
李相日監督がこれ程の大物監督になると、誰が予想しただろうか?
作品毎に評価は高まり、去年「国宝」を大ヒットに導いた。
人間の深淵に入り込んでいく姿勢は、一切妥協がない。
もう既に公開から20年が経過した。
もちろん才能の片鱗は窺える。
この次の「フラガール」で、監督は一気に時の人となる。
しかしまだ荒削りで、あの頃のクライムムービーの影響を受けた作品に留まっている。
例えばクエンティン・タランティーノやダニー・ボイル、デヴィッド・フィンチャー、当時華々しく登場した監督達だ。
現状を打破しようと、遮二無二瞬間を生きる彼ら。
その怒りや反発は、後の作品に受け継がれていく。
そこからは怒濤の勢いで、「悪人」や「流浪の月」といった傑作を生み出す。
前夜の李相日監督の爆発しそうな張り詰めた若さが、とても興味深い。




