新宿中村屋のチキンカリーとコールマンカリー | ジャン=ピエールの霧の中の原風景

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こだわりの食とお酒を味わった思い出や情報を綴ります。

新宿中村屋にチキンカリーを食べにいく。
まずは、ここでしか飲んだことがない一番搾りプレミアの生を飲る。


ソーセージの盛り合わせも頼み、美味しい純粋なモルツビールとの相性を楽しむ。


そして、一番のお待ちかね中村屋純印度式カリーの登場である。


中村屋創業者の娘の婿インドの革命の士ボース氏によって作られたこの恋と革命のインドカリーはこだわりの味わいである。
淡路産の玉ねぎ大玉を一個丸ごと飴色になるまでバターで炒めソースに溶けこませている。
ちなみに印度式のカリーソースに小麦粉は使っていない。
カリーソースの秘訣はブイヨンと秘伝の菌を使った自家製ヨーグルトにある。
そして、二十数種のスパイスを使ったカリーソースは口の中に入れると最初はまろやかだが食べた後はスパイスが複雑に絡み合った独特の深みのある辛みが口の中で広がっていく。
さらに鶏肉は中村屋の契約農家で飼育されたものを使い、カリーソースをかけるとソースが染み渡りパラパラ感とモチモチ感のあるこだわりの白米をともに提供している。
最後にスパイスの香りを引き立たせるためにサーブするタイミングにもこだわり熱々の状態で持ってきてくれるのも嬉しい限りだ。


純印度式チキンカリーともう一つコールマンカリーもお願いした。
コールマンカリーはトマトが入っている分マイルドといえばマイルドだが、今回は前回の時よりもずっしりとしたバターの風味が弱くトマトの酸味が少し気になった。
今回はチキンカリーの方が美味しく感じられた。


中村屋の夕餉はこれだけでは終わらず、デザートにまで手を広げる。
一つはソフトクリーム総合メーカー日世が威信をかけて作ったプレミアム生クリームソフト、クレミアを使ったプリンアラモードである。
プリンは普通のカスタードプリンではなくドライフルーツの入ったパンプディングのようなもので表面には一般的なカラメルソースではなく、ビターなオレンジマーマーレードが塗られている。
これは、スコットランドの伝統的な家庭料理マーマーレード&ウィスキーブレッドアンドバタープディングやウィスキーティータイムケーキを元に作られたのではないだろうか。


この洋酒が効き苦み走った大人のイギリス風のプディングは個人的にはノスタルジックで好きである。
しかし、カスタードプリンしか知らない若い女性などには全く受け入れられない味わいではないかと感じた。


もう一つのデザートは確かマンゴープリンを頼んだと思うが、濃厚なマンゴーのソルベが自家製杏仁豆腐の上に載せられた個性的なものだったがなかなかの味わいだった。


老舗の味を静かに懐かしい気持で味わうには最高のお店となろう。