jdeafのインフレカバー研究 -3ページ目

jdeafのインフレカバー研究

世界の超インフレーションの郵便物研究

ちょうど100年前の1923年11月26日、郵便料金は、4倍値上げしました。国内書状は、200億マルクから800億マルクになります。国内書状200億マルクは、11月20日から25日までの6日間でした。この値上げで特筆すべきなのは、値上げと同時に、郵便局では、額面の4倍で切手を販売した(4倍料金)ことです。つまり、国内書状800億マルクに、額面200億マルク分の切手を貼れば、OKなのです。

 

 

画像は、1923年11月26日、ライプツィヒ (Leipzig) から、メレンバッハ (Mellenbach) への国内書状です。1923年11月20日のカバーと見た目が同じ100億マルク切手2枚貼りですが、800億マルク料金で、正しい使用例です。1923年11月25日に、切手を200億マルクで買っていれば、インフレ(4倍料金)に影響されずに、200億マルクの負担で済み、ラッキーです。この切手の額面の4倍というやり方は、前代未聞の措置で、混乱を産みました。

 

 

画像は、1923年11月26日、ブランデンブルク (Brandenburg) から、マクデブルク (Magdeburg) への国内書状です。額面5が10枚、額面10と20が1枚ずつ、合わせて額面80*ゼロ9個(10億)=800億マルクです。4倍料金値上げだけ知って、切手の額面も4倍になるのを知らずに、手持ちの切手を額面通り貼ったのでしょう。

 

 

 

 

画像は、1923年11月26日、フランクフルト (Frankfurt) から、ドルトムント (Dortmund) への国内書留です。注目すべきは、額面10の切手4枚(=40)に対して、カバーの右上に、"160" が書き込まれていることです。これが、4倍料金であることの状況証拠です。

 

何故、4倍値上げと同時に、切手を額面の4倍で販売という、前代未聞の措置を行ったかというと、インフレ切手の追加製造を避けるためでした。12月に新通貨の切手を販売する予定で、新通貨切手の製造を優先する必要があったのです。4倍値上げだけでは、郵便局で切手が不足する怖れがあったので、切手が不足しないように、切手を額面の4倍で販売することにしたのです。

 

 

 

 

ちょうど100年前の1923年11月20日、郵便料金は、2倍値上げとなりました。国内書状は、100億マルクから200億マルクになります。10倍値上げが3回続いた後なので、かなり緩い値上げに感じられます。国内書状100億マルクは、11月12日から19日までの8日間でした。

 

 

画像は、1923年11月20日、ベルリン (Berlin) から、アーケン (Aken) への国内書状です。1923年11月12日のカバーに貼られた切手の500より、10と小さな数字になっています。数字が小さくなった代わりに、数字の下の文字が 'Millionen' から 'Milliarden' に変わっています。ゼロ6個から、ゼロ9個(10億)になっています。実際に、切手下部の数字は、 "10 000 000 000" とゼロが10個並んでいます。100億マルク切手2枚で200億マルクです。

ちょうど100年前の1923年11月12日、郵便料金は、再三の10倍値上げとなりました。国内書状は、10億マルクから100億マルクになります。国内書状10億マルクは、11月5日から11日までの7日間でした。3回連続の10倍値上げで、2週間足らずのうちに、1,000倍となります。

 

 

画像は、1923年11月12日、フュルステンヴァル (Fürstenwalde) から、ベルリン (Berlin) への国内書状です。一気に切手が増えて、表に15枚、裏に35枚、合わせて50枚貼られています。500ミリオン切手20枚で、10,000ミリオンで、100億マルクです。億とかで考えると混乱します。1ミリオン(1,000,000)はゼロが6個なので、500ミリオン切手20枚は、5*ゼロ8が20枚=100*ゼロ8(億)=100億といった感じで脳内変換しています。

ちょうど100年前の1923年11月5日、郵便料金は、10倍値上げされました。国内書状は、1億マルクから10億マルクになります。国内書状1億マルク料金は、11月1日から4日までの僅か4日間でした。この4日間が、ドイツインフレで最短料金期間です。

 

 

画像は、1923年11月5日、アルテンブルク (Altenburg) から、ベルリン (Berlin) への国内書状です。一気に切手が増えて、表に15枚、裏に35枚、合わせて50枚貼られています。20ミリオン切手50枚で、1,000ミリオンで、10億マルクです。慣れない人は、このあたりで、桁が分からなくなって混乱するでしょう。10億というと、非常にお金持ちになった気分ですが、国内書状1通の料金で、今の日本円で、100円もしません。

ちょうど100年前の1923年11月1日、郵便料金は、10倍値上げされました。国内書状は、1,000万マルクから1億マルクになります。国内書状1,000万マルク料金は、10月20日から31日までの12日間でした。

 

 

画像は、1923年11月1日、メラーネ (Meerane) から、タイフィンゲン (Tailfingen) への国内書状です。貼られているのは逆向きですが、100ミリオン (= 1億)マルク切手です。

ロゼッタ図案の数字が100になって、1923年10月20日と並べると、10倍になったのが一目瞭然です。

ちょうど100年前の1923年10月20日、郵便料金は、一律2倍値上げされました。国内書状は、500万マルクから1,000万マルクになります。国内書状500万マルク料金は、10月10日から19日までの10日間でした。

 

 

画像は、1923年10月20日、ハンブルク (Hamburg)から、ドナウエッシンゲ (Donaueschingen) への国内書状です。500万マルク切手が2枚になって、1923年10月10日と並べると、2倍になったのが一目瞭然です。このようにロゼッタ図案切手は、倍々になっているのが枚数で分かりやすいです。

ちょうど100年前の1923年10月10日、郵便料金は、一律2.5倍値上げされました。国内書状は、200万マルクから500万マルクになります。国内書状200万マルクは、10月1日から9日までの9日間でした。

 

 

画像は、1923年10月10日、ドレスデン (Dresden) から、オーバーノイキルヒェン (Oberneukirchen) への国内書状です。加刷がなく、正刷です。中央の5の下の "Millionen" は、100万 を意味するドイツ語です。更に、注目すべきは、切手の下部に、 "5 000 000 M" とゼロが並んでいることです。 この図案は、ロゼッタ図案として、この後、インフレの主役として、躍り出ます。数字と色を変えるだけで、色々なロゼッタ図案の切手が出現します。なお、この500万マルク切手は、1923年10月9日の使用例が知られています。フライングです。

引き続き、100年前のドイツインフレの使用例を紹介します。

 

 

画像は、ちょうど100年前の1923年10月9日、フランクフルト (Frankfurt) からミュンヘン (München) への国内書状です。昨日と同様に、黒く加刷され、中央の2の下の文字は、"Millionen" という 100万を意味するドイツ語です。10月1日から、国内書状も200万マルク、文字通りミリオンの世界に突入します。

 

 

 

画像は、同じく1923年10月9日、ミュールドルフ アム イン (Müldorf am Inn) 宛の国内書状です。差出局は不鮮で読めません。左下に、"150,000" と青で書かれています。上と同様に200万マルク切手が貼られていて、料金に間違いは無さそうに見えますが、15万マルクを徴収されたのです。実は、カバーの上部に "Postlagernd" と書かれていて、局留です。通常の不足料金は、手数料5割が上乗せされます。本来、局留料金は、10万マルクなのですが、間違えて5割増しの15万マルクで徴収してしまいました。ドイツでは、1920年5月6日から1923年11月30日まで局留が有料でした。ドイツで局留料金が有料なのは、インフレ期だけでした。そのためか、また局留自体の使用例も少なかったためか、局留は、正規料金の5割増しばかりで、正規料金の方が少ないという奇妙な現象が発生しました。

久しぶりの投稿です。今年は、ドイツインフレ100年です。ちょうど100年前、ドイツで、インフレが進行していました。

 

 

画像は、ちょうど100年前の1923年10月7日、ハンブルク(Hamburg)市内のローカル葉書です。既に、インフレが進行していて、見た目通り、切手がベタベタと貼られています。切手の下側に、黒く加刷されているのは、"Tausend" という 1,000 を意味するドイツ語の古い字体です。台切手40マルクを加刷した15,000マルク切手で、27枚貼られています。合わせると、40.5万マルクです。当時のローカル葉書料金は、40万マルクで、5,000マルク過貼です。もう、過貼を承知で貼ったでしょうね。料金にぴったりと合わないのが残念ですが、このように切手が瓦状に貼られたカバーは、インフレらしく、好きです。

 

ローカル葉書料金は、1923年8月1日、200マルクになっていて、僅か2カ月で、2,000倍という既に、凄まじいインフレなのですが、これから11月いっぱいまで、更に加速します。

無事に帰国。ドイツで知らされていたが、念のためにと、自宅のパソコンから、IBRA2023のサイトで、得点を確認すると、86点でなく、93点に修正されているのを確認し、安堵す。事務方のミスの模様。通常、世界切手展は6日間程度の会期を、4日間という短期間かつ、出品作品も最大級だったので、ミスが発生しやすい状況だったのだろう。