THE KINKS  「PRESERVATION ACT 1」      1973
 
 『名作「ヴィレッジ・グリーン」をベースに書きあげた、
レイ・デイヴィス才気爆発のロック・オペラ第1弾。』
 
 
イメージ 1
 
 
 FREEの「Wishing Well」のイントロを思い起こさせる
オープニングの「Preservation」、でもこれはボートラなので、
続く「Morning Song」が本来のオープニングなんですよね。
このヘンなハミングの曲は何かが起こりそうな予感がする...。(笑)
 
 しかしその嫌な予感に反して、以降の曲は結構マトモなんだよね。
ブラス入りの「There's A Change In The Weather」は
リズムにも緩急つけ、コーラスを配した、いかにもキンクスらしい曲。
「Where Are They Now!」のバラードの美しさにも心動かされつつ、
「Cricket」でのキンクスお得意のキャバレー風味もイカシテおり、
 
 田舎町の再開発に関わる地上げ屋と救世主との闘いのストーリーは
よくわからんけど、「Here Comes Flash」で地上げ屋フラッシュがやって来、
「Demolition」で取り壊しが決まり、第1幕が閉じます。
JOHN RENBOURN GROUP 
「THE ENCHANTED GARDEN」
1980
 
 ジョン・レンボーン・グループ名義では
77年の「A MAID OF BEDLAM」に続く2作目ということになります。
 
 
イメージ 1
 
 
 いきなりタブラだけをバックにコーラスで唄う
「A Pavan "Belle, Qui Tiens Ma Vie"」、仏語で唄われるのは
新たに加入した仏人マルチ・プレイヤーのジョン・モリニューのアイデアでしょうか。
 
 さて、ペンタングルの音楽性を継承してるのは
まさにこのジョン・レンボーン・グループだと思うのですが、
「The Plains Of Waterloo」のような美しいトラッドを
ジャッキー・マクシーが切々と唄い上げる...
まさにペンタングルの再来ですね。
 
 ジャッキーの無伴奏歌唱の「A Bold Young Farmer」、
タブラとフルートで始まるインド風の展開から
ジョンの変則チューニングをフィーチャーしたブルージーな雰囲気も束の間、
再度フルートが登場し、インド風のスケールを展開する「Side Brahim」など、
前作に続き、トラッドとインディアン・スケールが融合した、
まさに「魔法の庭」といった摩訶不思議なサウンドです。
 
BLOOD, SWEAT & TEARS 
「BLOOD, SWEAT & TEARS」
1969
 
 大方の予想通り、アル・クーパーは脱退しちゃいます。
替りに加入したのはディヴィッド・クレイトン・トーマス。
このヒトが加わって、B,S&Tはさらにジャジー&ソウルフルにパワーアップ!
プロデュースが前作のジョン・サイモン(ザ・バンドでお馴染み)から
ジェイムズ・ウィリアム・ガルシオ(後にシカゴを立ち上げるヒト)に替り、
69年のグラミーではアルバム・オブ・ジ・イヤー、最優秀演奏、最優秀編曲の
賞を頂くことになります。
 
 
イメージ 1
 
 
 「エリック・サティの主題による変奏曲」、ローラ・ニーロの「And When I Die」、
スタンダードの「God Bless The Child」、
そしてD.C.トーマスの真骨頂「Spinning Wheel」に
「You've Made Me So Very Happy」と、初期のアルバムでは一番充実してました。
 
 「Blues Part Ⅱ」ではブラスによる、「Sunshine Of Your Love」~「Spoonful」
のフレーズも飛び出し、エラ・フィッツジェラルドが「Sunshine Of Your Love」を
唄ってたのを思い出したりしちゃいました。
 
 何と言ってもロック・ヴォーカリストでは、このD.C.トーマスは
クリス・ファーロゥと並んで大好きなシンガーです。
DANNY WILDE + REMBRANDTS 
「SPIN THIS」
1998
 
 ちなみに、このジャケ写真、逆さまに載せたわけではありません。(笑)
 
 
 
イメージ 1
 
 
 
 中古盤で買ったんだけど、何に惹かれたか?って言うと
曲目に 「Wishin' Well」 (あのFREEの名曲のカヴァー?)、
「Summertime」 (あの「サマータイム」?)
と、勝手に思い込んだワタシが悪うございました。
 
 おまけに裏ジャケにはギブソンES系のサンバーストのセミアコの写真、
え!?ひょっとしてブルーズ系? という期待を抱いても不思議じゃありません。
(と、早とちりした自分を正当化してる...笑)
 
 いざ聴いてみると、ワタシの期待は大きく裏切られ...
いや、詳しくは書くまい。
 
 でも 「Shakespeare's Tragedy」 と 「Summertime」 のオケは
ヴァン・ダイク・パークスが担当してるじゃぁありませんか。
 
 
 今日は休みだったので、南砺の城端(じょうはな)へドライヴ。
 
 善徳寺は復旧工事中。しだれ桜が散り初めでした。
 
 この城端という街は 「越中の小京都」 というキャッチフレーズで、
最近ではTVアニメ 「True Tears」の舞台にもなったとか。
 
 
イメージ 1  昔の蔵の名残ですね。
 
 アニメのポスターなどにも使われてました。
 
 
 
 
 
イメージ 2
 その蔵の足元に、こんな花が。
 
 ハート形の可愛い花です。
 
 調べると 「タイツリ草」 というそうです。
 
 
 
 街中を散策し、帰りは福野の 「マリモ」 というラーメン屋へ。
野菜どっさりの 「ピリ辛味噌ラーメン」、美味かったなぁ。
でも辛かったなぁ。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 今はどうなのかわかりませんが、ワタシの時代は
中学校で初めて英語を習ったわけですが、
実は小学校で、英語に慣れ親しむ前段階の「ローマ字」というのがありまして、
日本語の文章や単語をローマ字で書く、またはローマ字で書かれた文章を
日本語で読む、というのがありました。
 
 ワタシが若い頃聴いてたオールマン・ブラザーズ・バンド、
若くして亡くなったデュアン・オールマン。
30年以上も彼のことを 「デュアン・オールマン」という名前で親しんで来ました。
ところが、ここ近年の表記を見ると 「デュエイン・オールマン」と
なってるではないですか。
たしかに 「DUANE」をローマ字表記すると「デュアン」、
でも英米人はきっと 「デュエイン」と発音するのでしょう。
 
 アメリカン・バイクでお馴染みの 「HARLEY DAVIDSON」、
日本では 「ハーレー・ダビッドソン」と紹介されてますが、
これも 「ハーリィ・ディヴィッスン」が正解。
USAで「ハーレー・ダビッドソン」と言ってもまったく通用しませんぞ!
 
 同じくハンバーガー・チェーンの 「McDONALD」、
日本では「マクドナルド」なんて呼ばれてますが、
これもアメリカでは「マダーネル」なんて発音しちゃいますから。
 
 こんなところにローマ字教育の大きな過ちがありますね。
ローマ字では子音の 「a」は 「ア」としか教えませんから
「a」を 「エイ」と読むことはありません。
だから多くの小学生が中学生になって、授業で英語を学ぶと
英単語の読み方に混乱をきたすわけです。
 
 ですからワタシのブログではなるべく英語読みに忠実に表記するように
しています。
そういう意味では、ピーター・バラカン氏の発音や表記は見習うべjきです。
BERT JANSCH  「THE ORNAMENT TREE」 
1990
 
 バートにとって久々のトラッド集ではないでしょうか。
 
 
イメージ 1
 
 
 
 ペンタングルの頃と比べると、だいぶカドがとれて丸くなりつつあるバート、
ティン・ホイッスルやフィドル、アコーディオンなども得て、
ちょっとジョン・レンボーン・グループのようなサウンドも覗えます。
 
 ファンにとって嬉しいのは、73年のアルバム「MOONSHINE」でやってた
「The January Man」の再演でしょう。
73年のヴァージョンは、唄いながら弾くギターがスリリングだったのですが、
この90年ヴァージョンは比較的おとなし目の弾き語りで、
平凡な男の一年を唄ったカレンダー・ソングにはこれもいいかな、て感じ。
なんせ、若い頃のバートには「平凡な男の一年」だったのが、
歳を重ねるに連れ、「平凡な男の一生」になるのですから、
伴奏もシンプルなほうが歳を重ねたバートには充分説得力があるかも。
BLOOD, SWEAT & TEARS 
「CHILD IS FATHER TO THE MAN」
1968
 
 アル・クーパー主導型の「1st」です。
 
 
イメージ 1
 
 
 管ロックなのにストリングスなども導入した欲張りなバンド。
 
 ワタシ的にはディヴィッド・クレイトン・トーマスが加入した「2nd」以降が
好きです。アルが好きかD.C.トーマスが好きか、は意見の分かれるところです。
 
 ちょっと内容的に散漫で、実験的なところがうかがえますが、
全体的に線が細いのは否めません。
ただ、アルの曲作りのセンスはピカイチで、カヴァーのアレンジも秀逸。
ティム・バックリィやニルソン、ランディ・ニューマンにキャロキンなどの曲を
上手くアレンジしています。
しかし、アル・クーパーが主導し、尚且つプロデュースはあのジョン・サイモン、
とくれば、正直ちょっとモノ足りないような気もしないではありません。
 
 ワタシ的にはアルの楽曲も素晴らしいけど、「Morning Glory」や
「Without Her」などのカヴァー曲のアレンジが好きです。
特にボサノヴァ的な香りのする「Without Her」のようなミスマッチな部分に
アルのセンスの良さを感じますね。
 
 ところで「子供は人類の父である」という直訳タイトル、
本当は日本のことわざの「三つ子の魂百までも」的な意味合いらしいのですが。
アルバムのジャケ写真を見ると「子供は人類の父である」もうなづける?
MILES DAVIS  「FILLES DE KILIMANJARO」
1968
 
 67年の「WATER BABIES」からキーボードにH.ハンコック&C.コリア、
ベースにR.カーター&D.ホランドの各2名ずつを擁し、
そのスタイルをこの「キリマン娘」も受け継いでいます。
 
 
イメージ 1
 
 
 「Frelon Brun」と「Mademoiselle  Mabry」で、あえてコリア&ホランドを
起用してますが、逆にこの両名が新鮮です。
前者ではコリアがエレピの他にアコピも弾いており、
ホランドのベースと共にファンキーさを打ち出しています。
また後者ではかなりアーシー&ブルージーな展開で、
不気味なほどに静かな空間にトニーのドラミングが変化をつけています。
それに呼応するかのように、マイルスも泥臭いようで知的なソロを聴かせます。
 
 本作から翌年の「IN A SILENT WAY」への流れは
60年代マイルスのなかでは最も好きな集積です。
GRAM PARSONS  「GRIEVOUS ANGEL」      1973
 
 グラム・パースンズのソロ2作目にして遺作ということになります。
 
 
イメージ 1
 
 
 
 オープニングはカントリー・スタイルの「Return Of The Grievous Angel」、
エミルゥ・ハリスがハーモニーをつけ(というか、ほとんどデュエット状態)、
ジェイムズ・バートンのギターとアル・パーキンスのペダルが冴えるタイトル曲です。
続くバラード「Hearts On Fire」もいいですなぁ。
ロック・チューンよりもカントリー・スタイル、とりわけバラード展開がいいね。
 
 亡き母に捧げた「Brass Buttons」も涙なしには聴けませんね。
このアルバムがリリースされる前にGPが亡くなったことと併せて感慨深いです。
 
 エンディングはGPとエミルゥの共作「In My Hour Of Darkness」、
ハーモニーをつけるのはエミルゥではなくリンダ・ロンスタッド。
バーニー・リードンの控えめなドブロが隠し味です。
 
 アルコールと薬物で不安定な精神状態だったGPが
こんなに優しさに溢れたアルバムをレコーディングできたことが奇跡でしょう。