NICK DRAKE  「FAMILY TREE」      1967-68
 
 デビュー前の宅録を中心としたデモ音源集です。
 
 
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 ニック・ドレイクというヒトは完璧主義者だったようで、
アウトテイクやデモテイクの類は発表しなかったヒトのようですが、
死後、家族によってこれらの音源の一部が公表されたようです。
 
 「家系図」というタイトルが示す通り、
①母モリーの自作自演「Poor Mum」や「Do You Ever Remember?」、
姉ゲイブリエルとのデュエット「All My Trials」なども含まれています。
②ニックのオリジナルはデビュー後と同様、ちょっと陰鬱な感じの曲調ですが、
③コピーもやってて、バート・ヤンシュの「Strolling Down The Highway」や
ディランの「Tomorrow Is A Long Time」、
ディヴ・ヴァン・ロンクの「If You Leave Me」あたりの諸先輩方のコピー、
④トラディショナルなブルーズ「Cocaine Blues」「Black Mountain Blues」など
大きく4つに括られると思います。
彼自身の音楽的なルーツと、文字通り家系的なルーツが覗えます。
 
 それにしても「Strolling Down The Highway」はバートの完コピだ!
SAM LEE  「GROUND OF IT'S OWN」       2012
 
 『過去なのに未来。突然変異で現れた魂のシンガー。
英国に古くから伝わるトラヴェラーズたちの数々の歌が未来へと繋がる。』
 
 
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 英国の新星、サム・リーの「Ballad Of George Collins」を
ラジオで始めて聴いた瞬間、亡きバート・ヤンシュを想い出しちゃいました。
若き日のバートほど尖がってはいなく、ちょっとマイルドにした感じですが、
トラッドをベースにしたその曲たちはトラッド好きなワタシには
非常に馴染み深いモノでした。
 
 でも本人はトラッドとの接点はそれほど密ではなく、
トラヴェラーズ(ジプシー)から教わった伝承歌をアレンジして唄っており、
チェロやトランペットなどいろんな楽器を加え、現代風に変化させてます。
 
 「Ballad Of George Collins」の、どことなくダンサブルな要素や、
トランペットのオブリガードの意表をついた「On Yonder Hill」など
ハイ・クォリティなデビュー・アルバムでした。
カルメン・マキ 「アナザー・ウェイ」     2004
 
 「時には母のない子のように」でデビューしてから35周年を迎え、
2004年にはアコースティック・アルバムをリリースしました。
 
 
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 内容もトラッドの「The Water Is Wide」、ジョン・マークの「Monday Bluesong」、
浅川マキさんの「かもめ」、西岡恭蔵の「アフリカの月」なども取り上げています。
 
 中でもワタシが昔から大ファンでもあるマーク&アーモンドの「Monday Bluesong」を
カヴァーしてくれたのには驚き!!
オリジナルはマーク&アーモンドの73年の3rdアルバム「RISING」に収録で、
ジョニー・アーモンドのマルチ・ホーンをフィーチャーしたイントロが印象的な
ジャジーな曲でした。この曲をカヴァーするのは世界広しと言えども、
マキさんだけでしょう。マキさんの意向なのか、
編曲SALAMANDREとなってますので、鬼怒無月さんのアイデアなのかは
わかりませんが、ジョニー・アーモンドのホーンによるイントロを
アコギとエレキ・ヴァイオリンで再現しています。
本来ならばジョン・マークのウィスパリング・ヴォイスによるヴォーカルが
続くわけですが、マキさんもその雰囲気を上手く表現しています。
もうこれだけでもワタシにとっては聴く価値充分です。
朝崎郁恵 「かなしゃ愛のうた」     2012
 
 『いくえ母さんの新しい世界
それは、昨日の、今日の、明日の子どもたちに贈る子守唄
夢をみること、命をつなぐこと、愛をしんじること
お母さんの歌からそんなことを想った
ありげてさまりょうた・・・Ua』
 
 
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 子守唄や童謡として唄われた奄美の島唄を中心に構成されてます。
中には宮沢賢治作の「星めぐりの唄」や島唄~アメリカ民謡、
島唄~アイルランド民謡などの趣向を凝らしたメドレーなども
全く違和感なし。
 
 「菜の花畑に 入日薄れ...」でお馴染みの「おぼろ月夜」、
郁恵さんの微妙な音程のずらし方がもたらす浮遊感みたいなのが魅力です。
また三線ではなくバンジョーをバックに唄った奄美の島唄「いきゃびき」も
意外性を含んだアイデア賞モノでしょう。
 
 また郁恵さんの持ち歌「おぼくり」と「えーうみ」にサンドイッチされた
「Aiあふれて」はメンバーが作ったアコギ弾き語りの曲なんですが、
後半、この「Aiあふれて」と郁恵さんの「えーうみ」が
見事に重なって行く様はまさに「平成の相聞歌」と言えるでしょう。
そしてアカペラで唄われることが多い島唄「千鳥浜」を
アコギとブルース・ハープの伴奏で唄ってるのも新鮮です。
 
 その他「竹田の子守唄」や「赤とんぼ」、「ゆりかごの歌」など、
日本に生まれた人間にはたいへん聴き覚えのある唄も披露してくれてます。
「ゆりかごのうたを カナリヤがうたうよ
ねんねこ ねんねこ ねんねこよ」の「ゆりかごの歌」は
ワタシの長男が生まれたときに天井から吊るメリーゴーラウンドのメロディでした。
このメロディを聴きながら長男は眠ったのを思い出します。
 
 齢78歳にして、このチャレンジ精神にはまったく頭が下がりますぜ!
JAJAJAH ALL STARS
「SINGS JAPANESE SONGS VOL.2」
1993
 
 『ニッポンのうたごころ、レゲエで甦る。
ジャマイカ発、"平成レゲエ歌唱使節団" 直行便第2弾!!』
 
 
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収録曲は
 君といつまでも
 愛のさざなみ
 川の流れのように
 ちょっと待って下さい
 サボテンの花
 夢先案内人
 神田川
 上を向いて歩こう
 YA-YA-YA
 時の流れに身をまかせ
 涙くんさよなら
 Won’t Be Long
 
 ジャマイカ、キングストンのLAB STUDIOでレコーディングされてます。
ま、日本の企画だと思うんですが、「君といつまでも」「神田川」
「時の流れに身をまかせ」の3曲は日本語で上手に唄われており、
あとの曲はすべて英語です。
 
 レゲエのリズムで唄われてるんですが、
「川の流れのように」「時の流れに身をまかせ」のようなユルい曲から
「YA-YA-YA」「Won't Be Long」のようなアップテンポの曲まで
レゲエ・アレンジで違和感無いこともないのですが...。
 
 テリー・ジョンスンというヒトの裸のイラスト・ジャケ、ちょっとハズいよね。
裏ジャケは男女とも服着てるんだけど、もっとハズいよね。(笑)
 先日、スタッドレスタイヤからノーマルタイヤへ取り替える際、
ノーマルタイヤの溝が減ってたので、買い換えました。
 
 以前履いてたのは195/65-15という純正サイズ。
今回購入したのは205/55-16というインチアップサイズで、
ホイールが一回り大きくなります。
扁平率が小さくなるので、ホイールが大きくなっても
タイヤ自体の外径はほぼ同じです。
ただタイヤ幅は大きくなる、すなわち接地面積が広くなるということです。
 
 
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 タイヤ外径を保つ、という意味では215/45-17という選択肢もあったけど
乗り心地や燃費などを重視して1インチupに留めた次第です。
 
 インプレッションとしては、扁平率が小さくなり幅も広がった結果、
ゴツゴツ感があり、発進時の最初の蹴りだしがちょっと鈍いよう。
ま、想定内ですわ。
 
 ちなみに16インチ・ホイールはアヴェンシスのを頂きました。
15インチホイールは6Jでしたがこの16インチは7J、
オフセットの関係で、ハミダシも内部干渉も一切なし。
 
 さて、このニュータイヤで次男夫婦に誕生した子供に会いに行ってきますわ。
往復600kmあまり。日帰りはちょっときついけど頑張るちゃ。
THE BEATLES  「LET IT BE...NAKED」      1969
 
 日本で出たのはたしかCCCD(コピーコントロールCD)でしたっけ。
ワタシのは英盤なので普通のCD仕様でした。
LP「LET IT BE」を耳にしたのはもう40年以上も前のことでした。
今、CDで聴くと「LPはもっとモコモコしてたかなぁ」と想い出します。
 
 なんでもポールはフィル・スペクターのプロデュースが気に入らなくて、
リンゴ、ジョージ、ヨーコの同意を得て、2003年にあえて「裸」にしたとか。
 
 
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 永年聴きなれた「LET IT BE」、楽器のバランス等、
最初はちょっと違和感があったけど、ドラムスやベースの音が粒だってるというか、
すべてがクリアになり、これまた慣れるといいもんですぜ。
 
 一番顕著なのは「The Long And Winding Road」なんだけど、
スペクターのアレンジをまったく排除した、というかまったく別のヴァージョン。
唄い方も所々違うしね。
 
 「Let It Be」のギター・ソロなんかも聴きなれたLPヴァージョンや
シングル・ヴァージョンとも違い、ちょっと戸惑っちゃいますよ。(笑)
 
 「裸のレット・イット・ビー」なんてタイトルは、
いかにも「スペクター悪者説」みたいな感じだけど、
ワタシはやっぱり聴きなれたスペクターのが好きだな...。
V.A.
「GOIN' HOME~A TRIBUTE TO FATS DOMIO」 
2007
 
 正直、ファッツ・ドミノにはあまり触れることが無かったのですが、
このトリビュート、豪華な顔ぶれです。
ベン・ハーパー、Dr.ジョン、エルトン・ジョン、ノラ・ジョーンズ、
BBキング、レニー・クラヴィッツ、ポール・マカートニー、ウィリー・ネルスン、
トム・ペティ、ロバート・プラント、コリーヌ・ベイリィ・レイ、ジョス・ストーン、
ルシンダ・ウィリアムズ、ニール・ヤング等が新録で提供。
その他、ジョン・レノン、タジ・マハール、ボニー・レイット、ランディ・ニューマン、
ロビー・ロバートスン、ブルース・ホーンズビー、ハービー・ハンコック、
ロス・ロボスあたりのカヴァーも収録されてます。
 
 
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 もちろん、どれも素晴らしいけど、ダーティ・ダズン・ブラス・バンドに
ジョス・ストーンのヴォーカルとバディ・ガイのギターを加えた
「Every Night About This Time」がワイルド&ソウルフルで◎。
 
 ファッツ・ドミノ自身もカトリーナの被害を被っており、
そのあたりの救済や募金も含め、ニュー・オーリンズに所縁のあるヒトが
集まった企画でしょう。
CROSBY, NASH & YOUNG 
「THE SAN FRANCISCO BROADCAST」
1972
 
 グループ名を見て、あれ!?スティルスの名前が無い!?
ひょっとして、スティルス病欠?
じゃぁ誰かスティルス君の家に給食のパンとプリントを届けなきゃ...。
 
 
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 種明かしをしますと、1stアルバムのレコーディングを終えたばかりのC&N、
ラジオ局のコンサートに出演したところ、飛び入りで "Y" が参加した、
てな状況らしいですぜ。
だから前半はデュオでCS&N時代の曲やらソロの曲をプレイし、
中盤に "Y" が登場し、3人で「Teach Your Children」、
「Military Madness」、「Chicago」を、
後半は "Y" が「HARVEST」から4曲を披露する、といった格好です。
 「Wooden Ships」は、C&Nのニ声だけなのでハーモニーの厚みに欠けますが、
逆に "C" と "N" のソロ・ピースは申し分なく、
特に "C" の「All Along The Lee Shore」、「Almost Cut My Hair」、「Page 43」は
"C"好きのワタシとしては、こりゃたまりませんわ!
 
 さてお楽しみは "Y" が登場してからでしょう。
観客の拍手もC&Nの時とは比べ物にならないほど大きいです。
ちょうどアルバム「HARVEST」をリリースしたばかりの "Y"、
アルバムから「Harvest」「Heart Of Gold」「The Needle & The Damage Done」、
そしてちょっと前の「Only Love Can Break Your Heart」を唄いますが、
C&Nも上手くハーモニーをつけてくれてます。
 
 C&Nには気の毒だけど、"Y" の前座みたいな感じでしたね。
SANDY DENNY 
「LIKE AN OLD FASHIONED WALTZ」 
1973
 
 フェアポート~フォザリンゲイを渡り歩き、
再びフェアポートのツアーに同行した頃のアルバム(3枚目)。
 
 
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 フェアポート人脈の協力を得て、トラッド・スタイルの作品を作ると思いきや、
「Whispering Grass」や「Until The Real Thing Comes Along」のような
戦前のジャズ・スタイルの唄を聴かされると彼女の懐の深さを再認識させられます。
 
 全体的に弦や管を配し、オールド・タイムなアメリカン・ミュージックの香りを
演出しながら、しっとりと唄い上げる様は流石!です。
 
 アルバムのクレジットにはトレヴァー・ルーカス、ジェリー・ドナヒュー、
ディヴ・マタックス、ディヴ・ペグら、当時のフェアポートの人脈に加え、
リチャード・トンプスンの名前も挙がってますが、R.T.のギターは
どこにも見当たらない!?(聴き当らない)
 
 ストリングスが美しい3拍子のワルツ形式のタイトル曲、
ボートラではフェアポートのステージでのサンディのピアノ弾き語りが
収められています。78年に亡くなるわけですが、もし生きていれば、
このオールド・ファッション的な路線を進み、ジャジーなベクトルへ
向いてたかも知れませんね。