フロリダ・プロジェクト 真夏の魔法 | Let's watch a movie, shall we?

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2009.02.16~ Blog開始

原題:The Florida Project(2017年)


評価:★★★☆☆

【STORY】
家を失った6歳の少女ムーニー(ブルックリン・キンバリー・プリンス)と母親ヘイリー(ブリア・ヴィネイト)は、フロリダのウォルト・ディズニー・ワールド・リゾートの近くにあるモーテル「マジック・キャッスル」で生活している。周囲の大人たちが日々の暮らしに苦しむ一方、ムーニーは子供たちと無邪気に遊び、管理人のボビー(ウィレム・デフォー)は彼らを見守っていた。ところがある出来事を機に、ムーニーの日常は一変し……。(シネマトゥデイ)

【CAST】

ウィレム・デフォー

ブルックリン・キンバリー・プリンス

ブリア・ヴィネイト

ヴァレリア・コット

クリストファー・リヴェラ

 

etc,,,

 

全編iPhoneで撮影した『タンジェリン』などのショーン・ベイカーが監督・脚本を務めた人間ドラマ。

 

本作は2008年に発生したサブプライム住宅ローン危機の余波に苦しむ貧困層の人々を6歳の主人公の視点から描写した作品。

 

 

サブプライムローンとは、ローンの信用度が劣る低所得者層を対象とする住宅ローン。一般の住宅ローンよりも金利が高めに設定されており、その分審査基準が緩和されている。 しかし、住宅ローンの延滞率を高め、米国のGDPを押し下げ、結果的に住宅関連の会社や金融機関中心に株価を大幅に下落させる事態が起きた。

 

主人公を子役のブルックリン・キンバリー・プリンスが演じ、母親役にベイカー監督がインスタグラムで発掘したブリア・ヴィネイトを抜てき。モーテルの管理人を演じたウィレム・デフォーは、第90回アカデミー賞助演男優賞にノミネートされた。

 

タイトルの「フロリダ・プロジェクト」とは、ディズニー・ワールドの開発段階における名称。

 

 

一泊としてはまぁ安価なモーテルだけど、そこを居住地にするってなると毎日支払いが生じるわけだから割高だよね。でも実際こういう人いるんだろうな。まとまった収入や信頼がないと部屋って借りられないし、日本でも定住場所を持たないネカフェ難民なんて言葉があるくらいですし。

 

映画は日常を映し出しているだけなので派手さはないし淡々とした感じですが、色合いのポップさと内容の重さの差がずっしりくる映画でした。主人公たちが生活するフロリダ、すぐ近くは夢の国ディズニーランドがあって夢のある華やかな場所なイメージがあるけど、そんなイメージとは対照的に生活に苦しんでいる人がいるなんてね。ロサンゼルスに留学してたときにホームレスの多さに驚いたのをよく覚えています。

 

最後のムーニーのお友達に別れを告げる泣きの演技はすごかった。逃げても遠くへは行けないしどうすることもできないけど、夢の国に逃げ込んだラストがなんか切ない終わり。親子を引き裂くものだとしても手を差し伸べてくれる児童支援の人が来てくれてよかったと思う。こういう現実が華やかに見えるもののすぐそばにあるんだと現実叩きつけられました。

 


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