なんとなく日本が恋しいなあ・・。
仲のよいドイツ人達に心からの愛を受けて、
わいわいと楽しく過ごしているのですが、
やっぱりドイツ語の問題、壁は大きい。(><;)
簡単な会話ならできるのだけど、テーマが
難しくなると、とたんにちんぷんかんぷん。
細かい生活習慣の違いから、大きな価値観の
違いまで、ドイツに来てドイツ人と接しだしたころは、
天地がひっくりかえるくらいのカルチャーショックに
陥ったものです。
長いドイツ生活で、キリスト教的な考え方や
ドイツ的な価値観はなんとなく以前より知識としては
増えたとはいえ、まだまだ知らないことはたくさん。
今回のクリスマス休暇では、ドイツの家族を
色々見て、考えたことなど、ちょっと書きとめておこうと思います。
ドイツ人は家族の関係などはさばさばしていて、
スペイン人やイタリア人の
家族観ともまた違う。日本での家族観も、
ドイツのものとはまた全然違う。
日本は仏教だけじゃなく、儒教的な考え方もあって、
例えば父母や祖先をうやまうという考え方が自然と普通に
生活にあるように思うのです。夏のお盆には
お墓参りに行くとか、仏壇があるとか・。
でも、ドイツでこういう習慣は生活に見つけたことがないし、
実際聞いたところ、日本人のような感覚とは全く違う。
例えばどの世代にも丁寧に接するなんて感覚は全くないし
必要でもない、とのこと。
血がつながっているとはいえ、各世代でものすごく断絶があるような。
今まで知り合ったドイツ人達から話を聞いていると、
日本の家族と比べると、世代間の関係が断然希薄な様に思います。
日本では長男が両親の元を離れるとか
考えられないだろうけれど、ドイツでは、
長男だから何?みたいな。( ̄ー ̄;
祖母だからってどうして孫が訪問したり面倒見なければいけないの?
とか。
両親は老人ホームに住んでいて、年に一度、子供が
訪問する程度、
とか。
なんか冷たいよね、ドイツ人って。いくら
日本の家族が最近変わってるっていっても、
この冷たさってちょっとないよね?
とさんざん母に電話をかけては愚痴ったり、
外国人同士で集まっては「ドイツ人は冷たい」
談義でもりあがっていたのです。><
なのですが、今回の訪問では、
ちょっと違うドイツ人の家族観を見たように思います。
ひいおじいさんの写真よ、と見せられた写真に、ドキッとしてしまいました。
ドイツの軍服。映画の世界ではなく、白黒のドイツの軍服を着た
ドイツ人の若い男性の写真。映画の世界じゃなく、現実の世界。
さわやかで、優しそうな青年。26歳の時の写真とか・・。
この青年が、戦争に出ては人を
殺していたなんて想像がつかない。
この写真だけからではなく、色々な
話を聞いたこともあるのだけれど、例えば、
韓国人びいきだったハンガリー人の大家のおじさんが、
「ドイツは偉いよね、
戦後の罪の償いという点では。」
と言っていたのを思い出しました。
ああそうか、家族関係が希薄なことって、
こういう利点もあるのかあと思ったのです。
それが何かというと、世代ごとの問題を次の世代に持ち越さない、
持ち越したくない、という意図の現れ。
無意識的なのか意識的なのかは知らないけれど。
例えば韓国人の濃密な家族感って、グループの中に入ってしまうと
とても大切にしてくれるのですが、そうでないと、敵。
家族を大切に、自分のことのように思うこととは裏腹に、
当然のことながら、家族のマイナスの感情も
一緒に世代ごとに受け継いでいかなければいけません。
しかも、無意識になのだから、たちが悪い。
でも、例えばドイツ人のように、
家族だから、という観点で見ずに、悪いことは悪い、
血のつながりが一体何の意味があるの、と関わらない、
距離を置ける、という価値観、これってものすごく冷たく思うのだけれど、
論理的といえば論理的だし、感情的にも納得できる。
ナチスのしたことをドイツ人の誰もが
言い訳のできることではないと知っていて、
ナチスと共に生きた世代から受けた心の傷も、
簡単に癒されるものじゃなく、
不安から近づきたくない、という感情も理解できる。それが例え
血のつながった祖先といえど。
世代ごとの問題は、できたら、ネガティブな
部分は持ち越さず、世代ごとの問題と
背景を尊重しつつ、暖かい感情で
つながっていけるのが理想だなあ。
そうすると、親子の関係、祖父母との関係、
と愛情ある家族、親族関係が築いていけるように思うのです。
両親や祖父母の受けた心の傷は、
もちろん子孫として理解したいけれど、
憎悪や恐怖を自分の感情として
受け止めると、負の連鎖が止まらないと思うのです。
ドイツ人の家族関係が希薄なところは
冷たいと感じることもあるのですが、この
おかげで、世代ごとのマイナスポイントを受け継ぐことを
拒否することと同時に、
冷静に国としてのドイツを判断することに成功しているのかもしれません。
スペイン人の女性とドイツ人男性の
カップルで、家族観の違いが大きかったのが
別離の大きな原因だったと知人から聞いたりもしました。
ママ、ママ、とママが一番なイタリアの
家族観も、またドイツ人の家族観とは全く違うそうです。
同じ大陸なのに、どうしてこうも価値観が
違うのかなあ・・。本当に、謎。
例えばドイツ人は18歳になると、ぽいっと両親の元から
自立するように追い出されるけれど、
イタリアでは、30歳をこえた男性が両親のもとに
すんでいても普通とか。ドイツ人男性がそれを
やっているとかなり変。><
こういう関係を見て、ドイツ人の家族関係は冷たい冷たいと
書いているとドイツ人ってどんなに冷たいの
と思われるかもしれないけれど、ドイツ人の
優しさは超一級と思うことも多いのです。
普段は子供も両親もお互いをほうっているように
見えるけれど、連絡はまめにとっているし、
例えばお互いの邪魔にならない時間に、と
決めた時間に連絡するとか、ついでがあるときは
必ず立ち寄るとか、病気をするとすぐにとんでくるとか・。
こういう、国ごとに違う家庭環境や社会環境で、
個人主義やら、集団重視などの、
国ごとのアイデンティティが育って、
そこで生まれてくる文化も芸術も
また違うアイデンティティを持ってる訳で・・。
一体じゃあ日本の家族ってどんなだったっけ?
私は、日本にいて、家族と一緒に住んでいても、
何も家族のことが分かっていなかった。
これは、なんて重要な問題なのだろう?(。-人-。)
近くにいるから、見えないことがたくさんある。
離れているからこそ分かることもある。
逆に、離れていると分からないこともあるし、
距離のせいで心が離れてしまうこともある。
ドイツ人は、なので、離れている距離を
補えるように、電話ででも、会えた貴重な
少ない時間ででも、今家族や兄弟、姉妹がどんなことに
興味を持っているのか、どんなことをされると
嫌がるのか、敏感に観察。
クリスマスプレゼントや誕生日プレゼントを吟味しているらしい。
個人主義の国、一神教主義のキリスト教国、
ドイツは冷たい、私は絶対合わない、と
思っていたのですが、どうして私が
ドイツにいるのか、一体私が無意識に学びたいことって
何なのか、なぜドイツにいるのか、なんとなく
分かるような気もする今日この頃です。
まだまだ学べることは多そうだなと感じたクリスマス休暇でした。