1926年(大正15年)6月、37名で日本アマチュア無線連盟設立、設立宣言を全世界に打電した。(アマチュア無線の歴史-CQ出版参照)
We have the honor of informing that we amateurs in Japan
have rganized today the Japanese Amateur Radio League.
Please QST to all stations.
have rganized today the Japanese Amateur Radio League.
Please QST to all stations.
一方、日本でのラジオ放送開始の前年にあたる1924年(大正13年)にラジオ放送聴取のために技術啓蒙雑誌として「無線と實驗」が創刊された。
国立国会図書館デジタルコレクションに、誠文堂發行の「無線と實驗」ラヂオ問答集があったので、拾い読みしていると中々興味深い内容だったので整理してpdf化しました。
昭和9年(1934年)1月1日發行第20巻、第4號、附録とあるので、新年号の附録だったのだろう。
4MHz~20MHzまでの「亜細亜洲に於ける主要短波電話放送局」が一覧になっている。
当時の素人無線局は電信が主で、ようやく搬送式電話(A3)が出始めの時代だったようだ。
放送受信、短波受信のラジオ技術と共に、無線通信士の資格検定、素人無線局の開局方法などのほか、電信運用ノウハウなども載っていた。
送受信機の回路図も載っているが、今では殆んど入手困難なナス管だが、驚くことに自動車無線や外来ノイズ対策なども研究されていたようだ。
戦前の無線やラジオに興味のある方は、下記URLからダウンロードしてご覧ください。
「無線と實驗」第20巻、第4號、附録 ラヂオ問答集 44.46MB
以下は、本書の記事タイトルを拾ってあるが、誤植も散見されるがご愛敬。
電池式受信機に關して
アースを使ふと聴取不能になるセット/簡單で感度の良いD.C.2球受信機/D.C.5球ニュートロダインの改造/フィリップスA-141の單球セット/UX-109使用のDX用セット/UX-199、3球レフレックスの詳細/UX-109を使用したR.F.1段、再生檢波の受信回路/2球ポータブル・セットの詳細/乾電池式單球ポータブル・セットの配線圖/フィリップスB-605使用の4球セット/7球スーパーにRF1段を附加する法/經濟管を使つた3球ポータブル・セットの詳細/海外が聽取出來る電池式セット/6球ポータブル・セットに就いて/單球超再生式の調整法/3球ウルトラ・オージョンの詳細/フィリップスA-109の2球セットの作り方
交流式受信機に關して
UX-245使用のフォノ・ラヂオ・セット/UY-235とUY-247の6球受信機の製作/装置場所を變へてからハムを發生する交流セット/グリッド檢波をプレート檢波に直すには/UY-227の再生檢波で再生の起らぬ原因/分離性の惡い6球受信機の修理法/交流受信機で到來電波に同調したハムの除去法/5球A.C.セットの定數適否如何/5球交流受信機の接續圖/最終UX-245使用受信機の改造/2球抵抗増幅受信機の音質不良/4球ヴァリアブル・ミュー受信機/4球受信機のパーツの電氣的定數値及び抵抗許容電流/UY-247プッシュプルの抵抗増幅受信機/UY-227の4球受信機で音に高低がある/6球交流受信機のC及びRの適値/4球スーパー・ヘテロダインの回路/ザーといふ雜音を發する交流受信機の原因
一般的理論に關して
眞空管の3定數とは何か/多層捲無鐵心コイルのインダクタンスの求め方/パワー・トランスの自作法/波長と周波數の理論的解説/抵抗・容量結合に於ける抵抗と容量の關係/スーパーの發振部のLとCの値/グリッド・バイアス抵抗の計算法/ヴォルテーヂ・ディヴァイダーの抵抗値の求め方/ピックアップの原理/キルヒホッフの法則/インダクタンス、キャパシティー、イムピーダンス/S.G.ペントード管とは/プッシュプルとは/アウトプット・フィルターの動作原理/アドミッタンスとは何か/高調波チョーク・コイルの作用/低壓B電壓をUY-224抵抗増幅に使用出來ぬ理由/高周波變壓器の一次線の決定法/ダイナミック可動線輪の最終管のプレートに及す影響/低周波トランスの特性測定法/各種コイルのインダクタンスの計算法/3種の形に同回數捲回したコイルのインダクタンスの相違/同調回路の高周波電壓を求める公式/ヴォルメ・メーターの測定電壓擴大/レフレックス回路で直・並列式の異る點如何/スピーカーの負荷抵抗と出力から必要増幅率を得る法/中間周波トランスの周波數/UZ-57のIp、Esg、Isg、Eg、Ef用Rの値/ヴォルテーヂ・ディヴァイダーの抵抗値算出法/濾波回路でコンデンサー入力とチョーク入力の利害/A級増幅とB級増幅とは何か/受信地點の電界強度と受信アンテナの電力/單一調整スーパーのパッディング・コンデンサーの求め方/高周波増幅管のプレート電流/抵抗増幅に於けるCとRの値/バイアス用バイパス・コンデンサーの適値/UY-235をプレート檢波に使用する適、不適/低周波チョーク・コイルのインダクタンス算出法/スーパー・ヘテロダインの中間周波數
短波送・受信機に關して
短波受信機に於て再生をスムースにする法/UX-109使用の短波受信機/UX-201-A使用の2球短波受信機/UX-109使用の遠距離用受信機/3球短波セットの詳細/短波送信機/短波送信機の疑問數種/放送聽取用セットを短波受信機に改造したい/簡單な電信・電話用送信機に就いて/メニー回路短波送信機の動作不良/短波兼用交流受信機の動作不良/UX-245を使つた短波送信機の詳細/初歩の3球短波セットの詳細/ハートレー送信機にマイクロフォンを接續したい/UX-245、UY-247使用電信・電話用短波送信機/短波受信機をフレックスにすることは出來るか
短波理論に關して
プレート電壓90ヴォルトに於けるUX-201-A或はUX-171-Aの高周波出力/ラヂオの變調度は何に依つて定まるか/高調波の説明/空中線用電線に就いて/有線中繼と搬送波中繼の相違/送信用空中線/送・受信回路に於て閉回路其他をアースに接續する理由/カウンターポイズとは何か/短波のL・C回路の計算/發振用水晶片の動作中の伸縮度/短波とは如何なる波長か/短波並びに超短波の送信管の能率
短波に關する雜
私設短波局施設に要する學力と其の參考書並に其の試驗/A.R.R.L發行「QST」の取次所と價格/無線通信士資格檢定試驗の規定年齢/受檢資格/受檢地/初歩者に適す短波送・受信機の蔘考書/東京・新潟間で通信する無線の波長/短波受信許可の檢定に波長計は必要か/無線法規の參考書/超短波のレッヘル・ワイアーの作り方/歐文隱語の解釋/QSS、QST、QRR、QTO、QTQ、QTTの意味/實用短波局設置は許可されるか/50乃至100ワット装置の設置費如何/搬送式電話の參考書/短波施設願中のラヂオ聽取許可番號と許可料/無線通信士資格檢定試驗の手續、問題集、蔘考書/超短波の送信用アンテナ/UX-171-Aを發振に用ひた時の空中線電流/亜細亜洲に於ける短波放送局/「ラヂオ・アマチュア・ハンドブック」の内容と其の大要/コール・ブックに就いて/10メーター帶でDXが可能か/短波入門の蔘考書と其の他數問/素人無線志願者に課せられる試験の程度/ピーク・アムプリファイアーの周波數は如何に低くも良きか/MOPAのMOにTNTを用ひる時生ずる2個の同調點の手當法/TNTに於けるグリッド・リークの挿入個所/バッグ・キーの機構並に其の動作/短波で放送波長帶が受信出來るか/電信符號を短期間に習得するには/短波は受信のみでも許可が要るか
一般的雜
UX-245からグローが出る/第1放送と第2放送の音量不同/再生檢波のグリッド・コイルとプレートコイルの方向/ピック・アップとフォノ・モーターとの干渉/フィリップスA-109の復活方法はあるか/トリオラ・ヴァリコンの使用法/1ミリ・アムメーター使用のテスト・發振器の製作法/パワー・トランスのプライマリー・シールドの効果/電池セット普及會の所在地/ヴァリ・ミュー球の使用データと注意事項/ハムの混入原因と其の除去法/可變コンデンサーの一形式/第2放送が第1放送より大きく聞こえる原因/平滑用チョーク・コイルをBマイナス側に接續する理由其他/交流受信機に於ける音聲の高低と其の除去法/アンテナ無しで聞こえる理由/五極管に於いて出力側ヘマイカンドン挿入する理由/國産計器はどこ製がよいか/整流管を入れるとパチ・パチ音がする/カウンターポイズにするとハムが除去出來るか/エリミネーター用整流管の周波數に依る出力變化/ラヂオ關係各公式を説明した書籍/KX-280の代りに整流器用酸化銅が使へるか/A.C.用、D.C.用ダイナミックの各特徴と缺點/出力計の作り方/抵抗増幅の場合、グリッド及プレートに入れる抵抗如何/混信分離の對策/シャッシィとは何か/外來の雜音防止法/晝間送電なき地方のラヂオ用電源の一方法/無線周波チョーク・コイルの作り方/ペントードに比し三極管の増幅率の小さい理由/電壓分割器としての炭素抵抗と白金抵抗の比較/受信機を改造せずに分離を良くする法/バンド・パス・フィルターの効果に就いて/自動車用受信機のアンテナの張り方/自動車のエンヂンのスパーク・プラグの雜音防止/モーター・ボーディングの原因と除去法/再生の起り難くい點のある理由及び其の除去法/眞空管の復活方法/タンガー充電器のコイルの斷線/B乾電池の+、-間に入れるバイパスの効果/コイルのインダクタンス表の有無/周期的に受信音が變化する/抵抗増幅の音質の良否/スヰッチを入れてからUY-227が動作するまで/電車の發車、停車の時生ずる雜音の除去法/電氣バリカンから生ずる雜音の除去法/鑛石セットと附近の交流セットとの相互干渉/フィリップスD-243の出力回路の接續法/UY-224をプレート檢波としての使い方/マーション・コンデンサーの取り付け方/酸化銅整流器は自作出來るか/整流管からグローが出る/初歩者にも判る最適のラヂオ蔘考書/UX-245プッシュプルで1個がグローを出す原因/トーキーの發聲部及び増幅部に關する蔘考書/上下2段に分けて組み立てた受信機/モーター・ボーディングの除去法/ヴォリュームを上げて音質の惡くなる理由/UX-245を使用して音が硬くなる/モジュレーション・ハムの除去法/B-443のハム・バランサー、バイアス抵抗、S-G抵抗/ピックアップの接續法/ラヂオに比しレコードの音量少きフォノ・ラヂオ/UY-46使用のクラスB.アムプリファイアー/ヴァルヴ・テスターの配線圖/100ヴォルトを抵抗でUY-224に點火出來るか/UY-247に用ひるダイナミックの製作/第1放送を聞く時だけ雜音が大きい/ピックアップの取り付け方/3アムペア・メーターを30ミリ・アムペアに改造出來るか/グリッド・ディップ・メーターの使用法/フィラメント電壓を下げると音質を害する理由/レコードの針音除去法/中間周波トランスの選擇とコンデンサーの値/4球セットでピックアップは良いがラヂオが惡い/フィラメント回路を直列にする可否/ハイ・イムピーダンスと、ロー・イムピーダンスの相違/完全なD.C.増幅機の作り方/S.G.管のプレート及びグリッド電流/電解式と紙式コンデンサーの優劣/ヴォリューム・コントロールの2方法/眞空管の交・直流用の別/スクリーン・グリッドが頭部に出てゐる眞空管はないか/UY-227、UX-245使用のフォノ・ラヂオの作り方/ハイ・ピッチのシンギング除去法/鑛石セットのコイルの捲回數/ラヂオに使ふ電氣時計の構造と作用
「無線と實驗」第20巻、第4號、附録 「ラヂオ問答集」は、当時の素人無線局のリアルな知識や技能を知るうえで大変興味をひかれた。
現代風に見れば「トランジスタ技術」程度の技術レベルだったようだが、当時の研究心を垣間見ることができました。
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