリメントを3か月前から服用されていました。ところが次第にそのサプリを服用すると、吐き気がする様になってきたそうです(嘔吐は無し)。そこでサプリを少し変更したそうですが、やはり吐き気は生じ、それだけでなく上腹部の違和感or上腹部痛も強くなってきたそうです。当初は、サプリを服用を止めると、吐き気や上腹部の違和感は軽減または消失していたそうです。しかし最近では、服用しなくても常時、左右季肋部の違和感が続いているそうです。そのせいで食欲が落ち、一日にご飯一膳分くらいしか食べられない時もあるそうです。
② Yさんの診察
・直近の消化器内科での精密検査では、特段の異常は無いとの事だそうです。
・上腹部の違和感/上腹部痛の部位は、左右の肋骨弓部が一番強く、さらにみぞおちも強いそうです。
・吐き気と上腹部の違和感は、サプリを服用するとかなり強くなるそうです。
・やや便秘気味で、三日に一度の排便間隔だそうです。
・最近になって、手や腹部などに痒みが生じやすくなっていたそうです(来院時にも、前腕などに掻把の跡が確認された)
・皮膚の変色や湿疹などの所見はありませんでした。
・結膜はピンク色でした。
・腹部聴診上、血管雑音やハム音は聴取されませんでした。グル音はやや弱く聴取されました。
・右肋骨弓部で叩打痛が誘発されました。
・腹部触診上、十二指腸下行部で緊張と圧痛がありました。また右肋骨弓深部で、非常に緊満して平滑で丸みを帯びた胆嚢底と推測される袋状組織を、容易に触知できました。同部の押圧によって、左右肋骨弓部の疼痛と吐き気(☚Yさんの主訴)が誘発されました。肝臓の辺縁は鋭-軟で、腫大はありませんでした。
➂ 治療目標と整体治療・・・胆汁の排泄を促進する !!
⑴ 胆嚢内の胆汁を排出させ、胆嚢の緊満状態と小網の緊張を緩和する。
・胆嚢解放テクニック
・十二指腸平滑筋テクニック
・総胆管解放テクニック
・消化管平滑筋テクニック
④ 経過と結果…施術中、胆汁の排泄音(?)「ギュルギュル」を聴取
・初診時の胆嚢への施術中、Yさんの主訴である左右肋骨弓部の疼痛と吐き気が生じ、何度か休憩をはさみながら施術を続けました。その内、何度か胆汁の排泄音と推測される「ギュルギュル」といった音/振動を右季肋部で聴取しました。すると、次第に左右肋骨弓部の疼痛と吐き気が軽減し、最終的には生じなくなっていました。
改めて胆嚢の触診検査をすると、当初は緊満していた胆嚢底と推測される袋状組織は萎縮し、薄皮様のヒダ状組織が触知できました。
この後Yさんは「左の肋骨弓の端っこらへんに、少しだけ違和感が残っていますが、それ以外はスッキリとしています。」と仰っていましたので、これで様子をみて頂く事にして、今回の治療を終了する事にしました。
⑤ 今回の症例の概説、、、
◆ FDの隠れた原因、、、胆嚢の緊満 ?!
・機能性胃腸症(FD)は原因不明の腹部症状が持続する疾患ですが、Yさんも同様に、左右肋骨弓部の違和感/疼痛と吐き気にずっと悩まされていたようです。
ただFDは原因不明とはいえ、隠れた原因がある事に間違いはなく(原因も無く症状は発現しない)、その原因が見逃されているに過ぎないのでは、、、と考えています。
・ですから今回のYさんの吐き気や上腹部痛/違和感も、何らかの原因が隠れていたのでは、と考えられ、その一つの仮説が胆嚢の緊満にあったのでは、と思います。
なぜなら、通常では容易に触知できない胆嚢底が、右季肋部で容易に触知できる状態にまで緊満していた事からも、あるいは同部の押圧でYさんの主訴である上腹部痛と吐き気が誘発できたことからも、この仮説が推測されます。
◆ 胆道ジスキネジーの可能性…
・胆嚢の緊満で思い起こせる疾患は、器質性では胆石症や慢性胆嚢炎、あるいは胆嚢腫瘍、そして機能性では胆道ジスキネジーなどがあります。
ただ直近の精査では、胆石や胆嚢腫瘍などの器質的な異常が発見されていない事から、胆嚢緊満の最右翼の原因として、機能性の胆道ジスキネジーが残るのでは、と考えられました。
本症は大きく分けて3タイプありますが(1. 緊張亢進型、2. 運動亢進型、3. 緊張低下型)、Yさんの症状から、1の緊張亢進型の可能性が考えられました(下記(注)参照)。
◆ 胆嚢解放テクニックで胆汁の排泄を改善する…
・胆道ジスキネジー自体も、自律神経失調説や局所ホルモンの機能失調説など、ハッキリとした定説は確立されていないので、根本的な解決は難しいです。しかし胆嚢の緊満自体は整体治療で解消できる可能性があるので、上記③の治療目標である「⑴ 胆嚢内の胆汁を排出させ、胆嚢の緊満状態と小網の緊張を緩和する。」目的で、「胆嚢解放テクニック」等を用いて胆汁の排出を促し、胆嚢の緊満を解消させ、ひいては胆嚢底から十二指腸~胃小彎に張っている小網(肝十二指腸間膜および肝胃間膜)の緊張を緩和し、その違和感/疼痛と吐き気を解消する治療を施術しました。
(☚小網(肝十二指腸間膜および肝胃間膜)の緊張が上腹部違和感/疼痛と吐き気の発生源と考えられる)
・運よく、初診治療だけで胆汁の排出がなされ、胆嚢が萎縮した結果、Yさんをずっと悩ませ続けていた上腹部の違和感/疼痛と吐き気はほぼ消失したと想定されたので、これで様子をみて頂くことにしました。
注) 胆道ジスキネジー 緊張亢進型
胆嚢が張り詰めた様に膨満し、胆嚢を収縮させるホルモンや自律神経刺激によっても胆嚢の収縮が遅れ、胆汁の排泄の遅いもので、食後数時間すると腹痛が生じる。
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