幻の焼畑新蕎麦の渾身のそばがき | ジャン=ピエールの霧の中の原風景

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こだわりの食とお酒を味わった思い出や情報を綴ります。

明けましておめでとうございます。
今年もよろしくお願いします。

大晦日の昼下がり新宿伊勢丹前にある彩蕎庵吉遊の前をたまたま通りがかった。
焼畑栽培の新蕎麦を使った蕎麦がきという店の外のメニューに目が留まり、中に入って食べることにした。
この季節限定となる蕎麦がきは、常陸水府村産の貴重な焼畑栽培の新蕎麦を手刈りにした後、天日乾燥して作られたものらしい。
蕎麦通が泣いて喜ぶ幻の焼畑蕎麦で蕎麦がきを作ったらどんな味だろうと期待に胸をふくらませながら菊正宗の樽酒を頼んだ。


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だし巻き玉子等も頼もうとした。
気がついたら本日のラストオーダーの時間、3時が過ぎていて先に注文していた蕎麦がき以外料理を頼めなかった。

樽酒と蕎麦がきだけなんて江戸時代のもののふのようである。
でも、焼畑栽培の新蕎麦の蕎麦がきである。

さて、できあがった蕎麦がきが届けられた。
何もつけないで一口食べてみる。


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滑らかで旨みがある。
蕎麦の香りは思ったよりもそれ程強くはない。


ワイルドで蕎麦の香りがプンプンする粗削りなタイプの蕎麦がきではないが、骨格がしっかりしていて味わい深くかつきめ細かさも併せ持っている。

菊正宗の樽酒に合うではないか。


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この蕎麦がきは別皿に盛られた返しのタレをもとにしたつけ醤油をあまりつけない方が美味しかった。
山葵を蕎麦がきに適量載せ少量のつけ醤油をかける程度がちょうどいい。


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最近はこういう蕎麦がきは東京ではなかなか食べられなくなった。
大晦日に貴重な体験ができたと思う。
吉遊を久しぶりに訪れたがいろんな意味でお店が成長していると感じた。