一方、それ以外の南ユダ王国の民にも神様は一つの「救いの計画」を用意して預言者イザヤを通して預言されました。
「それゆえ主みずからあなたに一つのしるしを与えられる。見よ、処女が身ごもっている。そして男の子を産む。その名をインマヌエルとなずけよ。」(イザヤ7:14)
この預言が語られた当時、南ユダ国の王様はヒゼキヤ王です。イザヤは、ダビデ王の末裔であるヒゼキヤ王に対して忠告をあたえる神様によって立てられた預言者です。
イザヤは当時、ユダヤ民族のみならず世界的にも最も信頼される預言者です。
ヒゼキヤが20歳になった時に息子が生まれ、その子の名前がインマヌエルという名前だったという伝承があります。
イザヤ書7章の預言はその時代に実現しました。しかし、実はこの預言は、このイザヤの預言から数えて約700年後に実現する「インマヌエル」なる「神様がともにおられる」「神の御子イエス・キリスト」のクリスマス降誕を預言するものでもあったのです。
南ユダ王国崩壊の預言を事前にイザヤから聞いていたヒゼキヤ王は当時、20歳の時にようやく授かった大切な息子インマヌエル王子のことがとても心配になりました。
この子は将来は国を背負う世継ぎです。すでに北イスラエルはアッシリヤ帝国によって滅亡しています。ですから、南ユダのヒゼキヤ王はどうしたらいいのか、悩み抜いてイザヤに相談したことでしょう。このことは習慣化されて、後に歴代天皇も大きな決断を下す人生の岐路に立たされた時、いつも皇室専属の占い師に伺っていた記録があります。
実はインマヌエル王子はこのユダ族の預言者イザヤの娘とヒゼキヤ王との間の子で、イザヤはインマヌエル王子、後の神武天皇にとって祖父だったのです。
そこでイザヤが与えたアドバイスは、推測するに、このようだったでしょう。
「ヒゼキヤ王よ。あなたは国と命運を共にする王として、ここを退いてはならない。とどまりなさい。しかし、あなたの息子インマヌエルはユダ族の末裔として次なる王とならなければならない。世継ぎとして、この子をどうしても守らなければならない。神の預言は必ず実現し、やがてこの南ユダ王国も新バビロニア帝国によって滅ぼされるであろう。だからあなたはこの子を東の「遠い国」「アルツァレト」と呼ばれる「果ての地」へ送り出しなさい。私もまた祖父として責任を持ってインマヌエル王子に同伴し、行く末を見届けよう。」
このようなイザヤのアドバイスを受け、使命をもってこの子と共に非常に多くの優秀な仲間たちを連れ、東へ東へと渡って行ったのではないでしょうか。
古の伝承によると、アブラハムが「東の果てに行くと水のこんこんとわき出でる緑のオアシスの国がある」と語ったとも言われていました。水のこんこんと湧き出るその国を目指して、イザヤはインマヌエル王子を連れて陸路で「1年半」の距離を持つ日本めがけて、今度は海路を選んで国外脱出したに違いありません。その時、聖書の預言が成就しました。
「主は、あなたと、あなたが自分の上に立てた王とを、あなたも、あなたの先祖たちも知らなかった国に行かせよう。あなたは、そこで木や石のほかの神々に仕えよう。」(申命記28章36節)