
何かほんの些細なことから、思わぬ方向へ行くというのは、映画にはよくある。
もちろん実人生でも、よくある。
ドイツ映画「ありふれた教室」は、中学校で起きた盗難事件から、あらぬ方向へと進んでクラスが崩壊していくサスペンスだ。
盗難が起こり、歪みが生まれる。
疑う側と、疑われる側。
少女のひとつの嘘から、主人公は孤立し、大事件になっていく。
些細な始まりから人生を狂わされていく人は、実際に沢山いる。
こんなはずではなかった、が、もう遅いのだ。
修正しようとするが、ますます事態は悪化していく。
卒業して18歳で上京した時、ニュースにその学校が取り上げられた。
校内暴力だった。
「ありふれた教室」でも、普通の学校で普通の生徒達だからこそ余計に怖い。
タガが外れていく様がリアルだ。