遅ればせながら、明けましておめでとうございます!
あまり更新できていないブログでしたが、昨日晴れて(?)無職の身となりましたので、これからはぼちぼち記録していきたいと思っています。
2018年が充実して幸せな1年になりますように。
今年もどうぞよろしくお願いします☆
今年のわたしの新年の抱負は、なるべく早く起きて、朝ごはんも食べて、フランス語も勉強して、運動も少しして、という毎年代り映えのしないものなのですが、とりあえず今のところは運動とフランス語の勉強以外は実行できています。^^
フランス語の勉強へのとりかかりとして(?)、まずフランスの歴史が知りたいと思っているのですが、以前から価格ウォッチを続けている塩野七生さんの電子書籍が一向に割引にならないので(クーポンも使えないので、もしかすると割引除外の出版社なのかもしれませんね)、今月割引になっている別の本から読み始めました。^^
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遠藤周作の本はこれまでたぶん読んだことがなく、読書家のモニカさんによるとたしか重くて暗い作品が多いということでしたが、その名前はマーティン・スコセッシ監督、カイロ・レン出演作の映画「沈黙 -サイレンス-」で気になっていたのでした。
こちらは「沈黙 -サイレンス-」のフランス語字幕での劇場予告です。重くて暗そうなので、わたしは見れていません、、涙
この「沈黙」の著者でもある遠藤周作は、1950年7月から1953年1月までフランスのリヨン大学に留学していて、そのときの記録をまとめたものが1953年7月に処女作として出版された「フランスの大学生」なのだそうです。
仏留学生活を瑞々しく描いた著者デビュー作
1950年、27歳の遠藤周作は文学研究のため、いち留学生としてフランスに渡る。
そこにはいまだ大戦の荒廃が色濃い日々の暮らしがあった。ナチスの残虐行為、肉欲、黒ミサ、サド、ジイド等々、ときに霧深いリヨンの街で、あるときは南仏の寂しい曠野で、人間の魂の暗部を擬視しながら綴った思索の足跡――。
愛とは、信仰とは? 本書は、戦後初の留学生として渡ったフランスでの学生生活について日本に書き送った原稿をまとめたエッセイ集であり、著者の原点ともいえるデビュー作である。
目次
1 四つのルポルタージュ
(恋愛とフランス大学生
フランス大学生とコミュニスム
フランスにおける異国の学生たち
一九五〇年代のフランス大学生)
2 牧歌
(葡萄の丘と夏の雲
ボルドオ
テレーズの影を追って)
3 四季
(絵葉書の裏に
冬―霧の夜
春―日記から
夏―アルプスの陽の下で
秋―白き墓地)
この中の、第1章 四つのルポルタージュまで読んで、今は牧歌に入ったところです。
65年くらい前に書かれた書物ですので、語句の記載が今と少し違っていたりしますが、その違いを見つけるのも面白かったりします。^^
逆に、人々の感覚はあまり変わっていないのではと思うところもありました。
例えば、第1章の「フランスにおける異国の学生たち」は特に面白く読めたのですが、その冒頭で「フランスの学生は一体日本をどう見ているのでしょうか。戦後、また緊迫した極東状況にあって、きっと、日本のことも彼らの関心事だと思います。暇な時、その点君の感想を知らせてくれたまえ。」という日本からの友人からの手紙の紹介がありましたが、「ぼくはどう返事していいか、戸惑うのです。残念なことですが、一言で言えば、『一般のフランス人のみならず、学生も、ほとんど日本に関心がない』と答えるより仕方ありますまい。」という記載がありました。
残念ながら現代でも、日本に関心を持っている人はごく一部かもしれません。。涙
まだ第1章しか読み切っておらず、これからどういう展開になるのかわからないですが、20代後半の留学後すぐに出版された本としてはすごく深い(そして重い)内容です。
この遠藤周作の目を通して、その時代の日本とフランスの空気を知るのは貴重な存在で、すごく面白いと思いました。
値段も安いですし、少しレトロな文体ですが読みやすいし、かなりおすすめです!
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こちらの「留学」も遠藤周作の作品ですが、自身の記録の「フランスの大学生」と違って、自身の経験を踏まえて書かれた小説のようです。
やっぱり内容はちょっと暗そうなのですが、今後読んでみようかと思っています。(表紙もなんだか暗い感じですよね。^^)