トゥルーマン・ショー | Let's watch a movie, shall we?

Let's watch a movie, shall we?

外国映画専門
映画は娯楽のみにあらず

感じることは人それぞれ、それって素晴らしい

2009.02.16~ Blog開始

原題:The Truman Show(1998年)

評価:★★★★★
【STORY】
典型的なアメリカ市民・トゥルーマン。だが彼の暮らす環境は、どことなく不自然だ。それもそのはず、実は彼の人生は、隠しカメラによってTV番組「トゥルーマン・ショー」として世界中に放送されていたのだ!家族や友人を含めたこれまでの人生が全てフィクションだったと知った彼は、現実の世界への脱出を決意する…。メディアによって作られた人生の悲喜劇に、見事なリアリティを与えているジム・キャリーの熱演が光る傑作コメディ。(allcinema ONLINE)

【CAST】
ジム・キャリー
エド・ハリス
ローラ・リニー
ノア・エメリッヒ
ナターシャ・マケルホーン
ホーランド・テイラー

etc,,,

プロットは1959年のフィリップ・K・ディックの小説『時は乱れて』(Time Out of Joint)からいくつもアイデアを拝借しているとされる。


当初は脚本を書いたアンドリュー・ニコルが監督する予定であった。しかし、1200万ドルという巨額のギャラのジム・キャリーが主演することになったため、当時まだ『ガタカ 』1作しか監督経験がなかったニコルは外され、ピーター・ウィアーが監督として雇われた。

第56回ゴールデングローブ賞では、男優賞(ジム・キャリー) 助演男優賞(エド・ハリス) 音楽賞(フィリップ・グラス、ブルクハルト・ダルウィッツ)を受賞。

ジム・キャリーの映画で見たことないけど観たいものはまだまだいっぱい。彼が出演している映画っていつも開始直後から心を掴まれるようなものが多い気がする。


知らなかったのだけど、トゥルーマン・ショー妄想(The Truman Show delusion)という症状があるそうで。自分の人生がやらせのリアリティ風番組(リアリティショー)である、あるいは自分の生活がカメラを通して視聴されていると信じる妄想の一種。非公式には トゥルーマン症候群(英: Truman syndrome)としても知られるとのこと。2008年に精神科医ジョエル・ゴールドと神経哲学者イアン・ゴールドの兄弟によって考案されたそうで、でもそう感じる人確かにいそう・・・。

全部が作られた世界で地上波で放送されている(日本にも放送されてる描写があってビックリ)という設定なんだけど、彼が暮らす日常での違和感を観てる観客にも何か変だなって思わせる表現の仕方がうまい。急にCMみたいに話してみたり、仕組まれたかのように動く周りの人とか。

どうやって外の世界と接点を失くしてるのかと思ったらドームの中って!セリフから天候までも操り、徹底して創り込まれた世界はもはや恐ろしい。


怖かったはずの水、海を渡って別の世界に行こうとしたら空だと思っていた壁にぶつかって。自分だったらもう頭おかしくなる。自分の信じた世界は真実ではなかったわけだけどそれでも着実に階段を上る場面は美しかったです。

「頭の中にカメラはない」っていうセリフが突き刺さる。なにを思ってなにを感じるかは操れないし個人のもの。放送が終了してすぐに別の番組を見ようと言った場面は、相手の人生までも脅かしたのに何も感じずにすぐに忘れていくいじめのような恐ろしさを感じました。

ただ疑問に思ったり興味を持つ探究心というのはいくら周りが抑制しようとしても抑えられないのよね。唐突な終わりでその後が気になっちゃうけど、面白かったです。


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