志むらの生いちごかき氷 | ジャン=ピエールの霧の中の原風景

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こだわりの食とお酒を味わった思い出や情報を綴ります。

およそ八ヶ月待ったことになる。
目白志むらのかき氷は凄いと聞かされたのが、去年の9月になってからであった。
何が凄いかよくわからなかったが、友人のその興奮度からしてかなりのものだと想像できる。
その日は、志むらの目の前の田中屋でカルヴァドス・ぺイ・ドージュ、ロジェ・グルーのドイヤン・ダージュやダルビオのムルソーを買ったあとで両手にかなりの荷物を持っていた。
車に乗る前に、暑いこともあり志むらでそのかき氷を食べることにしたのである。
メニューを見ると何種類かのかき氷があったが、凄そうなのは、生いちごと杏子と小倉宇治金時であった。
他のお店にはない独創性と生という言葉に惹かれて、私は生いちごのかき氷を頼んでみた。
届いたかき氷を見て私は心の中で「おおー」

…本当のことを言うと「どひゃー」と叫んでいた。
断崖絶壁の巨大なかき氷のてっぺんから生いちごソースが見事に滝壺へ流れこんでいる。


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この人の心をグッと掴むフォルムは素晴らしかった。

突然正しい食べ方が頭に浮かんだ。
まずは生いちごソースに沿ってスプーンをすべらし食べていく。


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食べ終わって、一面銀世界になったら、頂上から少しずつ雪を削り滝壺の生いちごソースにつけて食べるのである。

この作戦はうまくいった。

雪をひとかけらも落とすことなく、雪の山は小さくなり


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理想の形態に落ち着いた。


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最初からシャクシャクやってこの状態にしてしまう方がいるが、過程を味わえないと少し悲しい。
さて、味の方であるが抜群であった。
氷そのものは純氷を使っているので味もいいし、なかなか溶けない。
生いちごソースはフランスの上等な作りたて苺のコンフィチュールのようであった。

濃厚だし、香り高いし、生の瞬間コンフィチュール状態の生苺もたくさん入っていた。
次回、杏子や小倉宇治金時を食べられる日が早くも待ち遠しい。