いづ源の小鯛と穴子の小袖寿司と鯖寿司を | ジャン=ピエールの霧の中の原風景

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こだわりの食とお酒を味わった思い出や情報を綴ります。

いづ重はただいま改装のため休業中だし、いづうはふらっと夜に立ち寄るには敷居が高い。
そうなるとホテルからも近く、気軽に美味しい京寿司を食べるならいづ源しかない。



暖簾を潜るとお話し好きで、いかにも育ちが良さそうな女将さんに迎え入れられる。



食べたいものを伝えたら、それなら小鯛と穴子の小袖寿司と鯖寿司を一人前ずつに盛り合わせてお出ししましょかと言ってくれた。

祇園周辺での育ちなのだろう。

どすという語尾を上手に自然に使われる。

さて、寿司ができあがった。

ご主人は生え抜きの京都人の前で寿司の講師をされるくらいの実力の持ち主だ。



小鯛の小袖寿司はしっとりとして軽い。

隠された木の芽がふうわりとした感じをよけい演出する。

穴子は軟らかいがカチッとしていている。

程よい弾力のその小袖寿司は酢飯と一体となって口の中でほどけていく。



鯖寿司は身の厚い上等な鯖が心地よい。

鯖と飯と酢の絶妙な馴染ませ方が心憎い。



その日も女将さんとたくさんの甘いものの話をした。

女将さんもかさぎ屋の大仏の頭のような粒餡が食べたいようだ。