
ホラー映画の洗礼を受けたのは、中学生くらいか?
テレビの洋画劇場で観た「オーメン」や「キャリー」、「サスペリア」に衝撃を受けたからだ。
映画館で観た「シャイニング」にも。

怖いけど好きだった。
怖いから好きだったのか。
2時間たっぷり恐怖を体験するというのは、堪らないものがあった。

悪魔の子ダミアン誕生の物語「オーメン ザ・ファースト」は、あの「オーメン」から45年以上が経過して映画化された。
最初の「オーメン」に打ちのめされた方達も、多く来場したに違いない。
そう、大概こういったPART2や前日譚は成功しない。

去年日本公開された「エクソシスト信じる者」もそうであったし、リメイク作等にも滅多に名作は生まれない。
そう思って観ると、案外楽である。
一切の期待をしないのだ。

この映画もそこそこの怖さで、当然オリジナルを上回ることはない。
特に驚きや感動もなく、観た数時間後にはすっかり内容を忘れてしまった。
それでも、観たいという衝動は抑えられないのだ。

オリジナルでは「ローマの休日」でオードリー・ヘップバーンの相手役を務めたグレゴリー・ペックが映画を締めるが、今回はイギリスの名優ビル・ナイがその役割を担う。
ビル・ナイが登場するとB級感がなくなるから不思議だ。
映画に風格が漂う。

「エクソシスト」にはエレン・バースティンやマックス・フォン・シドーがいた。
「サスペリア」にもアリダ・ヴァリが。
ホラー映画には名優が付き物なのだ。
観終わると、オリジナルを観たくなるのは何故なんだろう?
今回はより一層観たくなった。
オリジナルの完成度が高かったのもあるし、久しく観ていないせいもあるかもしれない。

新作を観て、改めてオリジナルの素晴らしさを知る。
いつもそうだ。
最初に観た時の、あの衝撃をあの頃のまま味わえたらどんなにかいいだろう。