2023年7月29日(土)

 

夜中、23時に抗生剤点滴をするのだが、昨晩は、また39度以上熱が上がり、解熱剤と氷枕を依頼。トイレ。。。尿意があるような気がするけど、いざトイレ行くと出ない。1時間に一回トイレに起きる夜中。

看護師さんと若先生に相談。エコーで尿の残量を測ると300あるらしく、1日に500は出ないとよろしくないので、頑張って出す、全部カップに取って計量する、明日も改善しないなら導尿(痛そうだし!)しますと。若先生は、冷静な顔で「頑張って絞り出してください」笑。この冷たさにだんだん慣れてきたかも!

 

そして、暗闇は人を不安にさせる。前日、FBに、入院の話書いたら、たくさんの人からメッセージをいただき、このモヤモヤとした苦しさから逃れたく、親しい人には、事実を打ち明ける。言われた人は、こんな重たい話聞かされてたまったもんじゃないかもしれないけど、聞いてくれる人がいるのはメンタル的に重要。人は一人ではない。どんどん周りに助けを求めよう。

 

朝一番で、主治医先生が顔を出してくださり、昨日の若先生とは違う優しい口調で話してくださった。主治医先生には涙を見せるが、若先生には、私も強がりでなんでもない、って感じで対応してしまう。

 

朝二番で若先生と話。「動いていいですよ」「どんどん筋力落とさないよう動いて」ということなので、お願いをして、リハビリ室で筋トレ、また、19階で軟禁状態の今から、気分良い時は、別の階まで行けるようにお願い。「19階までの階段はないけど、1−4階、外来のとこには階段あるかもですね」と。熱が下がって、痛みもない時は、動きたい。身体のメンテナンスをしたい。という前向きな気分になり、youtube見ながらベッドの上でヨガ&ストレッチ。(病院のベッドは横に柵があるので全然動けないのが難点)

まずはこの感染を治す、うまく落ち着けば来週半ばに退院、その後すぐに抗がん剤治療を、と言われるが、1週間の自由時間が欲しいとお願いする。温泉も、食事も、ハイキングだって、なんでも好きなことやっていいよ、って言われたのは、パーっと霧が晴れたような気分だった。何しよう。何食べよう。誰に会いたいかな。髪の毛短くした方がいいな。カツラもリサーチ!? やり残しの無いように。希望で人は前向きになれる。

 

朝は37度、朝食後は36度台まで落ち着き、元気なので、2日ぶりにシャワー。いやー、リフレッシュ!香り良いシャンプー、コンディショナー、ボディソープ、ドライヤーをぽんちゃんのラインに依頼。ぽんちゃんには、何も考えず、欲しいもの全部ライン。甘えて良い存在がいてくれるのは、ありがたいね。

 

さて、今日は午後、ベッドが空いたので婦人科の一般病棟に引っ越し、そして母がやってくる。お母さんに話するの嫌だなぁ。

2023年7月28日

 

朝6時「おはようございます。検温してお待ちください」の館内放送。病院の朝は早いんだな。検温と、また採血される。注射は痛いなぁ。でも、こんな痛さは、これからの治療を思うと、可愛すぎる痛さなのだろう。

 

昨日から食事取ってないのでお腹空いていた。8時半、ようやくやってきた食事は、すんごい薄味で、ポソポソしたご飯で、でも噛み締めながら美味しくいただく。お腹が張ってるので、ゆっくりゆっくり。ご飯は少し残してしまった。

 

暇かな、と思っていたら、看護師さんとか、栄養士さんとか、先生とか、事務局の人とか、どんどん「高橋さーん」とやってくるので、意外と忙しい。ところで、病院は、何をするにも毎回名前を確認されるが、私は普段、結婚前の「青崎涼子」で生きているので、この病院で何度も何度も「高橋涼子 1972年5月2日生まれ」と言わされると、違う人格になった気がしてしまう。舞い込んできた病気と闘うのは、高橋涼子なんだな。よくわからないけど。

 

熱は下がったり上がったり、暑くなったり寒くなったりで、その度に優しい看護師さんは「電気毛布持ってきますね」「氷枕必要ですよね」と甲斐甲斐しく用意してくださる。

 

シャワーの予約を取ってくれてウキウキしてしていたけれど、昼食食べたらまた39度まで熱が上がってしまい、シャワー中止。ちぇ。

 

若い医師がやってきて、「MRIとCTの結果が出たので、お伝えしましょうか。早く知っておいた方がいいですよね。子宮体癌、ステージ二か三か。抗がん剤治療と、子宮からリンパから全部摘出の大きな手術になりそうです。質問ありますか」と、サラリと事務的におっしゃった。うーむ、いきなり質問はと言われてもなぁ。

 

仕事は1年間はできなかろう。というか、この後、登山ガイドとか、ロングツアー同行の仕事なんて、できる日はもうないのかな。

これから辛い治療の1年間が始まるのか。1年、長いよね!先生は、「とりあえず、今に集中しましょう。まず感染症を治すことです」とおっしゃるが。いや、遠くも見ておかないと、治って普通の生活している自分を想像できないと、永遠に続く地獄でしかない。

 

まだ他人事のような、心では受け止めきれていない、ふわふわした感じ。

点滴を受けながら、心が弱くなっている私は、泣く。この数日、ふとした瞬間に、シクシクシクシク泣いている。

 

夜、ぽんちゃんがきたら、どう言うかね。

週末やってくるらしい両親には、どう言ったら良いのかね。

 

今月頭は、北海道の山歩いていたのに、人生本当に、一瞬先は闇。コロナで強くそう思ったけれど、こんな展開は、想像してなかったな。。。 人生はしんどいな。ズタズタになる身体と生きていく人生は、今までとは全く違うものになりそうで、未来が描けない。

 

今日やったこと

*抗生剤点滴2回

*解熱剤点滴3回(このすばらしい薬は、1日3回までなので、計画的に使わないといけない)

*鉄分点滴1回

*鉄分リモナ錠剤2錠

*冷徹な若先生の往診で衝撃の告白をされる

 

夜、ぽんちゃんが会社帰りにくる。会社から電車一本。自宅までも電車一本、便利な場所であることは何気に重要なファクターだね

 

uterine cancer =子宮体癌

 

 

2023年7月27日

 

この日の昼までは何の問題もなかった。

前日は、神楽坂まで出向いて、新婚甥っ子カップルと夕食を共にし楽しい時間を過ごし、さらに、「月曜日の運命の日まではまだ未病なので、元気なうちに、温泉でも行っておくか」と、温泉宿の予約。

 

そして、昼。

なんかお腹張るなー、気持ち悪いなー、な気分でトイレに行ったら、便だけでなく、嘔吐。朝はほとんど食べていなかったので、飲んだりんごジュースが戻ってきた感じだった。

 

で、その後に、いやーな冷や汗。そして悪寒。冷房は寒いので切って、暑い夏、38度くらいある室内の中で寒い寒い、しかも苦しくて、ヨガのチャイルドポーズみたいな姿勢でしばらく耐える。そのまま2時間くらいしたら、今度は悪寒が熱に変わり、39度。病院に電話してみようとか、タクシー呼ぼうとかいう気力もなく、ベッドで悶々とする。お腹の張り、熱。これって感染症っぽい。あ、温泉宿はキャンセルした。たまに冷静な私。

 

20時、ぽんちゃん帰宅。多分癌ぽいよ私、という話をして、で、今の状況を伝えると、「病院だ、病院だ、今晩行った方がいい」と。病院に電話すると、「どうぞ来て下さい、入院になるかもしれません」と。熱は37度台まで落ちていたので、とりあえずシャワー浴びて、お泊まりセットを用意。(でもアップセットしてたんだなー。病院には必須のマスクとか、携帯の充電コードとか忘れてた)

 

ぽんちゃんが手配してくれたタクシーで、付き添ってもらいながら、ぶーっと病院へ。ERは、しんと静かな日で、すぐに血液検査、超音波、レントゲンなどを撮ってもらう。「白血球の値が低いので、感染ですね。抗生物質、薬では弱いので、点滴で治して行きましょう。入院1週間」

 

というわけで、急転直下、いきなり始まる入院生活。人生初めてだ。6600円+の差額ベッドしか空いていないということで、とりあえず、テレビと冷蔵庫がある広めの4人部屋。抗生物質と解熱剤投与。ぽんちゃんは「お金のことは気にしない!どうにでもなるから!」と、どこまでも優しい。彼が入院したとき、私はもっと突き放した冷たい態度だった。ごめんよ。嫌なやつだ私は。

2022年7月26日(水)

 

今日も暑い。くらくらする真夏だ。

今朝は朝一番でCT検査。一昨日、MRIを撮りにいった場所なので、少し気持ちは楽。家から自転車で5分、っていう場所も気持ちが楽。

前回と同じように、副作用のリスクを承諾(承諾するしかないじゃんね)サインして、パジャマみたいな検査着に着替え、マスクは鼻のワイヤーがNGだからと取らされ(そう、病院はコロナ終わった今もマスクが必要なんですね。先週まで気づいていなかった)、なんだかカッコいい、未来な部屋でマシンの上にアザラシのように寝かされる。私は注射針が大嫌いな、豆腐メンタルなので、造影剤を注入するための注射針が刺さった段階で、すでに貧血気味。管が太いので、ずっと刺さっているこの感覚が気持ち悪い(え、これ入院とか手術になったら、身体中に管刺さるだろうに、大丈夫なのかな。)。MRIのような音もせず、万歳して寝ているだけなので、特に辛さはない(いや、腕に刺さった管が気持ち悪い)。「造影剤は、体がもぁーっと温かくなりますよ。お漏らしじゃないですからね。すぐに落ち着きます」、と、若いニコニコした看護士さん。その通りに、もぁーっと体がほてり、何か異物が体に入っている実感をする私であった。頑張れ体。

 

暑いし、まだ店もあいていない時間なので、すぐに自宅に戻る。

洗濯機を回すと、ぽんちゃんのジーンズに入っていただろうティッシュが洗濯物に盛大に付着しており、ため息とともに、白いほわほわした紙切れを処理。風で浮くので、なかなかに、部屋の中が雪景色という惨事なのだが、それがどんなに小さいことでも、何かに集中できるのは良い。

 

引き続き仕事のキャンセル処理。なかなか代理のきく仕事でないので、仕事先の方々には申し訳なく思い、また、空っぽになった予定表をみると、気持ちも空っぽに、憂鬱になってしまう。コロナの、2020年春の再来か!あの時も、意味がわからないまま、1年間の仕事が、ハラハラと日々消えていって辛かった。。。が、今回の方が辛い。

 

そして、時間があり、一人きりというのは怖い。怖いもの見たさというか、落ち着かないからからか、数日後の将来を知りたい私は、地獄のネットサーフィンタイムが止まらない。

「子宮体癌」「子宮頸癌」をブログで拾っていくと、もうそりゃ、たくさんの先輩方が、事細かに体験を書き残してくれている。「入院に持って行くとよいもの」「入院前にやっておくもの」「どうしてわかったか」「おすすめの本」とか、今の自分の状況をなぞるように読み込んでしまい、怖さで涙が止まらない。ぽんちゃんの前では、まだ泣いてない(そもそも、もう少しお気楽な状態だと思わせてる)。一人になると、ずっと泣いてる。結構、強いキャラクターで生きてきたのに、実は自分の心がこんなにお豆腐みたいに柔らかかったとは、なかなか驚きだよな、と遠くで思う自分もいる。

 

読んでいたブログのひとつ、最新の記事が、家族からの「応援ありがとうございました」という投稿で、まだちょっと考えられないけれど、え、「死」も遠くない場所にいるのもしかして私、と、涙腺崩壊

 

これは自分のための日記で、てにをはもめちゃくちゃだけど、書いていると少し落ち着くので、推敲せずに、このまま投稿します。

 

 

今日のアマゾンポチ

 

 

 

2023年7月25日 月曜日

 

昨晩、8月の仕事の予定先に、キャンセルの連絡をした。

私の仕事は特殊で、決まったデスクワークではないので、仕事をするときは、1、2週間、東京を離れるし、結構山の中をガシガシ歩く体力勝負。まだ結論が出たわけじゃないけど、次の受診が来週月曜日だし、直近の仕事はできない。そして、今の精神状態で、仕事に集中することもできない。となったら、早い方がいい。電話を入れ、前泊のホテルをキャンセルし、北海道行きの飛行機をキャンセル。全日空は早割で取っていたので、キャンセル料も結構痛いと思ったが、「病気の場合は免除します」という一文に気づく。え、そんな厚情が。電話をして確認。1ヶ月以内に診断書をデータで提出すれば、全額戻ってくるらしい。あら、全日空ってば、素敵。

 

グーグルカレンダーの仕事の色をグレーに変えていく。オレンジだった8月は、暗黒のグレー一色になった。

結構気合の入った8月、忙しくなる8月だった。全部飛ぶ、と、実感すると、(フリーランスなので報酬もなくなるし)、今までの準備を思うと悲しいやら、でも、この出血だらだらの(検査後から、出血止まらず)、結構シビアな病気かもしれない私の身体で、ちゃんとした仕事ができようもなく、諦めの気持ちの方が大きいから。まあ、直前で、各方面に多大な迷惑をかけてしまうのが申し訳ない。淡々と引きつぎ作業を進める。

 

午後は、冷蔵庫の搬入。ここ数日間、冷凍庫の中身をこまごまと消費してきたので、冷凍庫はほぼ空っぽ。にしても、電源いれてから機能しはじめるまで5、6時間かかるので、真夏に冷蔵庫交換するのは、あんまりおすすめしない。期限切れの色々を処分して、気分もスッキリ。やることがあるのは良いことだ。気が紛れる。

 

ふっと時間が空くと、私の手は闘病記をググりはじめ、不安が押し寄せてきて情緒不安定になり、涙が出る。誰ともシェアできないのがなんか苦しいのだ。思わず、そんなに親しいわけでもないけれど、数年前に闘病生活を送ったYさんにメッセージ。重たい話を申し訳ない。

 

と、くよくよするその一方で、「来週月曜日まで、まだ病人と最終決定したわけではない、この貴重な1週間」をどう使おうかな、と冷静に考える自分もいる。

 

*図書館で関連所の本をどさっとまとめて予約

*Yのブログに薦められていた「くもをさがす」を、アマゾンでポチ。キンドルにするか迷ったけど、紙で読みたかったので。

*週末は、ぽんちゃん(夫)と、温泉でも行くかな、と一休を漁る。

*使った医療費はちゃんと記録していかなきゃ。

*診療カードフォルダー買いにいこうっと。

 

*コロナの3年間の日々を記録しなかったのを悔やんでいる。この青天の霹靂な人生、先週までとまるで変わってしまいそうな人生で、ジェットコースター並みに動いているこの気持ちは、記録しておきたい。と、このブログを開設してみた。書くと落ち着く。昔から書くのは好きだ。自分のために、そして、もしかしたら将来、似たような誰かが、気になったとき、この記録が参考になるように。今日の一言は「あれ、と思ったら、迷わずすぐに病院行け」だ。私は初動が遅かった。

 

 

 

心の奥底で、「大丈夫でしたよ!なんでもないです」と言ってもらえないかな、とまだ期待する自分もいる。(こんだけ出血して、なんでもない訳が無い)

 

身体が少し熱いのは、単に気温が高いからか、機能のMRIの造影剤の副作用なのかな。

明日はCT。朝ごはん抜きだ。

 

 

今日のアマゾンポチ 「くもをさがす」

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