このお店は老舗のフレンチレストランでカスレ協会会長のアンドレ・パッション氏がオーナーシェフをされている。
2024年今年、カスレの世界大会でNo.1になられたようだ。
店内には薪がくべられた立派な暖炉があり、パチパチと音を立てて炎が揺れている。
私は最初にシャンパーニュをお願いした。
アミューズブッシュはムースとソーモンをパイで巻いたものだったが、小気味よく美味しい。
前菜は、ブイヤベースのテリーヌと
丹波黒鶏のバロティーヌ、マディラワインのジュレ添えだった。
ブイヤベースのテリーヌに添えてあるソースなど正にアイオリソースである。
フランス臭く実に心憎いテリーヌだった。
メインのカスレに合わせてラングドックのモンペイルラボーをお願いした。
この赤ワインは濃くて深みがあり美味しい。
カスレの前にレンズ豆のポタージュが出されたが、これが滑らかですこぶる美味しかった。
そして、世界大会で優勝したパッションのスペシャリテ、カスレのお出ましである。
カソールという名の容器から取り分けてくれたものを早速いただいてみる。
豚肩肉、鵞鳥の脂、鴨のコンフィ、トゥールズソーセージ、白インゲン豆が軟らかく煮込まれている。
ラングドック地方のカストノーダリ、カルカッソンヌ、トゥールズの3地域のいいとこ取りをしたカスレのようだが、基本はカストノーダリのものをベースにしたものだろうか。
とにかく猛烈に美味しかった。
カスレを食べ切った後に、チーズワゴンが運ばれてきた。
こうなったらフランス人が吟味したチーズをいただかないわけにはいくまい。
エポワス、大きなマンステールを切り分けたもの、自家製のカマンベールのアイスクリームを取り分けてもらった。
これらのチーズには、別にシャビーのピノノワールを合わせてみた。
チーズと赤ワインとの相性はこの上なく良かった。
特にカマンベールのアイスクリームは素晴らしいの一言に尽きる。
続いて、デザートワゴンが運ばれてきた。
パリブレスト、シブースト、ムース・ショコラ、
苺のタルト、チーズスフレ、マンゴーのアイスクリームをワゴンから選択し、おもむろにいただいてみた。
パリブレスト以外はなかなかエスプリが効いていて美味しかったのである。
最後に、コーヒーとミニャルディーズを味わった。
レストランパッションは、サービスも温かくて良かった。
アンドレシェフも時折現れて声をかけてくれた。
あたかもフランスにいるかのように思わせてくれるレストランパッションは雰囲気も含めすこぶる良かったのだ。