伏見の本店には行ったことはあるが、京都木屋町通りにある鳥せいには初めて訪れることになった。
店内のカウンターの前に座り、食べるものを決める。
鳥せい本店とは微妙にメニュー内容が違う。
黒糖焼酎龍宮を頼み焼き鳥を色々頼んでみる。
お通しが出てきた。
お通しはお揚げと水菜の炊いたん、大盛りポテトサラダである。
お揚げと水菜の炊いたんはかなり美味しく、
ポテトサラダは大盛りすぎて笑ってしまう。
まずは京赤地鶏と心残りである。
京赤地鶏は旨みがあって昔のかしわの味がする。
心残りは肝と心臓のつなぎ目のところである。
独特の風味と食感が楽しめる。
これもかなり美味しかった。
京都で焼き鳥を食べる時は皿の上に山椒と七味を別々に置いて好みでつけ分けて食べる。
次は砂ずりとせせりであった。
特にせせりは味が深く複雑な風味も感じられてかなり美味しかった。
皮、
背肝(腎臓)と三角(ぼんぼち)も食べた。
皮も三角もこのお店はカリッと焼きあげるのがかなり上手である。
鳥せい本店よりも一ランク以上上の味わいであった。
背肝も通好みの美味しい焼き鳥である。
臭みはなく硬くもない。
いい風味だけが口の中に残った。
美味しいものはこれだけではなかった。
一番美味しく驚いたのは、鶏手羽唐揚げである。
形は東京銀座田中屋の鶏手羽の焼き鳥に似ている。
この唐揚げは小さな骨を持って二つに引き割いて食べる。
気をつけないと中が熱々で口の中を火傷するのでご注意あれ。
こんな美味しい唐揚げは初めて食べたのである。
そしてお腹は一杯になりつつあったのだが、直感で親子丼がどうしても食べたくなったのである。
とり清名物鳥スープと一緒に
出てきた親子丼もすこぶる美味しかった。
玉子が濃厚で味つけがしっかりとしていた。
かしわも美味しい。
嬉しいことに濃いオレンジの黄身も載っているではないか。
夢中で食べ進める私であった。
そして、これも勘が働いて豆腐のブラン・マンジェも頼んでしまった。
出てきたブラン・マンジェは豆腐特有の豆の青臭さは全くなく生クリーム以上にクリーミィに感じた。
これは皆びっくりするだろう。
ベテランの焼き手がしっかりと仕事をしている。
ここは想像以上にびっくりする程美味しいお店だったのである。