夜セビアンに行った。
チキンカレーは予め決めていたが、他の料理はメニューを見て決める。
本日のお薦めのメニューから鰻のソテー・バスク豚のラルド添え・焼き茄子ソースと自家製ローストビーフを選んでみた。
自家製パンもお願いする。
鰻は筒切りではなく、そぎ切りのものがソテーされ、その上にカリッと炒められたラルドが載せてある。
それをフランスではキャビア・ド・オーベルジーヌ(貧乏人のキャビア) と呼ばれる焼き茄子のペーストにつけて食べた。
キャビア・ド・オーベルジーヌはクリーミィで品よく仕上げてあり、ラルドで脂分を加え少し癖を残した鰻によく合っていて美味しかった。
この癖がプロヴァンスのしっかりとした赤ワインによく合ってしまう。
ローストビーフは見るからに美味しそうである。
レフォール(西洋ワサビ)を添え、真面目に丁寧に作られたグレイビーをかけて食べる。
上質なイチボで作られたローストビーフの味は最高だった。
この料理と赤ワインとのマリアージュはいわずもがなである。
最後にいつもの絶品セビアンチキンカレーを食べる。
いつものより若干色が濃く私好みである。
しみじみと美味しい。
料理を堪能した後は楽しみなデセールである。
みめ麗しいイチジクと苺のタルトにする。
このお店のタルトはシンプルなタルト生地に濃厚なクレーム・パティシエールと果実がこれでもかと載せられている立派なものである。
いつもながらたいへん美味しい。
添えられているイチジクやバレンシアオレンジの薄切りチップの味わいも素晴らしい。
特にオレンジは酸味が爽やかで凛としている。
最後のデセールのために赤ワインを少し残しておいたがこれも最高の相性であった。
余韻を味わいながら店を後にした。
頬を撫でる夜風が心地よかった。