ハウスの象意は人と時によりけり

1ハウスは自我、とかそういったことはあまり誤差がないですが、ハウスが進んで行くにつれてその人にとってのそのハウスの象徴は変わってくるように思います。

例えば3ハウス。

恥ずかしながら2期か3期ぐらいまでは、私も「3ハウス＝新幹線とかその程度で行ける距離感」と話していました。

飛行機に乗るなら9ハウス、みたいな。

でも自分が出張とかするようになって、また出張族の人を見るようになって、そうとも限らないよな、と考えるようになったのです。

こういうのは自分が経験しないと分からないというか、自分じゃなくても身近にそういう人がいないと分かりにくい部分ではあるかもしれません。

結局、その人にとって気軽な範囲って、違うんですよね。当たり前ですが、頭で考える「当たり前」と実際に感じる「当たり前」は全然違います。

私は今のところ、国内なら別にそこまで気張らずに行けます。が、パスポートが必要となると途端に、言葉の壁とか文化の壁とかを感じて腰が引けます。行ったことがあっても、数年経ってれば事情は変わってるので。特にコロナを挟んで、だいぶ変わってるのではと思うので今から一人で韓国行ってこいっていうのはちょっと。韓国ならまだ多少言葉は分かりますが、ハワイとか無理。ハワイのさぁ、入国審査の人、怖いんだよ…

私がそういう人に当たっただけなのかもしれないけど、もうねぇ…心細いったらないですね。なので、私にとってハワイは9ハウス。韓国もまぁ…行けば3ハウスになるかもしれないけど、今のところ9ハウス。

なので、その人の経験値も変わってくることを考えれば、流動的だと思っておく方が良いかもしれません。

1ハウス＝本人、2ハウス＝本人の才能や価値というところまではそんなに変わらないですけど。でも、やはりその人の才能や価値もある程度すると変わるでしょう。だから、内訳は変化すると思います。

4ハウスの概念も、結婚している人としていない人では変わるでしょうし、またする前と後でも違うはずです。

4ハウスと、7ハウス8ハウスの象意は、数年で変わることがあります。3ハウス9ハウスもそうですが、何かを経験する前と後では、大きく変わる価値観ってありますよね。してみなければわからないというか。

2回結婚した人では、その時々でも変わっているでしょう。それはトランジットによって変えられているはずだし、もしかしたら1回目の結婚ではそのハウスの価値観と実際が合わなかったのかもしれません。そういったことはSAに出ている可能性もあります。何年で破綻したのかを考えれば、その周期に合う天体が影響を与えていることが分かります。

だから、教科書通りの学習では、いずれ壁にぶつかるのです。

そうしたことは、実際に鑑定をしてみなければ分かりません。同じハウスでも、10人いれば10通りの、100人いれば100通りの象意があります。根幹となる部分は同じでも、それに対するイメージが違うので、通り一遍のことを言っても、受け取る側からすると「…？」となる可能性があるのです。そう言っている私も、鑑定の時にまずはその価値観をすり合わせるところから始めます。絶対にこれ！というのはないんですよね。在室している天体に関しても考えなければなりませんし、ルーラーについても考える必要がありますから、結局その人それぞれ、ということをきちんと理解していなければ、「全然当たらなかった」ということになりかねません。

講座ではそのあたり、私の鑑定の経験などからお話しすることもあります。最初の頃はそんなことまで話していたら頭がごちゃごちゃになるので言いませんが、慣れてきたら少しずつ、「こういうケースもあります」ということを話しています。

本を読めば分かることだったとしても、実際に講師から話を聞くことの最大のメリットはここだと思っているので、時間が許す限りはそうした「現場」の話も、個人情報を漏洩させない範囲でお話しします。