410.久しぶりのベッド~朝までずっと こうしてていいか? | かおり流 もうひとつの「宮」

かおり流 もうひとつの「宮」

「チュ・ジフン&イ・ジュンギな毎日」のまほうの手・かおりが
こっそり書き溜めた「宮」の二次小説を今更公開(四十の誕生日2013/08/18にOPENしました)
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一緒にお風呂に入りたい気持ちは… 無くもない

ただ あたしはだんだんふくらんでくのを見てきたけど…シンくんにとっては急にバーンと大っきくなってひび割れちゃったお腹…

前とは全然違うんだよ?恥ずかしく無い訳が無い!

それでも ずっと会いたかった 触れたかったシンくんに いっぱい甘えたい

でも 甘えた先には何があるか解んない…ううん 解ってる

女の…しかも身重のあたしだって 望んじゃうんだもん

シンくんだって… 始めはからかってる風だったけど その気だからあんな言い方…

ホントに ミニョンさんとは 何も…無かったんだよね?

でもでも! そうじゃなくてもこのお腹見たらそんな気無くなっちゃう? ねえやっぱそう?

あたしはもう シンくんとどう接してたか忘れた筈は無いのに ぎこちなくて 今目の前のシンくんとどう接したら良いか解んなくていっぱいいっぱい

なのに… シンくんは  あたしの話をちゃんと聞いてたのかなぁ…?

 

「それにしたってお前は 前にも増して随分マヌケだよな

俺と間違ってジヌに抱き付いたりして 突き飛ばされるなんて

危なっかしくて 出産までは東宮殿に閉じ込めて置かないと」

お風呂上がりのシンくんは 何故だか超不機嫌で あたしがシンくんと間違えてジヌさんに抱き付いたって部分にばかりこだわって…言いがかりを付けてくるなんて… ぷんぷんっ

 

「だって! すっごく似てたもん!」

ぷいっとベッドに潜り込むあたし

それを追ってきたシンくんは あたしから上掛けを剥ぎ取ってベッドに滑り込むと ヘッドボードに背を凭せ掛ける

「今日はメイクもしてないし それほど似てなかったぞ」

 

でもまあそれで

ジヌさんがメイクと特訓でシンくんにそっくり過ぎて拉致された時の話を聞かせてくれたの

不憫な弟が再び自分の犠牲になるんじゃないかと 正直 凄く 怖かったと

一時は 入れ替わってあたしをマカオに迎えに行くのを 諦めようとした事も

 

「そっか…それでミルを拉致した振りをして どうだったの?」

「ああ… 実は すぐバレたんだ

「えっ?!それじゃいったい何故…」

「さあ 皇太后も追い詰められて居たからな…抜け道に見えたんじゃないか?

 

―母さん ジヌは何処?厄介な事に要求が無い 韓国の皇太子暗殺が目的だったとしたら…ジヌが間違って殺されでもしたらどうすんのさ!?

取り返しがつかなくなる前に目を覚ましてよ 一刻を争うんだ!ジヌはどっちみち僕の従弟じゃないか

ミルも…早く連れ戻さないと…―

とまあ ユルの中途半端な芝居が下手過ぎて愕然としたんだ… 嗚呼…もう…絶望的だってな

だが頭を抱える俺を余所に 皇太后が言った

―アマ…恐らくまだ無事だ―

余りにも思いがけないその言葉に 驚きながらも 天の思し召しかと安堵の溜息を吐いた

でも それで終わりじゃ無かった

北の工作員に 今夜引き渡す予定だと言った

それで ユルに急かされて携帯電話の通話履歴からペク・チュンハを表示した皇太后が 発信ボタンを押す前に これまた思いがけない台詞を棒読みしたんだ

―ミルも… 無事なのであろうな?―

息子に花を持たせてやるつもりだかなんなんだか…

本当に元女優かと耳を疑ったのに ユルは気付いて無いんだから 笑うとこじゃ無いってのに笑いそうになった程だ」

ふうん…

皇太后さまはユル先輩を帝位に着かせたくてユル先輩自身が見えてないって ジテさんは言ってたけど…

母親って そんなんじゃない

思い通りにならない子供の事 可愛さ余って憎く成っちゃうほど 愛してる筈よね

 

―拉致は失敗だ 偽者を北の工作員に渡せば立場を悪くする―

―事情は後で説明するが 私の次兄の次男ソ・ジヌだ

皇太子は既に帰宮しておるゆえ 門を通る際は私の甥が私の元を訪ねる物として乾清宮に連れて来るのだ―

―そうだ―

―良いから黙って言う通りにするのだ!―

 

おそらく顔を見られたペクイギサは そのまま解放することに反対したのだろうが… とにかく連れてこいと電話を切った皇太后は 俺にミルを解放し 東宮殿でジヌを待つように ユルには慶熙宮でミルを待つようにと言った

まあミルは初めから慶熙宮に隠れて居る事を解っていたんだろう

それからしばらくして… ペクイギサがジヌを連れて東宮殿へ戻った

 

다쳤어?/タッチョッソ/怪我したのか?

―ああ とんだ目に有ったよ 皇太子ごっこはもう懲り懲りだ―

―そうか…悪かったな―

―おいおい冗談だろ? なんだよ 簡単に引き下がんなよな… 妃殿下迎えに行くんだろ?―

―引き下がったりなんかしない

駆け引きしてなんとかこのまま引き受けさせるつもりだったさ―

―なっ!―

―でももう無理だ お前の こんな姿を見たら…―

諦めるしか無いと言おうとしたんだが 遮られた

―怖じ気付いたのか?

俺は何も怖くない お前と間違って殺されるかも知れないと思った時

自分がこれまでどれ程ラッキーだったのかを 知ったからな―

は?

陛下には 俺から話す

どこまで騙せるか…もう一度特訓してくれ

本気で言ってるのか?

ああ このご時世に流石に"身分を偽ったから極刑"はナイだろ?

だったら 陛下が激昂しようが冷遇されようがいいんだ 俺には家族が居るから

この世に生を受けた事 父と母と兄をくれた事

礼を伝えなきゃ だろ?

ジヌ…

正直 俺の口から陛下にどう訊ねたものか…戸惑っていたのに…

親子関係とは違う柵(シガラミ)に阻まれた俺と違って そんな風に割り切れるなんて 正直羨ましかった 

それより婚約式 どうするんだ?

それは…避けられない

なんでだよ!ドタキャンでもいいじゃないか

感情は抜きなんだ こういうのは

ジヌには理解できないだろうが それが俺の生きる世界なんだと 伝えるしか無い

感情は抜きで チェギョンが戻らなかった場合どうなるかを視野に入れて置かないと…

俺は勿論 チェギョンが望むなら 元通り妃宮の位に戻すよう手を尽くすが どうしたって元通りに戻せないかも知れない

それにもし…望まなければ… こんな世界に戻ることは 強要出来ない

シンくん…

実の父と母との間に高い垣根のあるような… 伯母に命を狙われるような… 誰も信じられ無いような こんな世界に 連れ戻してごめんな」

「아니 신군가 있잖아요/アニ シングンガイッチャナヨ/ううん シンくんが居るじゃない」

 

ペクイギサは 俺とジヌの話が済むまで只じっと聞いていた

乾清宮でおおよその話を聞いたのだろう 覚悟の決まった表情をしていた

 

チェギョンを連れ戻せたら 婚約は解消する 王族達を納得させる理由として チェギョンは脅迫され 数々の危険に曝されていた事を明らかにする

というわけでペクイギサ

私は貴方をこれ以上傍に置いておけない

皇室警察に差し出さねばならない―

―殿下

言い訳も 許しを請うつもりも有りません

皇太后様は 然るべき罰を受けると仰いましたが それはなりません

私に 全ての罪を負わせて下さい

元皇太子妃のゴンドラの事故も 乾清宮の火事も 恵政殿皇太后様とは 無関係で 私の個人的怨恨として 亡き父の復讐として どうかお鎮め下さい

皇太后様や王族の関与を明示しては 皇室と王族の存続を揺るがしかねません

なによりも 皇太后様は既に 多くを失っておられます これ以上は…

元皇太子妃の御立場でありながら その身に薨御されたばかりの孝烈元皇太子殿下の御子を宿しておられる事を誰にも明かさず 失意の中英国へ追放され 第二子を堕胎されて以来 深い哀しみの中で生きて来られた事は あたしもジテさんから聞いてた

ペクイギサさんは そんな皇太后様を 片時も離れず 傍で御守りしてきたんだね…

―ならば乾清宮から退いて貰おう―

―っ!?―

―この機会に隠居し 慶熙宮/キョンヒグンの離れに移り住んで 孫と過ごすと良いとは 思わないか?―

「それで…恵政殿皇太后様は…ご隠居なさることを受け入れられたの?」

「ああ…拒むことは許さなかった

本来なら 脅迫や暴行拉致 様々な教唆の罪を問うべきところだが 陛下がペクイギサに免じて 隠居して慶熙宮に移り住むよう 勅諚を下された」

「そう… これで 良かったのよね?」

「俺はそう思ってる…

ってお前… ペクイギサの減刑を願い出ようなんて思うなよ?」

う゛?あたし そんな顔してた?

「軽い刑罰では俺の気が済まないからな

まあ殺人は犯していないんだ まさか極刑とまでは…行かないだろう」

シンくんは あたしが足に癒えない負傷を負った事故の頃から ペクイギサが皇太后さまのスパイだったことを知っていて 殺してやりたい程の怒りを抑えてこれまで傍に置いたのだと言った

「不愉快だったが…彼が皇太后を裏切らない事を直感していたんだ

まあ それが恋慕の為だとは思いもしなかったが…

結果的に彼が皇太后を泥沼から救い出す鍵になるわけだから その直感による判断は 正しかったって事だな

慶熙宮で大人しくしてくれるといいが…敵とはいえ…血縁では無いにせよ伯母で ユルの母親だからな…」

「うん…そうだね でも 敵と知りながら傍に置くのは 怖かったでしょ?」

「まあ…でも 友は傍に 敵はもっと傍に置けという言葉も有るからな」

「そっか…あたしもね 敵を欺くにはまず味方から…って兵法を…」

「それで俺がどんな思いをしたか…知らないから笑っていられるんだ」

怖い顔…

「…ごめんなさ」

謝ってるのに唇を塞がれた

「もういいから」

そうっと伸びてきた手が お腹を撫でる

희망(ヒマン/希望(赤ちゃん))は起きてる?」

「ううん…眠ってるのかな?さっきお風呂では動いてたけど」

「チェギョン…俺 お前の腹が突然大きくなっていて驚いた」

「う…」

「少しずつ膨らんでいくのを 毎日見たかった」

「ごめ…」

また ついばむキスに阻まれる

「謝っても 時間は戻せないだろ?」

「うん…」

「だから これからは恐れずに俺の気持ちを受け入れてくれないか?」

「どういう… 気持ち?」

「体形が変わってしまった事を卑下する事なんか無いだろう?

俺が嫌がると思ってるのか?

その腹がここまで大きく膨らんだのは 俺の子を育んでいる証なんだぞ?

俺が 有り難い以外にどう感じるというんだよ?」

大きなお腹の上を優しく撫でおろす手は暖かい

「醜い…とは思ってないんだよ?でも 前と あまりにも違うから…」

「それを誇りに思ってくれないのか?」

「…誇りに思う…そか…そうだね…」

「お…起きたぞ ここに…これはなんだ?」

「うん 足だよ 時々足のカタチまでわかることも有るんだよ ふふふ」

「こうしてお前と 희망(ヒマン)の成長を喜びながら過ごしたかったんだ どれ程残念か 解ってくれるか?」

「ごめんな…」

また唇が塞がれて ちゃんと最後まで言わせてくれない

「謝罪の言葉はもう聞き飽きた

俺が聞きたい言葉を言ってくれ」

聞きたい言葉?と目で訊ねると 解ってるくせにと目が答える

ッバリマレ~/早く言え と動く唇が 綺麗

 

「シンくん… 大好き」

「またそれか?」

ん~💦 やっぱり あれか…

「…愛してる」

 

照れくさくてバフッと上掛けの中へ潜り込む シンくんに背を向けて…

スン… あ…

久しぶりに入るベッドは 懐かしい匂いがす

心臓が急に騒ぎ出す

う…嬉し過ぎて眠れないかも なんてドキドキしてたら

シンくんはあたしの後ろにするりと入ると また ゆっくりとお腹を撫でる

「朝までずっと こうしてていいか?」

これまでの時間を 少しでも 取り戻したいんだって

「っち… いいに決まってる」

解ってるくせに…

ふっと笑って つむじにキスをくれる

「잘자/チャルジャ/おやすみ」

「응/ウン/うん…」

眠れないかもと思ったのが嘘みたいに…すっかり解れていく 眠るのが勿体ないのにぃ…

 

シンくん ごめんね そしてありがとう

嬉かった

あたしを諦めないで居てくれた事 

シンくんにこれをちゃんと言いたかったのに 眠る前に 言えたかなぁ…

 

 
おねがい今日もありがとうございますカムサハムニダ恋の矢
おっとせよ?
シンくんの不安を余所にふわふわ幸せ満喫中のチェギョンでした
12月になりましたね~雪の結晶
早いものです
 
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