フランス・マグレ鴨の鴨せいろ | ジャン=ピエールの霧の中の原風景

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こだわりの食とお酒を味わった思い出や情報を綴ります。

去年の夏、西武池袋線東長崎駅北口駅前ドンナを右折して直進しローソンを左折したところに大人の蕎麦屋ができた。

店の名を吉喜多という。

気になって行こうと思っていたらしばらくの間閉まっていた。

この間店の前を通りがかったら営業していたので入ってみることにした。


大人の蕎麦屋ということは、酒が楽しめ丼物がないお店である。

カウンターにすわり、まずは玉子焼きと冷酒を頼んだ。


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冷酒は神亀の純米にした。


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お通しのあとにしゃもじに塗られた焼き味噌をサービスで出してくれた。


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胡桃が効いていて香ばしくてとても美味しい。

玉子焼きも出汁をしっかりと含んだタイプで神亀に合う。


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実は気になっていたのは棒鰊と鴨であった。

店内の張り紙を見てみるとフランス産鴨とある。

フランス産鴨ってシャランとかマグレですかと尋ねたら、マグレ鴨を使っているという。

以前フレンチのシェフで蕎麦屋を始めた友人の紹介で手に入るらしい。

シャランよりもマグレの方が蕎麦に使うには脂の質等で合うようだ。

かなりこだわっている。

なんか棒鰊も美味しそうである。

棒鰊のことも聞いてみた。

たくさん食べ比べてみたがある料亭が作る棒鰊がとてつもなく美味しいので、その味に惚れこみ特別にそのお店から仕入れているらしい。

相当原価がかかるでしょうと尋ねたらご主人ははいと頷いていた。

うーん。

今しがた食事を済ませた後なので両方は無理である。

悩んだ末、今回は鴨せいろを頼むことにした。


出てきた鴨汁の中のマグレ鴨はピンク色で美しい。


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旨みがあってそんじょそこらの合鴨とはレベルが違いすぎる。

蕎麦はコシや香りはそれほど強くないが優しい味わいである。


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この鴨汁は美味しかった。


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これが1000円少しなら安いではないか。


後で聞いたらご主人が腰を悪くしてやむなく休んでいたらしい。

まだ客はそれほど集まっていないが大人の蕎麦屋を東長崎に出したかったというご主人の気持ちを貫き通してほしい。

次回は何としても鰊蕎麦を食べねばと思いながら店を後にした私であった。