新たな戦士たち(3) | 私、BABYMETALの味方です。

私、BABYMETALの味方です。

アイドルとメタルの弁証法
-May the FOXGOD be with You-

★今日のベビメタ

本日1214日は、2010年、初の外部イベントであるタワレコさくら学院1stシングル発売イベントに出演し、2016年には、Red Hot Chili Peppers UKツアーのSpecial Guestとして、マンチェスターManchester Arena(初日)に出演した日DEATH

 

1019日、BABYMETAL公式で、YUIMETAL脱退が発表され、今後はSU-MOAを中心とした「新体制」となることが明らかになった。

同日、新曲「Starlight」がシングル配信された。それはBABYMETALがさらなる高みを目指して走り続ける意志を歌っていたが、「♪Lalalalalalala…」というコーラスに重なる「♪Wherever we will be with you, we never forget shining star light」「♪Forever you will be in my heart, we never forget shooting star」という歌詞は、藤岡幹大やYUIMETALへの惜別のようにも聴こえた。

そして迎えた1023日、幕張メッセイベントホール。今年最初の国内ライブで、Chosen 7の「新体制」が披露された。

オープニングの「In the Name of」でステージに登ったのは、SU-MOAMINAMI神、MINAKO神に、新たな三人のダンサーが加わり、合計7人の大所帯だった。AKBグループや坂道グループから見れば少ないが、BABYMETAL=三狐と思い込んでいるファンには見慣れない人数である。

ピエロのように目の上下に黒い線を入れた新たなダンサーは、大阪のダンススクール兼プロダクションのCALLES出身のダンサーSAYAKOTONO

もうひとりは、ミュージカル「黒執事」に出演し、今年のサマソニではDAOKOのバックダンサーを務めたSHOKOだった。

KOTONO2000101日生まれ、SAYA200019日生まれ。KOTONOは、MOA1学年下、まだ高校3年生である。MOAは、BABYMETALで初めて年下のメンバーができたということになる。

大柄なMINAMIMINAKOの両女神は上手/下手で区別できるが、新しいダンサーは三人とも同じような体格で、白塗り、ピエロメイクだったため、ポジションを頻繁に移動するライブ中は正直区別できない。

Darknight CarnivalSSAの写真では、左からMINAMISHOKOMINAKOMOAMETALSU-METALSAYAKOTONOとなる。

12月のシンガポール~Good Thingsツアーは、SAYAが抜擢されて「新三人組」を構成したが、ぼくは初日に、この写真の顔の雰囲気から、SHOKOだと勘違いしてしまった。ごめんなさい。

SHOKOはダンサーあるいは演者として経験豊富だが、まだ若いSAYAKOTONOも、身体能力やダンススキルは高い。

BABYMETAL World Tour 2018 in Japanのステージは、▽と△を4つ組み合わせた構成になっており、それぞれがフロアピットから見上げると数メートルも上昇するしくみになっていた。

メンバーとダンサーは、楽曲に合わせて▽や△にバランスよくポジションを取り、「TATOO」のSU-ソロから、「GJ!」のMOA2人のピエロ=3人構成、「紅月-アカツキ-」のSU-MINAMIMINAKO3人構成、「Elevator Girl」のSU-MOA3人のピエロ=5人構成、そして大半の楽曲で、全員が参加する7人構成になっていた。

Chosen 7とは、確かにSU-MOAを中心に、さまざまなフォーメーションで、メタル楽曲+ダンスというBABYMETALの表現を進化させたものだった。

実際、ぼくが見た幕張2日目とSSAは、7人が目まぐるしくフォーメーションを変えながら、素晴らしいシンクロ率を見せ、ショーアップされたステージを展開してくれた。

USEUツアーで見せたMINAMIMINAKO神による「紅月-アカツキ-」の殺陣もよかったが、MOAを中心とした三人による「GJ!」もコケティッシュでKawaiかった。7人が一糸乱れず踊り倒す「メギツネ」や「ギミチョコ!!」は圧巻というほかなかった。

KARATE」の倒れこむシーンでは、SU-は、MOAも他のダンサーも助け起こすことなく、7人の一人一人が自力で立ち上がり、同じ方向を向いて歩きだす。

ラストシーンでは、握りこぶしをキツネサインに変え、掲げた瞬間暗転の中で胸に秘めるという所作が、泣きたくなるほど美しかった。

ROR」で7人が日蝕旗を担いで登場するシーンでは、見事に旗竿の角度がそろい、危機的状況の中、Metal Resistanceに参戦した戦士の誇りを感じた。

一つ一つの楽曲、シークエンスの完成度の高さを見れば、彼女たちが、どれだけ過酷な練習を重ねてきたかがわかる。

YUIMETALが脱退したことによって、トライアングル=Trilogyを基本としたダンスのフォーメーションは、大きく変わらざるを得なくなった。

もっといえば、SU-の歌唱力のほかに、YUI&MOAの可愛らしさを前面に出していたBABYMETALのコア・コンピタンスを修正しなければならなくなった。

もちろんMOAは依然としてカワイイし、SU-だってカワイカッコいい。しかし、YUIが抜けたことによって、BABYMETALにおけるKawaiiの力は2/3になってしまった。

全てはここから組み立て直さねばならない。いまさらKawaiiを元に戻せと言っても詮無いことである。

BABYMETALは「アイドルとメタルの融合」をキャッチコピーとし、具体的なパフォーマンスとしては、演奏しない代わりにダンスによるメタル表現をとりいれた「メタルダンスユニット」である。

カワイイの力が2/3になってしまった以上、パフォーマンスの方向をカワイイだけじゃなくて、カッコよさとか、美しさとか、華麗さの方向へ向けていく。それがChosen 7というアイデアであったし、「アイドル」とはレベルの違う集団群舞のアート性を打ち出していく役割を担ったのが、5人のダンサーである。

KawaiiメタルからKakkoiiメタルへ。あるいは、愛らしい少女メタル歌劇団から、堂々たるドラマ性を持ったメタル宝塚へ。

World Tour 2018 in Japanのフィニッシュ曲、「THE ONE unfinished Ver.」で、一人きりのSU-がバックライトを浴びて、女神のように静かに歌い上げた後、間奏部で、MOA、三人の新ダンサー、MINAMIMINAKOが次々とステージに上がってくる瞬間は、小神様の逝去やYUIの脱退を乗り越え、続々と参戦する戦士たちによって、BABYMETALが、まだまだ進んでいく決意を表していた。特にSSAでは、7人が並んだステージが上昇し、手を振る様子は、まさにミュージカルの大団円のような華やかさだった。

それはもちろん、かつてのBABYMETALとはだいぶ違う。

だが、メタルダンスユニットを標榜するなら、メンバーが成長するにしたがって、必ず通らねばならない道である。それが予期せぬ早さで実現したというだけであり、これは正常進化なのである。どうあがいてもYUIがいた「あの頃」は戻ってこない。人の歩みというものは、常に前にしか道はないのだ。

とはいえ、頭ではわかっていても、BABYMETALが変化=進化することに、感情的に反発するファンがいることも事実だ。

幕張メッセ初日は1023日。

セットリスト全11曲(SSA12曲)の練習を開始したのは、少なくとも1か月以上前のはずであり、事務所を通じて本人への打診~受託というプロセスを考えると、8月中にはYUIMETALの脱退が確定していたのではないか。

いや、国内ではChosen 7=変幻自在な7人構成というスタイルを披露することは当初から確定していたが、最後のピースは復帰予定のYUIMETALであり、早くから準備していたのは二人だけだったのかもしれない。

いずれにしても、5月の欠場以上に、Japanツアー直前のYUIMETALの脱退発表には、ファンが大騒ぎする可能性が高かった。

そんな中、新しい三人のダンサーは、よくぞオファーを引き受けてくれたものだと思う。

三人の参加によってChosen 7構想が実現し、メタルダンスユニットとしてのBABYMETALの可能性が拡がった。

心から感謝したい。

(つづく)

 

P.S OCEANさんより、SAYAの生年月日は2000年1月9日なので、MOAと同学年であるとの情報をいただきました。

お詫びして訂正いたします。