強く&鋭いアタック音が・・・暴力的・攻撃的音質に。
合間に「ふっ」と、力を抜く優しい音。
緩急自在な音のバランスが魅了する。
③『ラブ・イズ・ザ・シング』(86)
《Love Is The Thing/Steve Grossman》
スティーヴ・グロスマン(ts)、シダー・ウオルトン(p)、デヴィッド・ウイリアムス(b)、
ビリー・ヒギンズ(ds)。
アルバム②から2年後の録音。完璧なハードバップの仕上がり。
②のピアノレスと異なり、カルテットの演奏は落ち着いて聴ける。
だが、ハードバップのグロスマンであっても、音質は暴力的・攻撃的。
ウオルトン(p)の出番がくると、メロディアスなフレーズでついホットする。
グロスマンのテナーはアタック音が強い。音の立ち上がりが鋭い。
高域の音ほどデカク吹いてくる。
それが、攻撃的な音質になる1番の要因。
ところが、攻撃的な音質の合間に「ふっ」と力を抜いた弱い音が顔を出す。
緩急自在な音のバランスとメロディアスなフレーズが②と大きく違う。
B#2 唯一のオリジナル曲。
この曲だけは、迫力とテンション・フルレンジのアドリブ展開を聴かす。
このアルバムは楽しめる1枚。
精神力と体力勝負で聴く①とは大きな違いがある。