今年は、部下に仕事を引き継ぐため二人で出張となった。
初日に仕事を終わらせ、今日は熊野古道を歩く予定だったが、生憎の雨。
熊野本宮大社へ参拝することにした。
仕事を引き継げばもう来ることもないので、昨日はなかなか行けなかった京都大学の水族館と南方熊楠記念館を見て、今日は思いきり足を伸ばすつもりだったが、雨では仕方ない。
熊野権現をお詣りして宿へ戻り、温泉でも入って、夕方の飛行機の時間までゆっくりしようということになった。
しかし、雨の降りがかなり強い。
ラジオのニュースで、近隣の地域に避難勧告が出たとのこと、熊本も大雨で植木市の洪水が報道され、被害も酷そうだ。
念のためと思い、飛行機の発着状況を調べると、既に朝から全便欠航である。
当然夕方の羽田行きの便も危ない。
帰るその足で、空港へとって返し、直ぐに関空発の便にチケットを変更し、レンタカーを乗り捨てる手配を済ませ、一路関西国際空港へ走ることにした。
これで、関空まで行くのは2度目である。
何とか今日中に帰らないと明日の予定がある。

早めに変更したので、時間的に焦ることもなく関空に無事到着。
飛行機は飛ぶだろうが、どうやら東京も雨らしい。

真夏のギラギラした太陽、綺麗な砂浜にビキニの女性、何かワクワクするような場所の筈の南紀白浜。
出張過去7回中4回は帰りの便が欠航である。
欠航理由は、大雨、台風、霧と梅雨時の不順な天候である。
不純な動機がいけないのか?美味しいことにあったことはない。
欠航な目に遇ってばかりである。
阿倍野ウォークの炭火焼き屋で食事。
当たり障りのないメニューの中に、「鯨の筋肉」というのがあった。
美味しそうなので、店員を呼び、「鯨のキンニク」をくださいと頼む。
「はーい」と明るく返事した女の子が暫くして持って来たのは、鯨の肉が僅かに付いた硬いコリコリしたもの。
そう。
「鯨の筋肉」とは鯨のスジ肉だった。
ガッカリ…
味もガッカリショック!

替わって、昨夜。
仕事が終わらずまた泊まることになった。
夜は梅田の阪急メンズ館から商店街の路地へ入る。
居酒屋が立ち並ぶが、豆腐料理が目に入り店の中へ。
数人でバラバラと勝手な物を頼むと乾杯。
ホタルイカの沖漬け
鯛の刺身おろしポン酢
ネギトロとアボガド
刺身の盛合せ
はもちり
里芋挙げ
手作り豆腐
水茄子
蓮根のつくね
次々料理が並ぶがどれも美味しい。
魚は新鮮で、味付けは絶妙。
どれも外れがない。
一流料亭と変わらない味である。
店の名前が「珍竹林」というので、期待せずに入ったからではなく、本当に旨いのである。
最後に
ミルク豆腐の黒蜜きなこ
を食べた。
豆腐のデザートがこれ程美味しいとは…
目から鱗の店であった。
ごちそうさまニコニコ
名古屋のつばめタクシー。
名鉄と双璧のタクシー会社らしい。
運転手は丁寧。
丸の内から名古屋駅まで短い区間であった。
普通は、客が運転手に気を遣い「短い区間で悪いねぇ」なんて言葉を掛けるのだが、乗って行き先を告げてもにこやかだ。
走り出しても、なかなかメーターを入れない。
「では、メーターを入れさせて頂きます」と客に断る。
世間話も、言葉遣いも丁寧で、通常運転手のヘッドレストに付いているプラスチックの防犯ガードも無い。
目的地の少し前の信号待ちでメーターを止め精算する。
運転手の対応はどこでもやっているが、多少割高の料金でも、メーター一つで気分が良い。
しかも、運転手が降りてきて乗降時にドアを開閉する。
何だか、良いタクシー会社であった。


所は変わって大阪。
新大阪から堂島まで乗ったエフエーというタクシー会社。
昼間で暇そうにしていた運転手としてはなかなかの距離らしく、メーターをガンと倒して(気持ち的にそんな感じ。実際は乗り込んだと同時にメーターのボタンを親指でガン押しして)走り出す。
関西弁で柔らかく「今日は暑い日でんな」と話し掛けられると、名古屋のタクシーに乗った後だと馴れ馴れしく聞こえる。
堂島は、東京でいう銀座や赤坂のような高級クラブや料亭が立ち並ぶ北新地を抜けた所だ。
「お客さん、出張で今晩は北新地でっか?」
大きなお世話だ。
走っている途中でどこかで携帯が鳴る。
すると、走りながら運転手が携帯を取り話し出した。
「はい うん… うん… かまわんでぇ… ほな」
タクシー会社は無線だから携帯は持たせる筈がない。
明らかに私用の携帯である。
しかも、走りながら話すとは…
この運転手ダメダメである。
北新地の出口で信号待ちになり、目的地の手前で止まると、「お客さん、その信号を渡った左側がそうですわ。ここから歩いた方が早いですねぇ」と降ろされた。
何で目的地の対抗車線に出るようなコースを選択するの?
土地の違いか、会社の違いか?
最高と最低を味わった日だった。