シェ・カザマの驚きのサンドイッチ | ジャン=ピエールの霧の中の原風景

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こだわりの食とお酒を味わった思い出や情報を綴ります。

千代田区一番町にあるブーランジェリー、シェ・カザマのリオレというサンドイッチは驚きである。
スズキのパイ包みのように細工された大きなパンの中にたくさんの一口サイズのサンドイッチが詰め込まれているのだ。
知らない人は誰もが驚くだろう。
この週末予約しておいたリオレを持って私はある店に向かった。
店主に当日伝え、ネット網を使って常連客が店に集結したのある。

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おもむろにリオレを袋から取り出し大きな皿の上に置いた。
大きな魚の形をしたパンが現れる。

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見た目は鯉だろうか。
パンの表面の蓋を開けると…

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小さなサンドイッチがぎっしり詰まっている。
上から下へ縦に種類の違う三つのサンドイッチが重なっている。
サンドイッチの種類はサーモン、カマンベールチーズ、ハム、自家製ツナ、マッシュルーム等、私が食べただけで5種類はあった。

このサンドイッチ達はこの大きな魚のパンの中をくりぬきそのパンで作られている。
パンそのものが旨みがあってたいへん美味しい。
バゲット生地ではないが外側は程よい硬さである。
そして、パンは白一色だけではなくブルーベリーを練りこんだ部分も入っていてマーブル状になっている。
サンドイッチもすこぶる美味しい。

最初はヴァン・ムスーでサーモンのサンドイッチを食べ始め、次第にピノ・ノワールにワインが移行していく。
たくさんあったサンドイッチはみるみるなくなっていった。
この姿形を遅れてくるかもしれない人に見せたいため外側のパンに手をつけるのをみんな我慢していたが、11時を回ったので少しずつ順番に手をつけ始めた。
最初は胸びれである。
背びれ、尻尾、上の蓋の部分と徐々にパンはなくなっていった。
頭と下の部分が残って活け造り状態になり、最後には兜だけになった。


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最初はワインと一緒に食べていたが、クリーム煮のソースにつけて食べ始め、最後にはダニエル・ブージュのブリュ・ド・フーやポール・ジローの25年物のコニャックに少し浸して食べる次第である。
ババ(サバラン)のようでとても美味しかったが…

そうそう。

シェ・カザマのシェフがこれも食べてみてくださいとサービスしてくれた苺サンドイッチも感動的な味だった。


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フルーツサンドイッチは普通生クリームで作ることが多いが、シェ・カザマの苺サンドイッチはカスタードクリームで苺を挟んである。

絶品であった。

8人程集まったが、このリオレ一つでちょっとしたパーティーのように楽しめてしまった。
リオレは前日の午前中までに予約しておけば翌日の夕方には購入できる。
私が購入したリオレはこれでも一番小さいサイズで3150円である。
最近高級パンが出回っていて一つ3000円以上するものもあるが、エンターテイメント性ではこのリオレの右に出るものはないだろう。
味は勿論のこと、人が驚き喜ぶ顔を見たい方にはたいへんお薦めである。

シェ・カザマは半蔵門駅から歩いてすぐのところにある。