仙場ほうとう | ジャン=ピエールの霧の中の原風景

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こだわりの食とお酒を味わった思い出や情報を綴ります。

私はほうとうには思い出がある。
今はなくなってしまったようだが、随分と昔河口湖近くのスバルライン沿いに水晶というほうとう専門店があった。
この店のほうとうは手打ちの饂飩というか麺がとても美味しかった。
スープもしみじみと美味しい味噌味でバランスがよく、決して南瓜だらけのほうとうなどではなかった。
何回か通ううちあまりに美味しいので、ダメで元々と思いながらも、両親に食べさせたいのでテイクアウトはできないかとお願いしたことがある。
生のほうとうなので切ったものは味が落ちるからと、ほうとうの麺の元となる塊とのし棒を渡されて持っていきなと親父さんに言ってもらったことがある。
実家に帰ってのし棒でのして作ったほうとうの美味しかったことは今でも忘れられない。
そんなわけでそれ以来水晶以外のほうとうを本当に美味しいと思ったことがないのである。
小作のほうとうを一度食べたことがあるが南瓜だらけで美味しく感じなかった。
他の店だとやはり麺が機械打ちのようで、のっぺりザラザラとした麺にはあまり食指が動かない。
そんな中、セレオのレストラン街に吉田うどんが食べられるお店があると聞いて訪れれてみたが、昼休憩時間で食べることができなかった。


どうしようと途方に暮れていたら、近くに寿司割烹のお店があり、店頭に山梨一出汁の美味しい仙場ほうとうと書いてあった。
写真を見るとそれ程南瓜南瓜していなくていい感じである。
でも、麺がきっと機械打ちだろうなあと思いながらも甲府最後の食事はここのほうとうにすることにした。


ほうとうなので当然できあがるのに時間はかかる。


できあがった熱々の鍋の中のほうとうを食べてみる。
やはり麺は機械打ちだ。
でも、出汁が鰹節が効いていてかなり美味しい。
具のバランスもとてもいい。


水晶とはまた違うが確かに美味しいほうとうだった。
次回甲府に来た時は、ちよだでほうとうを食べてみたい。
ちよだの麺は水晶に負けず劣らず美味しかったからである。