バー・クーゲルでの祇園最後の夜 | ジャン=ピエールの霧の中の原風景

ジャン=ピエールの霧の中の原風景

こだわりの食とお酒を味わった思い出や情報を綴ります。

21時の新幹線で東京に帰る。
帰る前に祇園のシャンパニューバー・クーゲルに寄って西田さんにお会いしたかった。
19時に立ち寄ったらオープンは20時とのことだった。その間祇園の川沿いの夜桜を見た後、お香専門店に寄って伽羅を購入した。
20時過ぎにクーゲルを訪れた。



挨拶を交わした後、いつものアメールピコンのソーダ割り+アルファを頼もうとしたら、西田さんがいいものがあると言ってあるボトルを取り出してきた。


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イタリアに旅行に行った友人が持ち帰ってきた薬草系のリキュールでアメールピコンに近いらしい。
持ち帰った時点でボトルには何も書かれておらず他のボトルに移し変えたという。
密造酒かもしれないと…
謎のヴェールに包まれたお酒であった。
でも美味しいらしい。
私は迷わずそれをお願いした。
そのお酒で作ったソーダ割りを一口飲んでみる。


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ポルトの古酒やペドロヒメネスやトリプルボックのような味わいもする。
薬草の深い味わいの中に黒糖のような甘みが強烈に残る。
美味しいではないか。
少し甘いが私好みの味であった。

お通しが出される。
マスカルポーネチーズに年代物のイギリスのヒースの蜂蜜をかけたものであった。


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ヒースの蜂蜜は味が凝縮され濃厚でねっとりとしている。
美味しい。

棚を見ると私の好きなサン・ルイのグラスがずらっと並んでいる。

グラスも含めいつ見ても何もかもが美しい。


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そろそろ京都駅に向かう時間が近づいた。
最後にシャンパニューをグラスで一杯いただくことにした。
西田さんが私の好みを心得てくれていて蜂蜜香のする重厚なシャンパニューを一本開けてくれた。


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ジャン・ポール・ドゥヴィーユの1989のヴィンテージシャンパーニュである。

開けたてはきりっとしていて強い味わいのシャンパーニューであった。


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時とともに蜂蜜香がヴァニラの香りが溢れ出してくる。

しみじみと美味しい。


お名残り惜しいが店を出る時間が来てしまった。

これでお会計が3500円というのは安すぎはしないだろうか。

いつもながら感心してしまう。

西田さんに別れの挨拶を済ませ店を出る。

タクシーを使って京都駅まで向かった。


今回は、様々な素晴らしい方々と巡り会えた有意義な関西旅行であった。