リエットとドフィノワとクスクス | ジャン=ピエールの霧の中の原風景

ジャン=ピエールの霧の中の原風景

こだわりの食とお酒を味わった思い出や情報を綴ります。

野方で通りかかって少し気にかかっていたビストロくさいフランス料理店ラ・ポム・ド・パンを訪れた。
外に掲げてあるメニューを見て頼むものは決めていた。
無菌豚のリエットとグラタン・ドフィノワと子羊のクスクスである。
ワインは最初にカヴァを頼んだ。

無菌豚のリエットとオリーブがテーブルの上に置かれた。
可愛らしいバスケットの中に入ったパンも添えられている。


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パンにたっぷりリエットを塗って食べてみる。
旨みはあるがすっきりしていて食べやすい。
オリーブも何種類もオイル漬けになっているものが小さな器にたくさん入っていた。
がっしりと鷲づかみされた感じの強いインパクトはないが静かに食事が始まった。
グラタン・ドフィノワは生クリームとジャガイモとチーズを使ったビストロでつけ合わせでもよく出される定番料理である。


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焼きたてのチーズとバターが上り立つ香りが大好きなのだが、このお店のグラタン・ドフィノワにはそれがなかった。
冷めてくるとそれなりに美味しいのだが、サラマンドルにしてオーブンがすぐ出された焼きたては焼き魚のような焦げた匂いしかしなかった。
チーズの問題だろうか。
ある関西の腕利きが作るグラタン・ドフィノワはグリュエールチーズを使わなくてもいいチーズの香りが上り立ちたいへん幸せな気持ちにさせてくれるが、この香りがないと喜びも半減である。
さて、気を取り直してワインはシラーたっぷりの南仏の赤ワインにする。


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メインの子羊のクスクスのおでましだ。


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クスクスが入った大きなお皿と一緒にハリッサが出てきた。
クスクスにはこの辛みペーストがないとダメである。

チューブごと出してくるのも飾り気がなくて好感が持てた。


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マダムだろうか、女性スタッフも先程のシラーの赤ワインとこのハリッサに目がないと嬉しそうに話しかけてくれた。
ところで、クスクスだが、もの凄い量である。
子羊肉の塊が4切れと鶏の手羽先が2本、ソーセージが2本、それにたっぷり過ぎる野菜とひよこ豆とクスクスである。
それもクスクスが時が経つにつれお腹の中でどんどん膨れていく感じがする。
途中で本当にお腹が一杯でギブアップしそうになったが素朴な味わいで美味しいし、残すわけにはいくまいと思い根性で完食した。
最初はデセールでスリジェのクラフティかクレーム・キャラメルのどちらにしようか悩んでいたが、そんな余裕は全くなくなった。
次回は食べる量を考えリベンジしたい。
このお店の料理はソルボンヌ大学の学食のような雰囲気を感じさせる気取らず美味しい料理だった。
肩の力を抜いたフランスの食堂料理が食べたい方はお試しあれ。