緑庵の上生菓子 | ジャン=ピエールの霧の中の原風景

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こだわりの食とお酒を味わった思い出や情報を綴ります。

元田中方面に来たのは浄土寺近くにある御菓子司緑庵で予約した和菓子を買うためだった。



本当は、きんとんが食べたかったのだが、7・8月の夏場だけ作っていないという。

マスコミや京菓子通の中でもあまり知られていないが、京都の現代の名工にご主人が最近なったらしい。

確かに見本の和菓子を見てみるといかにも美味しそうだ。



ホテルに帰って包みを開ける。



最初は、葛焼きと瓢箪型で道明寺粉を使った和菓子をいただいた。



これは、普通ではない美味しさである。

餡は旨いし、葛や錦玉のような部分がよくできている。



次は、大文字をぼかして表現した水饅頭のようなお菓子、黒糖羮、水羊羹である。



どれも堂々とした造りで、匠の技が凄い。



黒糖羮は黒糖を使って綺麗な甘みを作り上げている。



水羊羹は口に含むとスーッと消えていって、果物のような小豆の香りだけが残っていく。



水饅頭のような和菓子は餡が兎に角美味しい。

漉し餡の色も実に美味しそうな色合いだ。

大文字の色をぼかしたセンスも見事だ。



緑庵の上生菓子は素晴らしかったのだ。

最近の京菓子の世界では、嘯月だけではなく、紫野源水や緑庵という素晴らしい和菓子店も台頭していると思う。