3月31日より1週間程オフを取って関西方面に旅行に行ってきた。
その間記事の更新もペタもできず読者の方にはご迷惑をおかけした。
しばらくはランダムに関西の記事を書くことになると思うのでご了承いただきたい。
さて、加古川を訪れた数日後、土居シェフの知人の女性が経営されている大阪の北新地にあるシャンパーニュバーを訪れた。
店の名をエトワール・ドュ・ソワールという。
シャンパーニュの泡沫を星に見立て今宵の星という意味の洒落た店名である。
昨年の夏にオープンしたばかりのお店である。
オーナーの永野さんのシャンパーニュ好きが高じてシャンパーニュバーとなったのだが、こだわり方が凄い。
置いてあるシャンパーニューのレベルの高さは言わずもがな、ワインも含めシャンパーニュ以外のお酒は置いていないのである。
それどころか食べ物のメニューリストも一切ない。
可能なのはその日の気分によって開ける何種類かのシャンパニューをグラスでもらうか、セラーに山のようにあるシャンパーニュをボトルで頼むかである。
おつまみや料理はなしで…
何人かで訪れるなら好きなシャンパーニュのボトルを頼むのもいいが、このお店の醍醐味はストーリー性を持って選んでくれたグラスシャンパーニュを味わえることだろう。
それに基本的に料理は頼めないが、稀にお店にシャンパーニュに合う食べ物があって客が希望する時にはお店側から出してくれる。
私は大阪滞在時に土日のお店の休みをはさんで二回訪れてしまった。
店内は落ち着ちついていて上質な雰囲気が漂う。
曜日によるが永野さん以外にスタッフが1~2名いる。
初めて伺ったのはオープン時間の19時過ぎだった。
お店にはソムリエの池田さんがいらっしゃった。
その日オーナーの永野さんは8時半頃にみえられるという。
その間池田さんが対応してくれた。
池田さんはとても誠実な方でシャンパーニュをこよなく愛しているようである。
ボトル1本を一人で飲むのは少し辛いし、できれば色々な造り手のものを何種類か飲みたい。
このお店ではその願いが叶ってしまう。
それもレベルの高いいいものばかり味わえる。
その日のグラス用のシャンパーニュを選ぶ池田さんのセンスも素晴らしい。
好みを伝えたら今日のグラスシャンパーニューはすべて私が好きなものばかりである。
最初はディエボルであった。
軽やかで華やかだがコクもしっかりとしていてやはりバランスがいい。
二杯目はフランソワ・スコンデを少し寝かせたものだった。
深く複雑な味と香りが加わる。
シャンパーニュがだんだんとコクのある味わい深いものにシフトしていく。
タイプごとにグラスも変えてくれる。
二杯目のシャンパーニューを味わっているうちに永野さんがみえた。
挨拶を交わした後、お話をさせてもらったがとてもチャーミングで素敵な女性である。
前述の池田さんも若い女性スタッフのノリちゃんもお店のスタッフ全てが人柄も魅力的で接客も素晴らしい。
三杯目はゴッセ・ブラバンであったが、これが蜂蜜香が強くどっしりとしていてたいへん美味しい。
重厚なピノの味わいがたまらない。
完璧に私の好みである。
グラスもこのシャンパーニュに合わせて大きいものにしてくれた。
最後に飲んで驚いたのが、アンリ・ジローのキュベ・エスプリ・ド・ジロー・ロゼであった。
こんなに美味しいロゼは久しぶりに飲んだ。
複雑かつ濃厚で非常に味わい深い。
これら4杯で10000円しなかったことに驚いた。
北新地は高い店が多いと聞いていたが、この店は本物だと思った。
土日の休みをはさんで、二回目に伺った時は、最初に軽く爽やかでエレガントなアグラッパ・エ・フィスが出された。
シュガーボーイプロヴァンス特製クッキーと予約してその日に購入した京都松屋山城(松屋常盤)のきんとんをお土産に持って行ったら、永野オーナーがきんとんをわざわざ私のために一つ出してくれた。
そのうえ、永野さんお気に入りの京都のフランス料理店ボン・モルソー自家製のダコワーズと関西では貴重な苺飛鳥ルビーを出してくれた。
どれもこの上なく美味しかった。
確かにきんとんも含めいずれもシャンパーニュによく合う。
でも、このお店で食べ物の皿が並んでいるのは滅多にないことなのだが…
二杯目は、コクのあるH.ビリオ・フィスを飲んだ。
完璧なセレクションである。
素晴らしいシャンパーニュバーだった。
ここまでこだわっていて雰囲気のいいシャンパーニュ専門のバーを私は知らない。
知識をひけらかすのではなく、ホスピリティに満ち溢れている。
大阪に来る楽しみがこれでまた一つ増えた。
店に行くには淀屋橋から行くのが一番わかりやすい。
梅田や中之島駅からは行きずらいと思う。
シャンパーニュがお好きな方は訪れるべきお店であろう。
エトワール・デュ・ソワール
大阪市北区堂島1-3-33 新地萬年ビル BF
℡ 06-6348-1113 土日休み 19~2