その3 

 

■2023/11/23(木)_No.3

 

転車台?しかし中心部以外は本当に高い建物がない。

 

前評判と駅の周りの雰囲気からして

ここに至るまで少々力が入っていたが

車内のだいぶ平和な雰囲気でやっとリラックスできてきた。

 

さすがに眠る気まではないが、サンディエゴまで3時間程度

少しだけぼーっとして体を休めることにする。

 

何やらすごい橋。世界の車窓から。

 

6th street viaduct(6番通高架橋?)というらしい。

仕事柄このウニョウニョした薄っぺらい有機的曲線デザインのアーチを、

どうやってコンクリートで作ったのかが気になってしまった。

 

ま、Googleに答えはあったわけですが...。

ド直球に型枠組んで現場打ちなのね...。力業。

 

 

出発から1時間もしないうちに列車は

なんか聞いたことのあるアナハイムへ。

 

まったく野球に明るくないのだが、あの見たことある形のオブジェは

かの大谷翔平に関係のある何かに違いない...。

 

車窓からみるエンゼルス?エンジェルス?アンヘレス?のスタジアム。

 

うん、これで一つ観光スポット巡り終了。お手軽!

 

大スターの影響で日系企業の広告が多いのは当然として、

牛タン司の広告があったのには驚いた。

こっちにも出店してるのね。

仙台駅近くのダイワロイネットホテルの一階にある店舗は

何度か訪れたことがある。

 

 

始発ではそれほど混雑を感じなかったものの、

途中駅ではそこそこ人が乗ってきて車内は段々と混んでくる。

 

指定席ではないものの着席指定だし、かなり頻繁に車掌が

巡回しているので安全面で不安を感じるようなことはなかった。

 

 

また小一時間ほどすると列車は郊外の街中を抜けて海岸に出た。

 

 

 

 

ちょうど太平洋を挟んで千葉の対岸あたりか。

なかなか素晴らしい車窓風景だと思う。

 

サンクレメンテの桟橋。

 

住みたいとは思わんが、実に風光明媚なところだ。

どこのビーチにも海水浴や散歩をしている人を多く見かけた。

 

歴史ある鉄道なのによく保線されているのか、

結構なスピードで飛ばしているのに揺れることもなく、

座席も広くて快適この上ない。

 

海岸とお別れすると一旦内陸の荒れ地のようなところをしばらく走る。

サボテンとか生えてないか探してみたがそんなものは無かった。

 

段々と市街地が復活してきて、終点が近いことがわかる。

 

Old Town駅

 

少なくとも今日は国境を見に行くわけだが、

そこから先へ進むか否か、決断がNo-Goであれば

ここまで市電で戻ってきて駅近くのホテルに一泊することにしている。

 

EZ8とかいうチェーン系の安宿(モーテル)なのに

それでも1万5000円近い。財布に痛いぜ。

あとは駅から500m、歩いても大丈夫かいな?

 

 

そこから数分で列車は終点、Santa Fe Depot駅に到着した。

 

ちょっとおしゃれな駅舎。

 

座席のランクにより片道5000円~8500円程度。

格安航空券で乗り継いだほうが安かったのでは...?

という感じもするが鉄道旅も目的の一つ、よしとしましょう。

 

列車を降りるとちょうど用を足したくなってきた。

駅のトイレは(おそらく)浮浪者が個室に立てこもっていて

使うことができず、カフェで一息つこうと駅周囲を散策。

 

ここで悲劇が発生する。

 

なぜかどこの店も空いていない。

スターバックスですらやっていない。

出ました。海外のトイレ問題。

 

殺風景な街並み。便意をこらえているとなおさら無機質。

 

向かいの路面電車の駅の飲食店も全滅。

ここで私は一つの張り紙を発見する。

 

"Thanksgiving day"

 

えっ!?!?勤労感謝の日って全世界共通だったの?????

と思ったら勤労感謝の日がこのサンクスギビングデー、

感謝祭のパクリをGHQ主導で導入したんだとか。

 

アメリカ人は祝日を大切にするから店なんかは当然閉めて

みんな家族と過ごすぞ、とのこと。

そんなウンチクはどうでもいい。このままでは

語感の似た違うものが重大な問題を起こしてしまう。

 

列車で用を足しておかなかったことを深く後悔した。

後悔先に立たず。

もう何かを見物する余裕もない。

カリフォルニア脱糞はシャレにならなさすぎる。

そういう思い出は要らない。

 

 

色々なカフェをGoogleで探してみるが、

営業時間案内も祝日はアテにならない。

 

・国境地帯の店はさすがに営業しているのでは?

・国境ゲートの役所的なところはトイレあるのでは?

・最悪メキシコは国が違うので営業しているのでは?

 

と推測。

便意の代償が危険地帯への入域決断って、

それで殺されたら面白すぎるな。...他人事ならね。

 

気を紛らわすためにボケ老人のようにホーム上を

うろうろしつつ10分ほど列車を待つ。

 

Suica的なやつを券売機で購入して、

入線してきた国境(San Ysidro)行きへのメトロに

乗り込んだ。1時間ほどかかるようだ。

 

さっきのAmtrakに比べて一気に客層が悪いゾ♡

 

アメリカは超車社会。

なので車を持つことのコストも燃料もとても安い。

そんな国にあってすら、車を持てず電車で移動するのは

どういう人たちなのか?治安がいいわけがない。

 

不穏さと諸般の事情によりあまり旅を楽しむ余裕もなく、

早く終点についてくれ~。。との感想しかない。

 

第一波、第二派と上手く波を乗りこなし、ひたすら

事故が起きないよう耐えるのみ。

 

津波のような便意に...I know...怯えてる...。

 

米太平洋艦隊の大きな基地。

 

 

 

途中、タトゥーの入ったガラの悪い白人がわざわざ隣席に座ってきて

こちらをわざとらしく見ながらシャツで口を押える仕草。

 

アフターコロナの話で、

この程度の差別や嫌がらせは予想していたが、やはりいるものだ。

 

車内には旅行者どころか黄色人種自体がほぼおらず、仮に殴られても

「あー、またイエローボコられとるわ」くらいの反応だろう。

絶対誰も助けてくれない。

 

何かしてこようものならパールハーバー目潰しを

お見舞いして最低でも一生手負いにしてやると

思いつつ無視していたら途中で降りて行った。

 

しかし冷静に考えると自分はもうこの時色々と

限界を突破している状態。なんなら微妙の放射性物質が

管理区域外に漏れ出てしまっていた可能性を否定できない。

コロナとかじゃなく本当に臭かったのであれば

こちらにも落ち度はある。

 

だったらごめんねって感じだ。

 

 

市の外れにさしかかると電車は路面電車から専用軌道に入り、

スピードアップして普通の都市間鉄道のようにカッとんで走り始めた。

 

 

 

 

見えてきた。遠くのこちゃこちゃした街並みがメキシコ側だろう。

 

 

 

どうにかお粗相することなく終点にたどり着けそうだ。

 

終点。San Ysidro駅で下車。

ま、終点に着いたところで店(トイレ)が空いてる保障はないがな。

 

 

 

...勝ちました。賭けに。

 

降りてすぐのところにあるマクドナルドが営業していた。

マックのみんな、祝日働いてくれてありがとう...。

 

トイレは有料だが使えた。

 

なんかもう。

便座に腰かけたときは。

 

ああああああああああああああああああああ!!!(略)

 

て感じだった。

 

ていうか確実に心理的な問題だと思うんだけど、

個室に入ってドア閉める瞬間あたりから急激に来るの

何なんですかね。あれ。

もう10秒くらいディレイが欲しい。

 

もうこれが旅のハイライトですね...。間違いない。

 

 

その4