bornin先輩の記事を見て、自分も気付きました。
当ブログを開設したのが2005年5月26日なので
もはや8年が過ぎ、9年目に突入したんですね。
 
 初めて書いたのは 「テイラー一家」という記事でした。
 「テイラー・ファミリーの音源を時系列に聴きなおしました。
ジェイムスよりもある意味、ジェイムスらしいのは、やっぱりリビングストンでしたね。間違いない!」 といった簡潔なモノでした。
それ以来、音楽ネタのみのつまらないブログをせっせと書き続け、
気がつけば、当時のブログ仲間はほとんどリタイヤされたか、
引っ越しされたか...。
今じゃ、自分と同世代のヒトにしか興味を持って頂けないようで...。
ま、開設した時も、ヒトに読んでもらうのが目的ではなく、
あくまでも自分の備忘録的な意味合いだったので。
 
 ただ、当時に比べると、PCの電源を入れる頻度も少なくなり、
ましてや、書き込み頻度も激減、皆さまのブログを覗かせてもらう機会も激減!
これじゃ、あきまへんな。(反省!)
LINDA RONSTADT 
「CRY LIKE A RAINSTORM」      1989
 
 正式には LINDA RONSTADT featuring AARON NEVILLE、
タイトルも「CRY LIKE A RAINSTORM, HOWL LIKE THE WIND」となります。
全12曲中、4曲にアーロン・ネヴィルがヴォーカルで参加してます。
 
 
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 80年代のリンダと言えば、ネルスン・リドルとつるんだスタンダード3部作や
ドリー・パートンやエミルゥ・ハリスらとのカントリー・アルバムといった印象が
強いのですが、どっこい、80年代末にはこのようなポップ・アルバムも
リリースしちゃってるんですよね。それもアーロン・ネヴィルとデュエットしたり。
 
 実はワタシ的にはこのアーロン・ネヴィルのフニャフニャした唱法は
どうしても好きになれないのですが、アルバムで取り上げているのが
ジミー・ウェブだったり、エリック・カッズ、カーラ・ボノフ、
ポール・キャラックなどの作品で、おまけにアイザック・ヘイズの
「When Something Is Wrong With My Baby」なんかもやってくれて、
かなりご機嫌な選曲なんですよ。
 
 「ウ~」だけで存在感を示す「Adios」でのブライアン・ウィルスンも凄いし、
Oakland Interfaith Gospel Choir というゴスペル隊が加わった
タイトル曲や「So Right, So Wrong」あたりのスケールの大きさにも圧倒されます。
そして「When Something Is Wrong With My Baby」、この曲すごく好きなんだけど、
アーロンじゃなくても良かったな。例えばジョン・ハイアットとか...。
でもタワー・オブ・パワーやマイケル・ランドゥらが上手く盛り上げてくれてますよ。
LEONARD COHEN 
「SONGS FROM THE ROAD」 
2008-2009
 
 この時点でコーエンは70代後半ですよね。
今の日本でいうと、75歳を過ぎてもまだ創作活動を続け唄ってる加山雄三さん
みたい。
その御歳でなんとワールド・ツアー!?
フィンランド~スェーデン~ドイツ~英国~スコットランド~USA~カナダ~
イスラエル...
そんな氏のヴァイタリティに脱帽!!!
付属のDVD映像を観る限りでは、ちょっとお痩せになってますね。
 
 
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 呟くように淡々と唄う姿、音程はずれても気にしない、
そうです、このヒト、詩人なんですよね。
 
 お馴染み、「Suzanne」や「Famous Blue Raincoat」
そして圧巻はやはり「Hallelujah」でしょう。
どの曲も女性のコーラス隊が雰囲気を盛り上げています。
そしてもう一つ、キーボードで参加してるニール・ラーセン、
このヒトのゴスペル・タッチのオルガンが名曲「Hallelujah」で堪能できます。
間奏のオルガン、盛り上がること間違いなし!
笠井紀美子 「TOKYO SPECIAL」       1977
 
 『キミコはTOKYOに何を求めたのか?何をコミュニケイトしたいのか?』
 
 
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 笠井紀美子といえば、ジャズ・シンガーというイメージが強いですが、
本作は「AOR」というか、かなりポップ路線です。
曲は山下達郎や矢野顕子、メンバーの鈴木宏昌らが提供してますが、
詩は何故か全曲故・安井かずみ(御存じ、故・加藤和彦氏の奥方)、
まさに「安井かずみソング・ブック」と言ってもいいでしょう。
 
 A面はサラッと聴き流し、B面に移りましょう。
B-1「Tokyo Special」、本作中、一番のフュージョン・スタイル。
というか、当時はまだ「フュージョン」というコトバは無く
「クロスオーヴァー」という表現でしたね。
日野皓正のトランペットもシャープに響き、アーバンな雰囲気。
対するB-2「木もれ陽(Sequoia Forest)」はネイチャーな雰囲気、
ゆったりと唄い上げています。
 
 そしてB-4「待ってて・・・」は矢野顕子作。
矢野顕子は76年にアルバム「ジャパニーズ・ガール」でデビューしたばっかり。
矢野顕子サウンドらしい特徴のある曲。
これで歌詞が違い、唄い方が違うと完璧な矢野顕子。(当たり前だ!?)
 
 当時はここまでポップなアルバム作りにちょっとガッカリしたのを覚えてますが、
今聴くと、かなり良質なポップ感が満載の作品です。
THE 3 TENORS  「IN PARIS」       1998
 
 「まだ聴けてないCDたち」のダンボール箱をひっくり返してみました。
 
 ホセ・カレーラス、プラシド・ドミンゴ、ルチアノ・パヴァロッティの「3テノールズ」、
パリのエッフェル塔の前の「THE CHAMP DE MARS」という野外会場で
共演してます。
 
 
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 一人ずつソロを2巡(計6曲)、その後、3人でメドレー8曲、
再びソロを1曲ずつ、そしてまたメドレー7曲、という贅沢な構成です。
 
 この辺の音楽には疎いワタシではありますが、
パヴァロッティの「Caruso」にはただただ感激!
そして「Manha de Carnaval(カーニヴァルの朝)、
パヴァロッティの「Nessun Dorma(誰も寝てはならぬ)」、
「シューベルトのセレナーデ」なども好きです。
 
 ワタシ的には巨漢のパヴァロッティが一番好きですね。
90年のサッカーW杯伊大会で、ドミンゴとカレーラスを誘って
「3大テノール」を初めて訴求したのがこのパヴァロッティ氏で、
オペラファンを拡大し、またポップス界にも歩み寄り、
まさに氏の人柄と声量のなす技でしょう。
MILES DAVIS  「IN A SILENT WAY」       1969
 
 『衝撃の "ビッチェズ・ブリュー" の骨組みを成す問題作。
フュージョン・ミュージックのルーツを探る意味でも興味深い。』
 
 
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 73年のジョン・マクラフリン「火の鳥」を聴いて、
こんなウルトラバカテクのギタリストがマイルス・ディヴィスというヒトの
バンドにいた、ということを知り、買い求めたLPでした。
「火の鳥」ではバリバリ弾いてたのに、なんでこんなに静かなの?
と、当時は不思議に思ってました。(笑)
 
 A面の「Shhh / Peaceful」、トニーのハイハットのシンプルなロックビート、
キーボードは3台、コリア&ハンコックのエレピにザヴィヌルのオルガン、
そして控えめに弾くマクラフリン...。
そう言えば、マイルスもショーターもフレーズがきれいです。
キーボードに乗っかったメンバーはバトルもなく、かなりミステリアス。
 
 B面の「In A Silent Way / It's About That Time」、
エレピをバックに牧歌的な雰囲気を醸し出すマクラフリンのテーマ、
マイルス~ショーターへとテーマは受け継がれ、
A面のようなビートもまったく無く、静謐な中にも緊張感が。
一転、後半ではベースとドラムスのロックビート、
マクラフリンの短いフレーズが連続したソロ、
続くショーターのシンプルなソロ、そしてリズムがだんだん明確になり
マイルスの歌心溢れるソロに突入、リズムも変化します。
後半は「待ってました!」とばかりのトニーのドラミング復活。
最後は再び牧歌的な雰囲気で終わります。
 
 ワタシ的には電化マイルスの中では一番好きなアルバムで、
よく「ビッチェズ・ブリュー」の前段階と言われますが、
「ビッチェズ」とは別物のような気がしますが、どうでしょうか。
7日の火曜日、天気が良かったので、岩瀬方面へドライヴ。
 
連休明けということもあって街はひっそり。
 
カナル会館もひっそり。(笑)
 
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会館裏の運河のボート係留地です。
ワタシの舟もあります。(な~んてウソウソ!笑)
 
 
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そうこうしてるとポートラムがやってきました。
 
のどかな一日でした。
V.A.  「ユニコーン・トリビュート」     2007
 
 通称「ユニトリ」、ユニクロとニトリが合わさったような名前です。(笑)
民生クンがユニコーンでデビューしたのは1987年、
20周年記念として、「奥田民生カヴァーズ」と同時にリリースされました。
 
 
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 収録曲は
 東京スカパラダイス・オーケストラ / I'M A LOSER
 MONGOL800 / 大迷惑
 TRICERATOPS / ヒゲとボイン
 GRAPEVINE / ニッポンへ行くの巻
 真心ブラザーズ / エレジー
 DOPING PANDA / ターボ意味無し
 CHEMISTRY / 自転車泥棒
 PUSHIM / 珍しく寝覚めの良い木曜日
 つじあやの / ミルク
 吉井和哉 / 与える男
 フジファブリック / 開店休業
 星グランマニエと東京シュガー・ボーイズ(from 気志團)/ SUGAR BOY
 キャプテンストライダム / ペケペケ
 シュノーケル / おかしな2人
 SPARKS GO GO / ケダモノの嵐
 PUFFY / 働く男
 宮沢和史 in GANGA ZUMBA / すばらしい日々
 
 さて、「民生カヴァーズ」同様、知ってる曲も少ないし、
知ってるミュージシャンも少ない...。(笑)
でも気に入ったのは MONGOL800、このオキナワンな雰囲気、好きですねぇ。
あとDOPING PANDA、これ、なんか懐かしい感じがするねぇ。
ちょっと60年代のサイケな雰囲気も持ち合わせてるし。
そしてPUSHIM、原曲は未聴だけど、このレゲェ・アレンジ、いいねぇ。
 
 そしてDISC-2では吉井和哉、これも原曲知らないんだけど、
唄い方や雰囲気からして、民生クンそのまんまじゃない?違うかな?
フジファブリックもいいね。飄々とした唄い口が歌詞と合ってる感じ。
宮沢和史のまったりした唄い方は二胡の音色とマッチして
妙な雰囲気を醸し出してますよ。
 
 とにかく、ユニコーンの原曲を知らないもんでエラソーなこと言えないけど、
「民生カヴァーズ」と併せて結構楽しめるアルバムでした。
CHET ATKINS 
「Mr.GUITAR RCA/CBS YEARS」 
1947-1997
 
 1947~1983のRCA音源、1983~1997のCBS音源の
ベスト・セレクション企画の2CDです。
 
 
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 「ナッシュヴィル・サウンド」と一言で表現されますが、チェットが目指したモノは、
イージーリスニング・ポップとカントリーの融合だったと思われます。
 RCAの25曲は、クリーン・トーンで華麗に歌い上げるといった印象。
ムーディーにプレイする「Sleep Walk」、
レニー・ブロゥとのジャジーなデュオ「Polka Dots And Moonbeams」と
「Sweet Georgia Brown」、
ちょっぴりワイルドなギャロッピングの「I Got A Woman」、
ロック・フィーリングが前面に出た「Mystery Train」など
どれも金字塔的な名演ばかりです。
 
 一方、他人の為にプレイすることが多かったRCAからCBSに移籍し、
自分自身の為にプレイすることを誓ったCBSの20曲。
80年代中盤以降はジャズ界、ロック界のギタリスト達との共演も多く、
ジョージ・ベンスン、アール・クルー、スティーヴ・ルカサー、
ラリー・カールトン、マーク・ノップラーなどと共演した曲も
代表曲として配されています。
美しいバラード「Mountains Of Illinois」、
ロックぽい解釈の「Summertime」、
ジョージ・ベンスンのオクターブ奏法がジャジーな「Sunrise」、
ルカサーのディストーションとのコントラストが面白い「Please Stay Tuned」など
心機一転を目論んだチェットの執念みたいなものを感じさせる音源でした。
 よく「無人島へ持って行くアルバム」とかっていう例えがありますが、
「電気も通ってない無人島で、どうやってレコード聴くんだよぉ!」的な
非現実的な発想ではなく、誰もがいづれ訪れる死期に際して
「棺おけに入れて欲しいアルバム」・・・これも棺おけと共に燃やされてしまう、
「あの世に持って行くアルバム」・・・持って行くというだけの満足感でしかなく、
実際、あの世で聴けるわけでなし。
それでは「葬儀で流して欲しいアルバム」とか
「死期が近づいた時に枕元で聴きたいアルバム」とか、
いろんなこじつけを考えますが、
ここは素直に「あの世へ持って行くアルバム」ということで...。(笑)
 
 なお、アルバム・タイトルの前の番号は好きな順番とか、優先順位とかは関係なく、
ランダムに載せて行きたいと思います。

TEMPEST 「TEMPEST」     1973
 
 『コラシアムのジョン・ハイズマンがアラン・ホールズワースと結成したテンペスト。
'73年発表の衝撃のデビュー・アルバム!!』
 
 
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 さて、このテンペストというバンドを知ったのは
大学生の頃(75年か76年あたり?)よく聴いてたラジオ番組で、
ラジオ関東(だったと思う)の「BBC in LONDON」で、
テンペストのライヴ音源を聴いたのが始まりです。
小清水勇氏と和田誠氏がBBCの音源を紹介する番組で、
ZEPやYES、ピンク・フロイドなどの超大物バンドから
アトミック・ルースターやダリル・ウェイ&ウルフ、テンペストなどの
「通好み」のバンドまで紹介しちゃってました。
この音源はずっとブートで存在してたのですが、数年前に
テンペストの「1st」と「2nd」とBBC音源の「3in2」で
「UNDER THE BLOSSOM」というタイトルで公式にリリースされてます。
このライヴ音源は「1st」から「2nd」への過渡期のライヴで
ギタリストもアラン・ホールズワースからオリー・ハルソールへ交代する頃の
2人のギタリストがジョイントしてる、というちょっと贅沢なモノでした。
 
 そんなテンペストの「1st」アルバム、リーダーはドラムスのジョン・ハイズマン、
元々、グラハム・ボンドやジョージィ・フェイム、ジョン・メイオールあたりの
ブルーズ&ジャズ環境で腕を磨き、あの伝説のバンド、コロシアムを結成しました。
そのコロシアムを解散し、アラン・ホールズワース(g)、ポール・ウィリアムズ(vo)、
マーク・クラーク(b)を誘い結成したのがこのテンペストです。
次の「2nd」ではギターがオリー・ハルソールに交替し、
ロック色がかなり強まります。(というかジャズ色が薄まる)
ハイズマンは2ndの「眩暈」を出してテンペスト解散、
若き日のゲイリー・ムーアを誘いコロシアムⅡを結成。
ドラマーがリーダーのバンドだからどれも音は申し分なし。
 
 コロシアムの頃から知的でパワフルなドラミングのハイズマン、
超絶技巧のホールズワースが組んだんだから悪いはずないでしょう。(笑)
ちょっと暑苦しいけど力強いヴォーカルのポール・ウィリアムズ、
このヒト、「Old Fashioned Love Song」のポールではありません。(笑)
後にジューシー・ルーシーを結成するポール・ウィリアムズです。
ジューシー・ルーシーではブリティッシュ・ロックというよりは
逆にアメリカン・テイストな選曲で、オールマンズの「Midnight Rider」なんかも
カヴァーしてたなぁ。そういえば、そこのギタリストは
グレン・キャンベルていう、これまた同姓同名でしたよ。(笑)
 
 さてギリシャ神話に登場する(らしい)妖女ゴルゴン、
何でもその顔を見た男は石の塊に変えられてしまう...という
いかにもヨーロピアンな題材をモチーフにハードなロックを展開する「Gorgon」、
「Foyer's Of Fun」ではアランの正確無比な早弾きが聴けます。
メロディアスなイントロに導かれギターとベースのユニゾン・リフが特徴の
「Up And On」は一番好きなトラックで、ちょっとジャジーなギター・ソロがいい!
ホント、ホールズワースは音の選び方といい、上手いギタリストですよ。
でも彼がやりたかったことはテンペストのようなハード・ロックじゃなく
もっとジャジーなモノだったんじゃないかな。
ジェフ・ベックみたいなファースト・ソロ・アルバムを経て
だんだん独自の音世界を築き上げるホールズワース、
ゴードン・ベックとつるんだアコースティック物もいいですよ。
 
 後半の「Strangeher」「Upon Tomorrow」あたりも
カッコよく、美しく、そしてハードで...
まさにホールズワースの様式美みたいなものを感じさせるアルバムでした。

 さて次回の「あの世へ持って行くアルバム」は
「HUNGRY CHUCK」を予定しています。
いつになることやら...。(笑)