会いたくて会いたくて会えなくて会いたくて | 映画ブログ 市川裕隆の燃えよ ヒロゴン


いわゆるザ・恋愛映画を観るのは、いつ以来か?
アメリカのアカデミー賞作品賞にもノミネートされた「パストライブス~再会」。
アメリカと韓国の合作映画だ。


12歳の時に恋心を抱いていた二人は、親の都合で離れ離れになる。
24歳、二人はFacebook上で再会する。
オンラインのビデオチャットで、会えなかった空白を埋める。


だが二人は再会を果たさず、時が流れて36歳、ようやく男が女に会いに行く。
女は既に結婚していた。
自分の記憶を辿っても、誰もが重ね合わせられるほろ苦いラブストーリー。


2点、気になるところがあった。
まずは、この男が12歳の想いを引きずるくらい彼女のことを本当に好きだったのかということ。
それ程の過去のエピソードが描かれていないので、彼女をFacebookで探して会いたいと思う程なのかと、疑問に思った。


それからもう一つ、男と女とその夫のバーのシーン。
夫が置いてきぼりで、男と女が延々と韓国語で話をする。
夫は韓国語を理解していないので、二人だけの世界が出来上がる。


そこに何とも違和感を感じた。
夫を置き去りにして、夢中で語り合う、分からないでもないが、夫の気持ちは?
気になりはしたが、それでも二人の普遍的な物語は、心をぎゅっと掴んで離さない。


映画で度々語られるのは、イニョン(縁)。
二人はどこかで繋がっていて、再会する運命だった。
しかし、今はもうあの時の二人ではない。


すれ違い、時を経て、巡り会う。
何が正解なのか、誰も分からない。
運命は時に残酷だ。