牛飼いの牧歌的唄声・・そんなテナーの音
「ボワ~~ン・・」バッキングに切れが無いギター
追いかけたが、バスに乗り遅れた・・・そんなノリ
ポーランド・ジャズ!何故か、 「ホッ」とする・・
①『フライン・レディー』(78)
《Flyin' Lady/Jan Ptaszyn Wroblewski(ts)》
《YouTubeリンク:https://youtu.be/BLAGEttRfxg》
ヤン・ロブレウスキー(ts)、マレク・ブレズンスキ(g)、ヴィトルド・スフレック(b)、
アンドレヤ・ドブロウスキ(ds)。
ポーランドの草原で牛飼いが大声で歌を唄っている。
ポーランドのS.ロリンズとも言おうか?大らかに・太く・丸い音質で朗々と唄い上げる。
切れの良いフレージングではない、「ダラダラ」と唄い続ける節回し。
黒人のネチッコイ・フレーズのようにも聴ける。
全曲オリジナル、牧歌的な・穏やかな曲が多い。
こんなテーマで朗々と唄い上げる様は「ホッ」とした気分にさせる。
この頃のN.Y.ジャズは、研ぎ澄まされ・ナイフエッジで・突き刺さるトーンが多い。
だが、ここポーランドでは「そんなの関係ネェ~」のようだ。
ピアノレス・ギターのカルテット、タップリとロブレウスキーが楽しめる。
ギターはピアノの代役のはずだが、代役を務めてるとは思えない。
「ボワ~~ン・ボワ~~ン」、「エッ?オルガンが?」、ギターのバッキングに切れが無い。
アドリブの切れも悪い、牧歌的テナーも同じでどうもノリが悪い。
「走って追いつこうとするバスに乗り遅れた」そんなイメージ。
だが、何となく「こんなジャズ」にホッとする。